子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)とは
 

2017年8月1日、厚生労働省は「子育て世代包括支援センター業務ガイドライン」を公表しました。
子育て支援については各市町村がそれぞれ行ってきましたが、今回ガイドラインを定めたうえでのセンターの全国展開によって、どの市区町村に住んでいても、妊産婦及び乳幼児等が安心して健康な生活ができるよう、利用者目線に立って、一貫性・整合性のある支援が実現されることが期待されています。
高齢者・要介護認定者の包括的な支援を行う地域包括支援センターは地域ごとに整備されてましたが、育児世代の窓口となる開かれた場所はまだ少なく、今後の効果的な展開が検討されています。
この記事では、厚生労働省 子ども家庭局母子保健課の 「子育て世代包括支援センター業務ガイドライン(PDF:2,266KB)」から文章を引用しております。

子育て世代への支援を巡る状況

ライフスタイルや経済社会の変化の中で、子育てを専ら家族に委ねるのでは、子育てそのものが大きな困難に直面する。かつて「日本の含み資産」とも呼ばれた家族は、今や就業、家事、ケア(子育てや介護)に日々追われている。地域の互助・共助の力は大きなばらつきがあり、特に乳幼児期は親の負荷が高まりやすい。
また、インターネットの情報に振り回される親たちもおり、混乱や誤解、あるいは基本的な知識や情報の欠落のために、子育てのつまづきのリスクも高まりがちである。
健全な親子・家族関係を築けるようにするためには、働き方改革と同時に、子育て世代を身近な地域で親身に支える仕組みを整備することが急務である。市町村(特別区及び一部事務組合を含む。以下「市区町村」という。)は、従来から母子保健と子育て支援の両面から、多様な支援の充実に努めてきた。しかし、これらの支援についての情報が必ずしも子育て家庭をはじめとした地域住民に分かりやすく伝わっておらず、重篤な問題やリスク以外の場合では個別の利用者に寄り添い不安を払拭するような予防的な支援は手薄である、あるいは、支援側の連携が不十分なために、結果的に利用者側からすれば支援が一貫性を欠いているという課題がある。
妊娠初期から子育て期において、それぞれの段階に対応した支援や、サービスの情報や助言が、子育て家族に伝わり理解されるよう、現状の支援の在り方を利用者目線で再点検する必要がある。
このような状況の下、母子保健法の改正により、平成 29 年4月からセンター(法律における名称は「母子健康包括支援センター」。)を市区町村に設置することが努力義務とされた。さらに、「ニッポン一億総活躍プラン」(平成 28 年6月2日閣議決定)においては、平成 32 年度末までにセンターの全国展開を目指すこととされた。センターについては平成 26 年度から実施されている妊娠・出産包括支援事業と、平成 27 年度から開始された子ども・子育て支援新制度の利用者支援や子育て支援などを包括的に運営する機能を担うものであり、専門知識を生かしながら利用者の視点に立った妊娠・出産・子育てに関する支援のマネジメントを行うことが期待されている。
子育て世代包括支援センターの業務と利用者への支援

子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)の役割

妊産婦・乳幼児等へは、母子保健分野と子育て支援分野の両面から支援が実施されている。具体的には、母子保健法に基づく母子保健事業、子ども子育て支援法に基づく利用者支援事業、児童福祉法に基づく子育て支援事業などである。

子育て世代包括支援センターの必須業務

妊産婦及び乳幼児等の実情を把握すること

  • 保健師等によるセンターでの面談や家庭訪問、関係機関からの情報収集等を通じて、妊産婦や乳幼児等の実情を継続的に把握する。
  • 収集した情報は、個別の妊産婦及び乳幼児ごとに記録するとともに、支援台帳を整備し適切に管理する。

妊娠・出産・子育てに関する各種の相談に応じ、必要な情報提供・助⾔・保健指導を⾏うこと

  • 妊産婦や保護者の個別の疑問や不安にできる限り丁寧に対応し、本⼈にとって必要な情報提供や助言、適切な表現・コミュニケーション⽅法によって⾏う。

支援プランを策定すること

  • 妊産婦や乳幼児等の課題や支援ニーズに的確に対応するために、必要に応じて支援プランを策定する。
  • ⽀援プランは、妊産婦や保護者の「親になる⼒を育てる」⽀援に資するツールの1つであり、個別の妊産婦や保護者の状況や経過を反映させつつ、可能な限り本人との対話を通じて作成する。
  • ⾃治体の事業スケジュール等の提⽰・情報提供とは異なる。また、全ての利⽤者について体系的に情報を管理する⽀援台帳とも異なることに注意する。

保健医療⼜は福祉の関係機関との連絡調整を⾏うこと

  • 利⽤者⽬線に⽴って支援の継続性と整合性が確保できるよう、関係機関と十分な連絡調整を⾏う。

引用:厚生労働省 子ども家庭局母子保健課の 「子育て世代包括支援センター業務ガイドライン(PDF:2,266KB)

ライフスタイルの変化で育児の支援は多種多様

ライフスタイルの変化や少子高齢化などもあり、育児しやすい社会環境を整えることは国家課題にもなっており、児童手当の整備や子育て世代に向けた支援などが拡充されてきています。

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育児と言っても一昔前は親が子を育てるという構造でなく、家で子を育てるという形がありました。核家族化は進み、夫婦の共働きや離婚、家庭内のトラブルなど様々な家庭の事情があり、家にいられない時間もそれぞれです。仕事も日曜日が休みの仕事の方もいれば、多くのサービス業従事者は朝早く夜遅くまで勤務を余儀なくされる場合もあります。

子育てについては、従来は親の親や、近所の人が子供のトラブルについて経験上どう対応してきたかを共有して対処できてきました。現代は、医療的なことや食べ物など、ネットで調べて浅はかな知識で対応するなど個人によりリスクが高まる傾向があります。子については自治体で定期的に検診したり、看護師や助産師が訪問するような活動を行っているところもありますが、そこで本音でわからないことを聞いたり、本音の相談事をしたりすることはできない方が多くいます。

子育て世代包括支援センターは、市役所や保健センターに設置されていますが、まだほとんど周知されていません。日本が子育て世代包括支援センターのお手本としようとしているのは、フィンランドの「ネウボラ」の制度と言われており、フィンランドでは利用率も高く制度や施設が定着しています。

お年寄りの支援センターやケアプランセンターなど介護相談に乗ってくれるところはだいぶ知られてきています。高齢者の地域包括支援センターは、利用者の様々なケースを扱い、医療や施設、地域資源との橋渡しをします。
子育て世代包括支援センターも同様ですが、若者世代と昭和世代の思想やライフスタイルのギャップは大きいものです。

育児をしやすいようにするためには、何が必要なのでしょうか?何が出生率を低下させているのでしょうか?結婚しない人が増えている原因は何でしょうか?
いろいろな切り口からニーズに応える仕組みができてくるために、まずは包括的に対応するセンターが整備されることは大切だと考えます。

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