食事の自立に 先割れスプーン すくう と 刺す が介助量を減らす

 

食事の介助が必要な方に対して、自立支援の介護としてスプーン・フォーク・自助具などが用いられますが、先割れスプーン(spork)はあまり用いられていません。
お皿のふちがすくいやすい形になっていたり動かないように固定しやすい介助食器・ユニバーサル食器、皿に滑り止めマットを敷くなど、介護の現場ではいろいろな工夫をして食べやすさに取り組んでいます。
私の場合にはリハビリテーション的なかかわり方でどうやったら食事を自立で食べれるかを考えながらお手伝いするのですが、スプーンですくいにくい、フォークでは食べにくいというケースが結構あるんですよね。それに対して、スプーンの柄の角度を調整してみたり、持つところを太くしてみたり、お皿を変えてみたり・・・と試みるのですが、なかなかうまくお口に運べません。

食事の道具はスプーン・フォーク・お箸の3択?

食事の時の道具として、一般的にはスプーン、フォーク、お箸の3択になります。
それぞれ適した食形態があり、使う場面によってメリットデメリットがあります。うまく食事をできず介助が必要な方に対して、どれかひとつ食器を選ぶとしたらまずスプーンを選択することになると思います。しかし、先割れスプーンはスプーンとフォークのいいとこ取りで、食事の自立支援の新しい選択肢になり得ると私は考えています

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先割れスプーン(さきわれスプーン)・sporkの特徴と歴史

先割れスプーンを使ったことがある人は意外と少ないと思います。身近なところで言えばコンビニでお弁当・パスタ・中華丼など、汁と一緒にすくい食べるようなものには使い捨て先割れスプーンを付けてくれることがあります
先割れスプーンについてWikipediaで調べてみると以下のような内容でした。

名前の由来であり最大の特徴として、先端が三つ又に割れており、スプーンでありながらフォークとしても使用できるいわゆる"spork "と、先端部に溝と穴とが穿たれ、特に果物の種を取り出しやすいことから、メロンやスイカを食べる際に使われる「先割れスプーン」が存在する。
sporkは、麻痺などにより箸が使えない人には、指先の力が無くても料理をすくったり引っ掛けたり突き刺して口に運べる便利な食器であることから、介護用品としても利用されている。また箸文化に不慣れな者がラーメンなど箸を使うことを前提とした麺料理を食べる際にも便利である。少々不器用に扱っても食事しやすいことから、幼児用食器としても利用される。

日本の先割れスプーン

フォーク状になっている先割れスプーンは、日本では比較的後になって登場したものである。 日本国内での初期の学校給食では、「突き刺して食べる」ことと「すくって食べる」という二通りに使えるという利便性を買われ、1950年代頃より先端部が「M」字状になっている「先割れスプーン」が用いられた。1990年代からは実用的なsporkが一般的となった。こちらは幼児や児童向けの食事風景や、コンビニエンスストアの弁当、また介護の場でも利用されている。

先割れスプーンへの批判

先割れスプーンは、大衆の簡便な食事のために開発されたようなものであり、どっち付かずの合いの子食器とみなされる傾向がある。正式にテーブルマナーが問われるような場で使われることはない。

日本

学校給食の場で先割れスプーンが一頃盛んに用いられたが、今では『箸の使い方を知らない子供が増えたこと』の原因とされ廃止されつつある。
一方、1970年代から普及したランチプレートと呼ばれる総合食器の登場以降、逆に「ランチプレートに顔を近づけて食べる」という犬食いと呼ばれる食べ方を発生させる要因ともなった。器を置いたままで食べる洋食のスタイルとは異なり、日本では「食器を口元に持っていって食べる」という和食習慣を持つため、この食べ方はともすれば見苦しいとされる。
これは、先割れスプーンが汁物を食べるのには向かないという問題もあってのことである。こと当時の先割れスプーン先端部が「料理を絡めたり突き刺して食べる」という方法に向かない形状であることも問題視された。
引用:先割れスプーン - Wikipedia (引用日:2018年3月7日)

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「突き刺して食べる」「すくって食べる」という二通りに使える利便性

先割れスプーンは家庭にはあまりありません。箸を使用して食事するのが日本のスタンダードです。

スプーンは平安時代の日本でも使われていた ー 匙(さじ・しゃじ)・かい

スプーンと聞くと欧米の食器だと思われてしまいますが、日本でも古くから「さじ(しゃじ)」が使われていました。
平安時代のころ、貝殻を使って液体や粉末をすくっていた歴史があります。
医師がお手上げの時に「匙(さじ)を投げる」などと言いますが、匙で細かく薬を調整しても治療のしようがなくてだめだー!と匙を投げたという様子のようです。
その匙です。

先割れスプーン・スポーク

食事が欧米化するにつれてスプーンとフォークは一般家庭にも普及しました。
近年、介護や幼児分野で、先割れスプーンやspork(スポーク)が見直されて導入されてきています。
身近ではありませんが、スプーンだと食べ物が逃げてしまうし、フォークだとすくえないという弱点を克服することができるかもしれません。

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spork(スポーク)・先割れスプーンは介護場面で利用価値あり!

食事の自立に 先割れスプーン 、すくう と 刺す が介助量を減らす
先割れスプーンは、ごはんもうどんも豆腐も食べられる食器です。
リハビリテーションの立場からみても、先割れスプーン・sporkはさまざまな用途に用いることができるユニバーサル食器だと思います。
この写真のように、コンビニや100円ショップで売っているような簡易的な先割れスプーンでも食事の介助量が劇的に減少することもあります。
それは、すくう・刺すで食器を持ち帰る必要がなくなることや、刺すにしても適度にさしてうまくひっかけられるという使いやすさにあります。
先割れスプーンの注意点・弱点としては、先が多少とがっていますので、運動失調など口周辺での運動の調整がしにくい方の場合には傷つける可能性はあります。

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スプーン・フォークを握りにくいときはプラフレンドで握りやすいように自助具化を

プラフレンドで介護自助具を
市販のスプーン・フォーク・先割れスプーンなどでも、麻痺や指の欠損などで握る柄の部分が持つ人にフィットしないことも多々あります。
そんな時、ビニールテープをぐるぐる巻きにしたり、太めの輪ゴムを巻き付けたり、シリコン製のくるくる巻くものをつけたり工夫して持ちやすい柄にしています。
作業療法士などが身近にいるときにはより利用者に合った形の自助具を作れますが、衛生面なども考慮するとプラスチックでその人に合った形にしてしまうという手もあります。

60℃で変形する特殊プラスチックーインフィネイト pla-friend (プラフレンド)

インフィネイト pla-friend (プラフレンド) 250gを遣えば、1500円~2000円くらいでその人用の自助具が作れます。
60℃のお湯で、自由自在に何度でも成形可能な不思議なプラスチックです。

食事・水分摂取の自助具について

いろいろな工夫をしながら、自分で食べたいという希望をかなえられる食事支援をしていきたいですね!

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