介護従業者慰労金給付対象職員の条件Q&A 20万円・5万円
 

厚生労働省は、介護サービス事業所・施設等に勤務する職員に対する慰労金の支給事業についての詳細を公開しました。

この記事は、「介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業等及び職員に対する慰労金の支給事業」についてのページおよびその資料を参考にまとめております。

介護サービス職員への慰労金の支援額 20万円・5万円の条件

介護サービスで働く職員への慰労金のことを「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金(介護分)」と言います。

慰労金20万円 の条件

・新型コロナ患者または濃厚接触者にサービスを1度でも提供した職員
・新型コロナ患者または濃厚接触者が発生した日以降に勤務した職員

慰労金5万円 の条件

・介護サービス事業所・施設等に勤務し、利用者と接している職員

 

 20万円を給付の条件である濃厚接触者や新型コロナ患者が施設等に発生したかなどは、令和2年6月30日までが対象期間です。
 今回の慰労金は、所得税法(昭和 40 年法第 33 号)の非課税規定に基づき、非課税所得に該当します。

濃厚接触者の定義とは

濃厚接触者は保健所が判断しますが、保健所等から濃厚接触者の情報が得られない場合について、以下に該当した場合は、対象として差し支えありません。
  • 濃厚接触者である利用者に保健所から連絡が入る
  • 濃厚接触者である利用者が、保健所から自身が濃厚接触者であることの連絡があったことについて、事業所に報告
  • 事業所がそれを認識した上でサービスを提供
※上記について職員の装備や勤務記録、サービス提供記録、その他の書類を踏まえて確からしいと判断がつけば可

慰労金の支援額に関するQ&A

特別養護老人ホーム内で感染者が発生した場合に、同一施設内に併設する短期入所、通所介護、訪問介護等の他のサービスのすべてについて感染者が発生した事業所に区分できると考えてよいでしょうか。
同一空間を共有している併設事業所は、全てに感染者が発生した事業所と取り扱って差し支えありません。

慰労金の給付対象となる職員

介護サービス事業所・施設等に勤務し、利用者と接する職員は慰労金の給付対象です。

慰労金給付条件1 介護サービス事業所・施設等で通算して10日以上勤務した職員

慰労金の支給対象となる職員の条件は「都道府県で新型コロナウイルス感染症患者1例目が発生した日」もしくは「都道府県が緊急事態宣言の対象地域とされた日」から「令和2年6月30日までの間に延べ 10日間以上勤務した実績があること」となっています。

年次有給休暇や育休等、実質勤務していない場合は、勤務日として算入しません。

慰労金 対象施設と勤務日数・勤務時間に関するQ&A

「介護サービス事業所・施設等に勤務する職員に対する慰労金の支給事業」の対象者である介護サービス事業所等での10日以上の勤務実績は、1日当たりの勤務時間の長短は問わないですか?
1日当たりの勤務時間の長短は問いません。
サービス付き高齢者向け住宅も対象となっていますが、有料老人ホームに該当しないサービス付き高齢者向け住宅も含めて全て対象となるという認識でよいでしょうか。
対象になります
地域包括支援センター・居宅介護支援(ケアマネジャー)も対象になりますか?
実施要綱の対象事業所として、「各介護予防サービス及び介護予防・日常生活支援総合事業(指定サービス・介護予防ケアマネジメント)を含む」とされており、この観点から地域包括支援センターも対象となります。また、公立、民間は問いません。

慰労金給付条件2 利用者との接触を伴い継続して提供する業務の職員

新型コロナ慰労金の目的に照らし、「利用者との接触を伴い」かつ「継続して提供することが必要な業務」に合致する状況下で働いている職員が給付対象の条件となっています。

派遣労働者や業務受託の労働者、介護サービス事業所・施設等において働く従事者についても趣旨に合致する場合には対象に含まれるとされています。

慰労金 給付対象の職員・職種に関するQ&A

利用者と接する職員とは、職種で判断するのではなく、事務員等でも臨時的に利用者に接する業務を行った場合は対象となると解釈して良いでしょうか。また良いとした場合、その臨時的対応が10日未満であっても事業所での勤務日が10日以上あれば対象と考えて良いでしょうか。
利用者との接触とは、身体的接触に限られるものではなく、対面する、会話する、同じ空間で作業する場合も含まれます。利用者がいる建物から離れた別の建物に勤務し、物理的に利用者に会う可能性が全く無いような場合は対象とはなりません。また、利用者と接触する日が1日でもあれば対象となります。
日常的には施設利用者とは接することが少ない常勤事務職員の場合、一度でも利用者と接したことがあれば対象となりますか。また、どの職種まで対象なのでしょうか。介護職員のみなのか、それとも、調理員や清掃員、宿直員を含むのでしょうか。
対象期間に1日でも利用者と接した職員は対象となります。また職種に限定はありません。
施設等の厨房や送迎の職員は対象に含まれますか。対象施設等に併設された法人本部職員が、利用者と接している場合には対象に含まれますか。
支給対象は職種で区分していないので、ご指摘の職員も対象となり得ます。
事務職員、給食調理員、リネン業務員、運転手についても、「利用者との接触を伴い」かつ「継続して提供するることが必要な業務」に合致する状況下で働いていると判断されれば、給付対象となるのでしょうか。
給付対象となります。
清掃等の受託契約で従事する者、食事介助や洗濯等のボランティア、デイサービス送迎車の運転手も対象に認められますか。
要件に該当した職員、派遣労働者、業務受託者において対象となります。ボランティアについては対象となりません。

慰労金給付条件3 慰労金給付は1人1回、二重には給付されない

慰労金の給付は、医療機関や障害福祉施設等に勤務する者への慰労金を含め、1人につき1回です。

施設を掛け持ちしてアルバイトや派遣をしている場合にも、2回もらえるわけではありません。

病院と介護施設を兼務したり副業していたりする場合には、介護従事者向け慰労金もしくは医療従事者向け慰労金のいずれかを1回までしか支給されません。

介護従事者への慰労金を受け取るためには申請が必要

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金(介護分)の申請に必要な書類や申請方法が公開されました。

実際に慰労金の支給を受けるために必要な申請書様式、仕事をしている人と介護施設・介護サービス事業者が行う申請手続きについては以下の記事で詳しく紹介しています。

介護従業者のほか、医療従事者・障害福祉サービスへの慰労金についてはこちら