通所リハビリテーション(デイケア)は、専門職によるリハビリテーションを提供することで、要介護・要支援状態の方々の身体機能や日常生活の自立を支援するサービスです。この記事では、通所リハビリテーションの対象者や、医師や理学療法士などの専門職が常駐する通所リハビリの特徴、そして通所介護(デイサービス)との違いについて詳しく解説します。適切なリハビリテーション選びに役立ててください。
このページの目次
通所リハビリテーションとは
通所リハビリテーションは、介護老人保健施設、病院、診療所など厚生労働省令で定められた施設で提供されるサービスです。居宅要介護者を対象に、心身の機能の維持や回復を目指し、日常生活の自立を支援するための理学療法、作業療法などのリハビリテーションが行われます。
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通所リハビリテーションの役割
通所リハビリテーション(デイケア)の大きな役割は、専門職が常勤し個別のリハビリを受けられる環境を提供することにあります。医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職が常駐しているため、利用者の病状に変化があった際にも迅速に対応し、安心してサービスを利用できます。さらに、専門職による定期的な評価が実施され、利用者は自身の身体能力や生活能力の変化を明確に知ることができます。リハビリ機器も充実しており、個別トレーニングや集団運動が苦手な方でも積極的に運動に取り組める環境が整っています。これらの特徴により、通所リハビリテーションは利用者の心身の機能を向上させ、よりよい生活をサポートする重要な役割を果たしています。
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通所リハビリテーションの対象者(要介護・要支援)
通所リハビリテーションは、要介護者を対象とした「通所リハビリテーション」と、要支援者を対象とした「介護予防通所リハビリテーション」があります。
要介護者が対象の通所リハビリテーション
2015年の介護報酬改定までは、要介護の方を対象とした通所リハビリテーションでは理学療法士などの専門職が20分以上の個別リハビリテーションを実施することが必須となっていましたが、現在は個別にリハビリテーションの時間の決まりはない表現に変わっています。この背景としては、要介護者の状態やニーズは多種多様な中で、20分の個別的な関わりという制限を設けていたことで、個別的にしかできない関節可動域訓練など心身機能面の介入に重点が置かれ、本来の目的であるADLの改善や生活に根差したレベルのリハビリテーションが提供されにくい状況にあったことなどが影響しています。
短期集中リハビリテーションという退院したばかりの状態などでは時間を区切って個別での対応をしてもらえる時間があります。
要支援者が対象の介護予防通所リハビリテーション
要支援者が対象の介護予防通所リハビリテーションでは、生活機能を向上させるための「共通的サービス」に加え、「運動器の機能向上」「栄養改善」「口腔機能の向上」に関連するサービスを組み合わせて利用することができます。
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通所リハビリテーションの施設基準
指定通所リハビリテーションを行うに必要な専用の部屋(3平方メートルに利用定員を乗じた面積以上)が基準となっています。
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通所リハビリテーションの人員基準
医師 | 専任の常勤医師1以上 (病院、診療所と併設されている事業所、介護老人保健施設、介護医療院では、当該病院等の常勤医師との兼務で差し支えない。) |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、介護職員 | 単位ごとに利用者10人に1以上 |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 | 上の内数として、単位ごとに利用者100人に1以上 (所要1~2時間の場合、適切な研修を受けた看護師、准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ師で可) |
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通所リハビリテーション(デイケア)と通所介護(デイサービス)との違い
通所リハビリテーション(デイケア)と通所介護(デイサービス)とでは、医師の配置や、求められるリハビリテーション専門職、サービスの実施内容・目的など異なっています。
通所リハビリテーション (デイケア) |
通所介護 (デイサービス) |
|
サービスを提供する施設 | 病院、診療所 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 |
法人であれば可能 |
医師の配置 | 専任の常勤医師1以上 | 不要 |
基本方針 | 【指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第110条】
要介護状態になった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うことにより、利用者の心身機能の維持回復を図るものでなければならない。 |
【指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第92条】
要介護状態になった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。 |
リハ職の配置 | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を単位ごとに利用者100人に1名以上
※ 所要1~2時間の場合は、適切な研修を修了している看護師、准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ師がリハビリテーションを提供可能 |
機能訓練指導員 1以上
※ 機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者。この「訓練を行う能力を有する者」とは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、一定のあん摩マッサージ指圧師はり師又はきゅう師の資格を有する者 |
作成する計画書 | 通所リハビリテーション計画書
医師の診察内容や運動機能検査等の結果に基づき、サービス提供に関わる従業者が共同して、利用者毎に作成 |
通所介護計画
利用者の心身の状況や希望、その置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載し、利用者毎に作成 ※ 個別機能訓練加算を算定する場合、個別機能訓練計画書を作成 |
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通所リハビリテーション計画書に位置付けられた各職種の訓練内容
通所リハビリテーション計画書に記載されている各職種の訓練内容について、身体機能に関連するものが多く見られます。特に、言語聴覚士が提供する訓練内容は他の職種とは異なる特徴があり、独自の訓練が行われています。
退院からの通所・訪問リハビリテーション・医療提供施設への円滑な移行に関する調査研究事業
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まとめ
この記事は通所リハビリテーションとは何かについて紹介をしました。現状では在宅生活を送る要介護認定を受けた利用者、要支援者の利用者がリハビリテーションを受けることができる介護保険サービスとして、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションがありますが、単位数(単価)が高い中で、体の柔軟性や筋力へのアプローチなどが中心となっていて、本来求められているような生活に根差したサービスが提供されている事業所は少なめです。通所リハビリテーションでは医師の指示によりやや医学的要素の強いリハビリテーションを提供することが特徴ではありますが、実際に行われている計画内容、実施内容は通所介護での機能訓練と違いや効果があまり目立たない状態です。
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