認知症によって行方不明になるというのは、家族や介護施設の職員にとって非常に心配で焦るものです。しかし、なぜ認知症の人が見つからないのか、実際どれくらいの認知症行方不明者がいて、どれくらい発見されているのか、死亡してしまった例もあるのかなどを警察庁の資料をもとにまとめました。認知症の人が行方不明になる原因、そして認知症の行方不明者を見つけ出すための探し方と対策について掘り下げていきます。
このページの目次
認知症の方の行方不明者人数の推移
警察庁は行方不明者の推移について統計を取っています。
認知症の行方不明者の数は、平成25年に約1万人だったところから毎年徐々に増加し、令和4年には18,700人の方が行方不明へ届けが出されたという記録となっています。(認知症は、行方不明者届受理時に届出人から、認知症又はその疑いにより行方不明になった旨の申出のあったもの)
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認知症で行方不明になる理由
認知症で行方不明になる理由はいくつかありますが、主な理由が多いです。
記憶障害
記憶障害は認知症の中核的な症状です。認知症の人は、自分がどこにいるのか、どのようにしてそこに来たのかを思い出せなくなることがあります。また、自宅や他の慣れ親しんだ場所を認識できなくなることもあります。
方向感覚の喪失
認知症によって方向感覚が失われると、簡単な道のりでも迷ってしまい、元の場所に戻ることができなくなることがあります。
認識の問題
認知症の人は、時間、人、場所に関する認識が歪むことがあります。過去の記憶と現実を混同することもあり、その結果、自分が今どこにいるべきか混乱してしまうことがあります。
不安やパニック(周辺症状)
新しいまたは不慣れな環境に置かれると、認知症の人は不安やパニックを感じることがあります。その結果、安全な場所を求めて無計画に歩き回ることがあります。
過去の記憶に基づく行動
認知症の人は、過去の職場や以前住んでいた家など、過去の記憶に基づいて特定の場所に行こうとすることがあります。これは「時間の混乱」とも関連しており、本人は現在ではなく過去に生きていると感じていることがあります。
コミュニケーションの困難
認知症の人は、自分の意図や必要を言葉で表現することが難しくなることがあります。そのため、自分が迷っているのかも分からず、さらにどこに戻るべきなのかもわからないので助けを求めることができず、行方不明になるリスクが高まります。
これらの理由から、認知症の人が行方不明になることは珍しくありません。そのため、家族やケアギバーは、認知症の人が安全に過ごせるように、特別な注意とサポートを提供することが重要です。
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認知症で行方不明になるとなぜ見つからない?
認知症の人が行方不明になり、見つからない理由は複数ありますが、以下で紹介するように、警察に行方不明者として届け出た場合には1週間以内に99%以上が発見されています。そのため、「なぜ見つからないのか」という疑問を持つ方がいるとしたら、すぐに行方不明であることを届け出ず、自力で探してしまい、時間が経過してから届け出をして本格的な捜索を開始するからという原因である可能性があります。
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行方不明者の所在確認までの期間
認知症の方が行方不明となった場合には、行方不明になったという届出を受理した当日に77.5%が所在確認に至っています。また、1週間以内に99.6%が所在確認されているので、届け出ると警察等の力で見つけ出してもらえる確率は高いと言えます。
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認知症で行方不明になって死亡して発見されるのはどれくらい?生存率は?
警察庁の集計によると、令和4年度中に所在確認等された認知症の行方不明者のうち、約97%が発見・保護されているそうです。しかし、残念ながら2.6%は死亡が確認されたということがわかっています。生存率という表現をするならば、97.4%は生存した状態で見つかっているということです。
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行方不明者の探し方・都道府県警察による情報提供
都道府県警察では、行方不明者に関する情報提供を行っています。都道府県警察名をクリックすると、都道府県警察の行方不明者情報掲載ページにつながります。
沖縄県、
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認知症で行方不明にならないための対策
認知症で行方不明にならないための対策はかなり難しいです。どこかに閉じ込めたり縛り付けておくというような考えも出てくるかもしれませんが、当然ながらこのようなことをしてしまえば身体の自由を奪ってしまう身体拘束になりますし、高齢者虐待になります。これらの認知症の方の自由を奪いすぎない範囲で対策を行わなければなりません。
具体的には、靴など認知症の方が身につけるものに GPS をつけることや、出入り口などにセンサーをつけておくなどの方法がありますが、突拍子もなく認知症の方が外出してしまうこともあるので、対策は容易ではありません。行方不明にならないための対策としては、不意にどこかに行ってしまうことも想定して、地域の交番や警察の方とすぐに連携できるように連絡先を控えておくことや、行方不明になってしまった場合には躊躇せずに警察を頼るということも重要です。特に、介護施設などでは施設から利用者が離れてしまうことを「離設事故」とよく呼びますが、このような状態の場合、施設職員で近場を探そうとなっても、そう見つかるものではありませんので、事故に巻き込まれたりする前に警察に早急に連絡しましょう。事故に合ってしまったり、対応が遅れたことの責任の方が重くなる可能性があります。
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まとめ
この記事でも紹介したように、認知症の方が行方不明になった場合の所在確認までの期間は、受理当日が77.5%となっており、届けてるのは早いに越したことがないのです。
「行方不明でも、きっとあそこにいるはずだ!」と自力で探していて、届け出るのを躊躇しているうちに事故に巻き込まれたりすることもありますし、警察の方はこのような捜索にも慣れていたり体制が整っているので頼れるものは頼りましょう。
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