老後の年金は平均いくらもらえる?ケース別で年金だけで生活できるか紹介

 

年金を払っているが、実際老後の年金はいくらもらえるのかと様々な疑問を持つ方も多いでしょう。
会社員や専業主婦、公務員・自営業など、人々のライフスタイルによって年金額は異なります。そこで今回の記事では、老後に貰える年金の目安額、年金だけで生活できるのかをケース別でまとめてご紹介していきます。

公的年金について

まずは、公的年金について簡単におさらいしていきましょう。
公的年金には、2種類あります。

  • 国民年金
  • 厚生年金

2つの年金の違いをまとめておくと、後ほど老後の年金額を試算する際に役立ちます。
それぞれの違いについて、ご紹介していきます。

国民年金

国民年金は、日本国内に住む人が全員加入する年金制度です。

国民年金の被保険者は、3つに分けられています。

  • 第1号被保険者…自営業者や学生、無職など。自分で年金の支払いを行う
  • 第2号被保険者…会社員や公務員など。会社から天引きされるので自分で支払う必要はない
  • 第3号被保険者…第2号被保険者の配偶者。保険料負担はなし

第1号被保険者・第3号被保険者は、20歳~60歳未満の方が加入可能です。

厚生年金

厚生年金は、国民年金に上乗せされる年金制度です。

勤務している会社の社会保険に加入することで、自動的に厚生年金の被保険者となります。
正社員だけでなく、規定を満たせばパート・アルバイトの方でも加入可能です。

また、平成27年から公務員の方も厚生年金への加入ができるようになりました。
上記2つの年金は、65歳以上から支給開始されます。

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老後の年金は平均でどれくらいもらえる?

20歳~60歳になるまで、40年間保険料を納めた場合、老齢基礎年金(国民年金)の満額は780,900円(月額65,075円)です。

厚生年金に加入している場合は、国民年金と一緒に貰えるので、年金額も増えます。

なお、中にはやむを得ず国民年金の免除申請を行ったという方もいるでしょう。
その場合、免除期間があればあるほど、貰える年金額は減っていきます。

日本年金機構によると、40年間全額免除となった場合、390,450円(月額32,537円)と満額よりも半分しか年金が貰えないとされています。

参考:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構

そのため、現在年金を免除している方は、老後に備えて様々な対策を行っておくのが大事です。

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【ケース別】年金の計算方法・目安金額

ケース別の目安金額について見ていく前に、年金の計算方法を簡単にご紹介していきます。

国民年金(老齢基礎年金)を免除せずに、20歳~60歳までの40年間毎月支払った場合の計算式は次の通りです。

780,900円×保険料納付月数÷480ヶ月(40年×12ヶ月)

65歳以降で貰える厚生年金は、報酬比例部分を計算して求めます。

※報酬比例部分
【平均標準報酬月額×7.125÷1,000×2003年3月以前の被保険者期間の月数】+
【平均標準報酬月額×5.481÷1,000×2003年4月以前の被保険者期間の月数】

ただ、自力で計算するとなるとかなり大変です。

日本年金機構の「年金見込額試算」や、銀行などが提供している年金計算シミュレーションなど…。
簡単に計算ができるため、そちらを活用してみるのもいいでしょう。

 

各ケースごとに年金の目安金額を見ていきましょう。
いずれも、大学卒業後(22歳)から30年間、厚生年金に加入し、国民年金は20歳~60歳まで40年間全て払ったものとみなします。

ケース1:サラリーマン×専業主婦の場合

まずは、サラリーマン×専業主婦の世帯の年金額について。

国民年金は、満額まで納めているので78万×2人=156万円という計算になります。
年収500万円と想定して貰える厚生年金の額は、99万円です。
※妻は専業主婦のため、厚生年金はなし。

156万+99万円=264万円

サラリーマン×専業主婦の世帯の場合、月額にすると夫婦で約21万円もらえる計算になります。

ケース2:公務員(単身)の場合

単身の公務員の場合の年金額は、以下の通りです。

年収700万円と仮定すると、厚生年金で貰える額は137万円。
そこに国民年金の78万円を加えると、合計で215万円

単身の公務員の場合、月額に換算すると約18万円の年金がもらえる計算になります。

ケース3:夫婦共働きの場合

夫婦ともに会社員で、共働きの場合はどうでしょうか。

夫の年収420万、妻の年収264万円と想定した場合の厚生年金はこのようになります。

夫…約82万
妻…約50万

ここに、国民年金の支給額をプラスすると合計で288万円

夫婦ともに会社員で共働きの場合、月額に換算すると、二人合わせて約24万円もらえる計算になります。

ケース4:【自営業】配偶者が亡くなって一人になった場合

では、配偶者が亡くなってしまった場合は年金額はどれくらいなのでしょうか。

自営業の夫が死亡した場合、国民年金に加えて遺族基礎年金を貰えます。

遺族基礎年金の主な条件は、次の通りです。

  • 被保険者期間が25年以上ある夫が死亡した時(※死亡日前日までに納付済み期間が3分の2以上あるかどうか)
  • 対象者は子のある妻、子は3月31日時点で18歳を超えていないこと

参考:遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)|日本年金機構

妻に一人の子がいる場合は、老齢基礎年金の満額(780,900円)に加えて224,700円追加で支給されます。

つまり、子供が18歳になるまでは合計1,005,600円、月額で83,800円年金が支給されるというわけです。

ただし、子供が18歳を超えるなど支給要件から外れた場合、遺族基礎年金は支給停止されてしまいます

そのため、事前に金銭対策を行っておくのが大事です。

この記事で紹介した年金額は、あくまでシミュレーションで計算した結果です。
年齢や月収などで、実際に貰える年金額は異なりますので、ご注意ください。

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老後に備えた対策方法

老後に貰える年金は、ライフスタイルによって様々です。

ご紹介したケースに該当する場合、年金だけで生活するのは難しいと考える方も多いでしょう。

年金だけで生活を行うのが難しい場合は、事前に対策を行っておくのも大事です。

ここでは、今からでもできる対策方法を2つほどご紹介していきます。

国民年金基金やiDeCoなどを活用する

1つ目は、国民年金基金やiDeCoといった制度の活用です。

これらは、将来支給される老齢基礎年金にプラスするために使われる制度です。

国民年金基金は第1号被保険者である自営業者・iDeCoは専業主婦や公務員などが加入できます。

つみたてNISAなどで資産運用をしてみる

国民年金基金やiDeCoなどの利用が難しい場合は、つみたてNISAを利用も検討してみてはいかがでしょうか。

つみたてNISAは、年間40万円までであれば20年間非課税で資産運用ができる制度のこと。

証券会社によっては、1つの銘柄につき100円から投資ができます。

税金がかからずにお得に老後資金を貯めたい方にオススメと言えるでしょう。

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公的年金だけでなく様々な制度を利用して老後対策をしよう

公的年金は、経済事情によって徐々に減っていく可能性もあります。

そのため、公的年金だけでは生活できにくくなるというケースも増えてくるでしょう。

来る老後に向けて、事前に年金見込金額を試算したり、資産運用などで年金以外の試算を増やすなど対策も必要になってきます。様々な制度を活用して、老後対策を入念に行っていきましょう。

参考資料

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