コロナ対応 慰労金の対象や交付方法 介護従事者・医療従事者向け
 

メディアや介護医療業界で話題になっている、新型コロナウイルス感染症のリスクと厳しい環境の中で働いている医療従事者・介護従事者・障害福祉従事者への慰労金について2020年5月の令和2年度第二次補正予算案として明らかになっていることをまとめました。

厚生労働省が公表した「令和2年度 厚生労働省第二次補正予算案」では、ウイルスとの長期戦を戦い抜くための医療・福祉の提供体制の確保として、新型コロナウイルス感染症の緊急包括支援交付金の抜本的拡充を企画しており、当初医療機関の職員だけが対象となっていましたが、介護従事者・障害福祉事業の従事者にも慰労金給付を拡大することを決定しています。

新型コロナウイルス感染症での現場で働く職員への慰労金交付の種類

2020年5月時点で令和2年度 厚生労働省第二次補正予算案に盛り込まれている、現場で働く職員へ直接給付される慰労金は以下の3種類です。

患者・利用者と接する職員への慰労金の種類
  • 病院などの医療従事者へ20万円・10万円・5万円を交付する「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」
  • 介護施設・介護サービスで利用者と接する職員へ20万円・5万円を交付する「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)」
  • 障害福祉施設・障害福祉サービスで利用者と接する職員へ20万円・5万円を交付する「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(障害福祉サービス等分)」

それぞれの慰労金交付の内容について、紹介していきます!

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業の概要

新型コロナウイルス感染症の拡大防止・収束に向けてウイルスに立ち向かい業務を行う医療機関の現場の医療従事者や職員へ、介護事業・障害福祉サービス事業では新型コロナウイルスの感染防止対策を講じながら高齢者への介護や、障害者・障害児へのサービス継続に努めている現場の職員へ、国家から慰労金を交付するという事業です。

医療機関(病院・診療所・検査センター等)の医療従事者や職員が対象の慰労金交付 20万円・10万円・5万円

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業の事業内容を見てみると、事業予算は2921億円、310万人の医療従事者が対象として想定されています。

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の給付額は、都道府県から役割を設定された医療機関等(新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れる医療機関、帰国者・接触者外来設置医療機関、PCR検査センターなど)に勤務し実際にコロナ患者に診療などを行った医療機関である場合は「20万円」(79万人想定)、当該医療機関に勤務しながらも実際にコロナ患者の診療がなかった場合は「10万円」(35万人想定)、その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し、患者と接する医療従事者や職員は「5万円」(196万人想定)を給付するとしています。

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業

新型コロナウイルス感染症への対応において、医療機関の医療従事者や職員は、感染リスクと厳しい環境の下で、相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、業務に従事している。こうした新型コロナウイルス感染症の拡大防止・収束に向けてウイルスに立ち向かい、治療を業務として行う医療機関の医療従事者や職員に対し、慰労金を給付する。

新型コロナウイルス感染症に対する医療提供に関し、都道府県から役割を設定された医療機関等(※)に勤務し患者と接する医療従事者や職員に対し、慰労金として最大20万円を給付する(その他病院、診療所等に勤務し患者と接する医療従事者や職員に対し、慰労金として5万円を給付する。)

※重点医療機関、新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れる医療機関、帰国者・接触者外来設置医療機関、PCR検査センター等

出典:令和2年度厚生労働省第二次補正予算案(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/20hosei/dl/20hosei04.pdf)

介護施設・介護事業所で利用者と接する職員が対象の慰労金交付 20万円・5万円

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)の慰労金交付対象は、介護保険の全てのサービスで利用者と接する職員が対象となる見通しです。

新型コロナウイルス感染症が発生した施設もしくは濃厚接触者に対応した介護施設・介護事業所に勤務していて利用者と接する職員に対して「20万円」その他の施設・事業所に勤務して利用者と接する仕事をする職員に対して「5万円」を支給するという内容となっています。

予算案資料内で支給対象について「利用者と接する職員に対して」と記載されているため、対象職種は介護職員に限らず、看護職員、ケアマネジャー、生活相談員、リハビリテーション職員、機能訓練指導員なども含まれるものとなるとみられます。(詳細は2020年5月時点では決定しておりません)

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)

2 介護施設・事業所に勤務する職員に対する慰労金の支給

○ 新型コロナウイルス感染症が発生又は濃厚接触者に対応した施設・事業所に勤務し利用者と接する職員に対して慰労金(20万円)を支給

○ 上記以外の施設・事業所に勤務し利用者と接する職員に対して慰労金(5万円)を支給

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)

出典:令和2年度厚生労働省第二次補正予算案(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/20hosei/dl/20hosei04.pdf)

介護サービス慰労金の給付対象となる職種・職員との条件 Q&A ※2020年7月10日追記

介護サービス慰労金の給付対象となる職種・職員との条件について、よくある質問・Q&Aをまとめました。

障害福祉サービスで利用者と接する職員が対象の慰労金交付 20万円・5万円

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(障害福祉サービス等分)の慰労金交付対象は、障害福祉の全てのサービスで利用者と接する職員が対象となる見通しです。

新型コロナウイルス感染症が発生した施設もしくは濃厚接触者に対応した障害福祉施設・障害福祉サービス事業所に勤務していて利用者と接する職員に対して「20万円」その他の施設・事業所に勤務して利用者と接する仕事をする職員に対して「5万円」を支給するという内容となっています。

予算案資料内で支給対象について「利用者と接する職員に対して」と記載されているため、対象職種は看護職員、支援員、訓練士、指導員などが含まれるものとなるとみられます。(詳細は2020年5月時点では決定しておりません)

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の交付方法 都道府県が窓口

介護従事者や障害福祉事業者を対象とした新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の給付方法は、都道府県が窓口になることは公開されています。国がお金を出しますが、介護施設や障害福祉サービスでご利用者と接する仕事をしている人は、都道府県から20万円もしくは5万円の給付を受け取ることになりそうです。
(都道府県等に申請する形なのか、事業所を通して申請して事業所に一時支給されてから受け取るのかなどの給付方法の詳細はまだ決まっておりません。)

介護施設等の職員への慰労金の交付方法は事業所経由(2020年7月11日追記)

厚生労働省の担当者によると、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の慰労金交付は、都道府県が事業所を通して慰労金を現場職員に届けるという方法となりました。介護施設や介護サービスの仕事をしている人は、介護施設や介護事業者などの職場に「代理受領委任状」を提出し、介護施設や介護事業者が法人として慰労金受給職員表を都道府県に申請するという手続きに決定しました。委任状や申請書、手続きの詳細については以下の記事で解説しています。

都道府県ごとの申請受付期間・申請方法については以下の記事で解説しています。(2020年8月14日追加)

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