心不全という病気についてご存じでしょうか?心不全と聞くと『死因?』というイメージがあるかもしれません。日常生活を送れる状態でも心不全という方もいます。
この記事では、わかりにくい「心不全」について、介護や看護をするときに知っておきたい予備知識をまとめています。
心不全(しんふぜん)とは?
心不全とは、一言で説明すれば、全身の臓器に必要かつ十分な酸素が行き渡らない状態です。心臓は簡単に言えばポンプのような機能を果たしています。それが障害され、全身の臓器に必要な血液を供給できていない状態が心不全なのです。では、まずは心不全の原因から、お話をしていきます。
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心不全の原因
血液を送り出す心臓のポンプ機能が低下している
心臓のポンプ機能をつかさどる4つの指標として、①心拍数②心筋収縮力③前負荷④後負荷があります。それぞれの値が「心臓から運ばれていく血液(酸素)の量」、いわゆる心拍出量を量る目安となります。
心臓と腎臓の関係、腎臓による体液の調節>心臓の体液の調節
心臓と腎臓は離れているものの、とても密接に関係しています。心臓の機能が低下すると、心拍出量が低下します。もしもそのまま低下し続けたとしたらどうなるのでしょうか?血圧がどんどん下がってしまいます。
それを防ぐために、腎臓が体液の調節を始めます。それに対し、心臓は心機能が低下したことによって心臓に血液がうっ帯して心臓が拡大します。そして、利尿ホルモンが分泌され、体液を分泌させる働きが起こります。つまり、腎臓→体液を増やそうとする心臓→体液を減らそうとするという矛盾した働きを始めるのです。このバランスがうまく働けばよいのですが、長くこれが続いてしまうと、腎臓に負担がかかり、悪影響が出ます。
心不全の原因疾患、狭心症・心筋梗塞・心筋症・高血圧・糖尿病・不整脈など
狭心症・心筋梗塞・心筋症・高血圧・糖尿病・不整脈など、心臓の拍出機能が低下している状態だと、心不全が起きやすいです。
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心不全の予防と注意点
心不全を予防するためにはどうしたらよいのでしょうか?まずは、心不全について知っていきましょう。そして、心不全を防ぐための注意点についてもお話していきます。
心不全退院後1年以内に3人に1人が再入院、3大要因
心不全について理解すること心不全になると、1年以内に3人に1人が再入院しています。では、何故再入院してしまうのでしょうか。退院直後は、①塩分・水分の取りすぎ ②過労 ③感染 が三大要因となっています。病院で心不全を管理できていても、家に帰ると途端に心不全の自己管理できなくなってしまい、心臓に負担がかかってしまいます。また、心不全の原因となる病気も様々にあります。
薬の飲み忘れ・塩分過多・水分過多・アルコール過多・過度な運動・ストレス
狭心症・心筋梗塞・心筋症・高血圧・糖尿病・不整脈これに、薬の飲み忘れ・塩分過多・水分過多・アルコール過多・過度な運動・ストレスなどが加わると、心臓の働きが落ちてしまい、心不全の症状が出現してしまいます。
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心不全の症状
心不全の症状には、いつもの動作で息が切れる、疲れ、だるさが続く、夜間の頻尿、手足の浮腫、手足の冷感などがあります。
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心不全を知り、心不全を管理する
心不全の理解は、それと同時に、心不全の管理に繋がります。
心不全を悪化させる因子は「FAILURE」という語呂で覚えておく
- Forgot meds:薬の服用を忘れる
- Arrhythmia/Anemia:不整脈、貧血
- Infections/Ischemia/Infarction:感染、虚血、梗塞
- Lifestyle:生活習慣、塩分過剰摂取、ストレス
- Upregulators:甲状腺疾患、妊娠
- Rheumatic valve or other valvular diseases:リウマチ性弁疾患、他の弁疾患
- Embolism:肺塞栓など
薬を飲み忘れないこと
心臓の働きを助ける薬については、飲み忘れると心臓に負担をかけます。きちんと薬を飲めていれば、薬は心臓の負担を減らし、働きを助けてくれます。しかし、飲み忘れると、薬の助けがなくなるため、心臓の働きは悪くなり、負担がかかります。
薬を飲み忘れないために
ケースに入れて管理する・外出時も必ず1回分は小分けして持参しましょう。
心不全の薬を飲み忘れたときの対応
次の薬を飲むまでの時間が、5時間以内(1日2回の薬)・次の薬を飲むまでの時間が、8時間以内(1日1回の薬)の場合は、1回とばします。これ以上時間がある場合は、今すぐ飲みましょう。2回分を1度に飲んではいけません。
心不全では体重、症状・体調、バイタルサインを要チェック
いつもと違う自分に気づく心不全の悪化には、変化に早く気づくことが大切です。早く気づくポイントは、3つです。
- 体重測定 →体重が増えている(目安は3日で2キロ以上)
- 状態観察 →心不全症状の出現(体重が増えていなくても、症状が出ていたら要注意!)
- バイタルチェック →血圧が高い(毎日血圧を測りましょう)
おかしいと思ったら、すぐに外来を受診しましょう。
感染を防ぐ、手洗いうがい、歯磨き、マスク
感染による炎症は、心臓の働きを落とすことがあります。
感染を予防するために生活上心掛けること
- 外出後、食事前には手洗い、うがいをする
- 食後に歯磨きをする
- 外出時にはマスクをする
- 栄養のある食事をする
- インフルエンザの予防接種を受ける
- 部屋を加湿する
以上を励行しましょう。
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心不全についてのまとめ
心不全についてお話しました。心疾患による死亡は増え続けています。心不全は自己管理ができる病です。
生活習慣を見直し、薬を飲み忘れず、心不全の症状がないかどうかを自分自身で観察ができ、適切な受診ができれば悪化なく付き合っていくことができます。
そのためには、自分の体と病気についての理解をし、管理を行うことが大切です。そこから、本当の意味での治療が始まります。ただ何となく薬を飲むだけでは、治療にはなりません。
しっかりと、理解と管理を行うことで、治療の第一歩を踏み出しましょう。
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