通所リハビリテーションのリハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)、(Ⅱ) 、(Ⅲ)、(Ⅳ) とはどんな内容か紹介します。通称「リハマネ加算」と呼ばれています。
通所リハビリテーション(デイケア)は、送迎車などで施設に通所して利用する介護保険サービスで、医師がいることが要件となっており、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などから直接、医師の指示に基づいたリハビリテーションが受けられる施設です。
通所介護(デイサービス)と類似してしまい、平成30年の介護報酬改定ではそれぞれの特徴や役割の違いを明確化していくことが取り組まれてきました。その役割の違いについて、通所リハビリテーションは常勤医師の配置が要件となっており、その医師の指示の詳しい指示のもと、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が質の高いリハビリテーションを提供するということがより重要になっています。
なぜ「マネジメント加算」という名前なのかというと、この加算を算定する場合、ご利用者に関する医療面の情報収集や、医師を中心としたリハビリテーション会議を開催、活動参加まで総合的なリハビリテーションを計画的に提供するという体制も求められるためです。
平成30年介護報酬改定で通所リハビリテーションのリハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)、(Ⅱ) 、(Ⅲ)、(Ⅳ) の内容を改めて振り返り、今後の介護保険の通所サービスについて考えていきます。
このページの目次
リハビリテーションマネジメントとは
リハビリテーションマネジメントは、調査(Survey)、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)(以下「SPDCA」という。)のサイクルの構築を通じて、心身機能、活動及び参加について、バランス良くアプローチ
するリハビリテーションが提供できているかを継続的に管理することによって、質の高いリハビリテーションの提供を目指すものです。
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リハマネ加算(Ⅱ)・(Ⅲ)で必要なリハビリテーション会議とは
リハビリテーション会議では、アセスメント結果などの情報の共有、多職種協働に向けた支援方針、リハビリテーションの内容、構成員間の連携等について協議します。ご利用者の必要に応じて、短期集中個別リハビリテーション、認知症短期集中リハビリテーション、生活行為向上リハビリテーションを実施することについても検討します。
リハビリテーション会議の構成員
ご利用者・ご家族を基本とし、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、その他の職種の者を構成員とします。
リハビリテーション会議の開催の頻度
指定通所リハビリテーションでは、ご利用者の同意を得てから利用開始から6か月以内はおおむね1か月に1回、利用開始6か月超後はおおむね3か月に1回、リハビリテーション会議の開催を通して、進捗状況を確認し、見直しを行うこととされています。
リハビリテーション会議の記録
リハビリテーション会議で検討した内容については、「リハビリテーション会議録」を活用し記録に残します。
引用: リハビリテーションマネジメント加算等に関する基本的な考え方並びにリハビリテーション計画書等の事務処理手順及び様式例の提示について, 厚生労働省老健局老人保健課長通知, 平成30年3月22日
作成したリハビリテーション会議録は介護支援専門員をはじめ、居宅サービス計画に位置付け
られた居宅サービスの担当者と共有を図ります。記録は少なくとも利用者毎に2年間保管が必要です。
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リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)
医師がリハビリを担当する理学療法士等に詳細な指示を行うこと
リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ) の単位数: 330単位/月
指定通所リハビリテーション事業所の医師が、指定通所リハビリテーションの実施に当たり、当該事業所の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に対し、利用者に対するリハビリテーションの目的に加えて、リハビリテーション開始前・実施中の留意事項、リハビリテーションを中止する際の基準、リハビリテーションにおける利用者に対する負荷等のうちいずれか1つ以上の指示を行うこと。
医師が当該利用者に対して3月以上の継続利用が必要と判断する場合には、リハビリテーション計画書の備考 欄に継続利用が必要な理由、その他の指定居宅サービスへの移行の見通しを記載する。
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リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)
リハビリテーション会議の開催、PT/OT/STがご利用者・家族にリハビリテーション計画を説明・同意を得て医師に報告
リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の単位数: 6月以内 850単位/月、6月以降 530単位/月
※リハビリテーション会議を開催が必要です。リハビリテーション計画の作成に関与した理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が説明する場合がリハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)です。
医師が利用者またはその家族に対し、リハビリテーション計画の内容等について、リハビリテーション会議で説明し、同意を得るというもの。 医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士がリハビリテーション計画等について医師の代わりに説明し同意を得て、そのことを医師に報告した場合には、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ) のとなります。
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リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)
リハビリテーション会議で医師がリハ計画の内容等についてご利用者・家族に説明・同意を得る
リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)の単位数: 6月以内 1120単位/月、6月以降 800単位/月
※リハビリテーション会議を開催が必要です。医師が説明する場合がリハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)。
医師が利用者またはその家族に対し、リハビリテーション計画の内容等について、リハビリテーション会議で説明し、同意を得るというもの。 医師のリハビリテーション会議への医師の参加について、テレビ電話等(※)を活用してもよい 。医師が説明を行い同意を得たものはリハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ) となる。
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リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)
通所リハビリテーション計画書等の内容に関するデータを VISIT を通して厚生労働省に提出
リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)【医師がリハビリテーション計画について利用者または家族に説明】の要件に適合すること。
指定通所リハビリテーション事業所における通所リハビリテーション計画書等の内容に関するデータを、通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業に参加し、同事業で活用しているシステム「通所・訪問リハビリ
テーションの質の評価データ収集等事業(Monitoring and evaluation of the rehabilitation services in long-term care, VISIT) を用いて厚生労働省に提出していること。
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通所介護と通所リハビリの違いを比較する記事
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科学的介護・リハビリテーションの質が求められる
厚生労働省は、リハビリテーション計画などのデータをVISITというシステムで集め、科学的介護のもととなる情報収集を始めています。
通所リハビリテーションは医師の指示監督という点を重視して、医学的なリハビリテーションをベースに社会参加まで幅広く扱うのに対して、通所介護では生活機能訓練として生活上の課題に着目して支援を行っていくという役割分担になることが短期的には描かれています。
しかし、いずれも結果が出る方法を求められていることは確かです。今後、介護保険の通所系サービスはどのような「結果」を求められ、その結果をどのような指標で集計されるのかにアンテナを張っておきたいですね。
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