通所介護の個別機能訓練加算 算定要件 厚労省Q&Aまとめ

 

介護報酬改定 個別機能訓練加算(通所介護、デイサービス)の算定や運営に関するQ&Aについて。

 2021年介護報酬改定の内容はこちら

この記事は、平成27年(2015年)の介護報酬改定に合わせて作成されたものですが、特段再通知をされていない内容については平成30年も考え方の根拠として取り入れていけるものであると考えます。

リハビリを受ける方法はいくつかありますが、ケアマネジャーや事業者としてはその「機能訓練」の違いについて悩むところかと思います。
利用者の日常生活面での問題点を解消する手段として行うことには変わりないこと、そしていずれも多職種が連携して利用者の問題点を解決していく体制であることは同じです。
機能訓練加算の要件や、事業所の運営という「形」についての厚生労働省の回答から、加算がどんなものなのかをまとめておきたいと思います。

このページの目次

通所介護(デイサービス)における機能訓練

平成24年の改定から、個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)ができました。
加算の詳細は以下の参考記事で確認してください。

個別機能訓練加算(Ⅱ)は、個別的な関わりを評価する加算で、デイケアの個別機能訓練加算のイメージに近いことは近いと言えます。
しかし、個別機能訓練加算(Ⅱ)でも個別の関わりを必須としているわけでなく、『個別的な』関わりで5人程度のグループ活動も加算対象となるという点がポイントです。
デイサービスでは、同じような悩みを持つ利用者同士が、お互いに励まし合ったり、悩みや成功体験などを共有し合いながら、お互いが自信をつけたり身体・精神機能や生活動作が向上したりすることも期待できます。
このような観点から5人程度の小グループでの機能訓練を実施すると、個別で関わるよりも有用な場合もあります。

デイサービスの機能訓練と、デイケアの個別リハビリテーションの趣旨や実態の違いについては、以下の記事で紹介しています。

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個別機能訓練加算の平成 27 年度介護報酬改定に関する厚労省の Q&A

個別機能訓練の意味合いは理解できてきても、実際に運営する中で「これって大丈夫かな?」と思うことも多々あると思います。
ここでは、以下の厚生労働省から配信されている参考資料から、個別機能訓練加算に関わる部分を抜粋して掲載します。

引用:平成 27 年度介護報酬改定に関する Q&A - 厚生労働省

通所介護の個別機能訓練加算について、既に加算を取得している場合、4月以降は、利用者の居宅を訪問した上で利用者の居宅での生活状況を確認し、多職種共同で個別機能訓練計画を作成するまで、加算は取れないのか。

平成27年4月以降、既に加算を算定している利用者については、3月ごとに行う個別機能訓練計画の内容や進捗状況等の説明を利用者又は利用者の家族に行う際に、居宅訪問を行うことで継続して加算を算定して差し支えない。

個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件である常勤専従の機能訓練指導員として、病院、診療所、訪問看護ステーションとの連携による看護職員を1名以上あてることにより加算の要件を満たすと言えるのか。

個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件である常勤専従の機能訓練指導員は配置を求めるものであるため、認められない。

通所介護の個別機能訓練加算について、利用者の居宅を訪問し、利用者の在宅生活の状況を確認した上で、多職種共同で個別機能訓練計画を作成し機能訓練を実施することとなるが、利用者の中には自宅に人を入れることを極端に拒否する場合もある。入れてもらえたとしても、玄関先のみであったり、集合住宅の共用部分のみであったりということもある。このような場合に、個別機能訓練加算を取るためにはどのような対応が必要となるのか。

利用者の居宅を訪問する新たな要件の追加については、利用者の居宅における生活状況を確認し、個別機能訓練計画に反映させることを目的としている。このため、利用者やその家族等との間の信頼関係、協働関係の構築が重要であり、通所介護事業所の従業者におかれては、居宅訪問の趣旨を利用者及びその家族等に対して十分に説明し、趣旨をご理解していただく必要がある。

利用契約を結んではいないが、利用見込みがある者について、利用契約前に居宅訪問を行い利用者の在宅生活の状況確認を行い、利用契約に至った場合、個別機能訓練加算の算定要件を満たすことになるか。

利用契約前に居宅訪問を行った場合についても、個別機能訓練加算の居宅訪問の要件を満たすこととなる。

個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)を併算定する場合、1回の居宅訪問で、いずれの要件も満たすことになるか。

個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)を併算定する場合、それぞれの算定要件である居宅訪問による居宅での生活状況の確認は、それぞれの加算を算定するために別々に行う必要はない。なお、それぞれの加算で行うべき機能訓練の内容は異なることから、両加算の目的、趣旨の違いを踏まえた上で、個別機能訓練計画を作成する必要がある。

居宅を訪問するのは、利用者宅へ送迎をした後そのまま職員が残り、生活状況を確認することでも認められるか。

認められる。

個別機能訓練計画の作成及び居宅での生活状況の確認について、「その他の職種の者」は、機能訓練指導員、看護職員、介護職員又は生活相談員以外に、どのような職種を想定しているのか。また、個別機能訓練計画作成者と居宅の訪問者は同一人物でなくてもよいか。さらに、居宅を訪問する者が毎回変わってしまってもよいのか。

個別機能訓練計画については、多職種共同で作成する必要がある。
このため、個別機能訓練計画作成に関わる職員であれば、職種にかかわらず計画作成や居宅訪問を行うことができるため、機能訓練指導員以外がこれらを行っても差し支えない。
なお、3月に1回以上、居宅を訪問し、生活状況を確認する者は、毎回必ずしも同一人物で行う必要はない。

利用者の居宅を訪問した上で、個別機能訓練計画の作成・見直しをすることが加算の要件であることから、通所介護事業所における長期の宿泊サービスの利用者は、訪問すべき居宅に利用者がいないため、居宅を訪問できない。このような場合は、加算を算定できないことでよろしいか。

個別機能訓練加算は、利用者の居宅でのADL、IADL等の状況を確認し、生活課題を把握した上で、利用者の在宅生活の継続支援を行うことを評価するものであることから、このような場合、加算を算定することはできない。

居宅を訪問している時間は、人員基準上、必要な配置時間に含めて良いか。

個別機能訓練加算(Ⅰ)で配置する常勤・専従の機能訓練指導員は、個別機能訓練計画におけるプログラムに支障がない範囲において、居宅を訪問している時間も配置時間に含めることができる。生活相談員については、今回の見直しにより、事業所外における利用者の地域生活を支えるための活動が認められるため、勤務時間として認められる。

機能訓練・デイサービスの加算や計画書については、こちらもお読みください。

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