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認知症の方とのコミュニケーションとは

我々は普段の生活で人と話やコミュニケーションをする時に、何も特別に意識している事は無いですよねね?あえて掘り下げてみると、脳機能に全く支障が無いからです。

認知症は、脳が不可逆的に変性したことによる器質的な神経障害で、脳機能に全く支障が無いわけではありません。つまり、認知症の方に対して声かけをする・話をする時は、普段とは違い意識して行わなければ、内容が通じにくい状況です。今回は、認知症の方に声かけ、コミュニケーションをする上でのテクニック、工夫・事例などをお話しします。

認知症の方へ声かけは言語だけに頼らない

声かけの工夫と言いながら、言語だけに頼らないとはどういうこと?とお思いになったかもしれませんね。

コミュニケーションとは意思疎通、互いの理解が目的

言葉だけで全てのコミュニケーションを済ませようとすると、経験上認知症の方に通じないことが散見されます。この通じないというのは、返答がない・分からない旨の返答があった場合、だけでなく理解していないのに表面上言葉で理解した旨の返答をした場合を含みます。

では、名前を呼んで話しかけているのに通じないのは何故なのでしょうか。

色々原因があり、ケースバイケースでしょうがその原因を減らす努力は必要ですね。

円滑なコミュニケーションには声をかける準備、かけられる準備が必要

伝える側である介護者と伝えられる側である要介護者が、其々声をかける・かけられる準備が出来ていないと、コミュニケーションがチグハグになってしまいます。

話しかけますようという雰囲気と話しかけられても大丈夫ですよという雰囲気の準備が整った状態にする為に非言語コミュニケーションを行うということです。

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認知症の方への声かけの前の準備とは

認知症の方への声かけや、コミュニケーションの時には、まず準備をしましょう。私は今からあなたと話をしますよ、ということを意識してもらう為に、正面から目線を合わせます。 認知機能が低下して話そのものは理解しづらくても 言語によらない相手の動きやしぐさの雰囲気などは なんとなく感じとれます。

言葉に出さなくても話しかけますよという雰囲気は作ることができ、これを非言語コミュニケーションと言います。

声かけをするのに後ろや上からなどはもってのほかです。 認知症の方は誰から声をかけられたのか考える時間が必要ですし、今どんな状況で話しかけられているのかを理解するまでにお時間がかかります。 もちろん話しかけられた内容についても考えなければならないため、まずは誰がどんな状況で話しかけてくるかという心構えができているだけでもコミュニケーションはスムーズになります

その理由は倫理的な理由以外にもあり、自分に声かけをされているのか・誰から声をかけられているのかなどが分かりませんし、驚いて転倒するなど危害につながるリスクを取らないようにする為です。

認知症の方とのコミュニケーション 体に触れるテクニック

可能であるなら、相手の視界に入り認識していただいた上で、肩に触れるなどを行うとより効果的な場合もあります。関係性があまり構築できていなかったり、認知症の方自身が触れられることを嫌ったり抵抗がある場合はやめておいて下さい。

触れる時は、いきなり手首などはやめておいた方が無難です。人は、同じ力で触れても、どの部位からも同等に情報が伝達されるわけではありません。手首にいきなり触れると、掴まれた・非難された・連行されるなどの負の連想が起こりかねないからです。いきなり手を掴まれたと判断すると、不穏になるのは分かりますね。

また触れるには他のメリットもあり、さり気ない握手などで触れた場合は見るだけでは分からない体熱感を感じられるので、発熱にいち早く気付くことも可能になります。

認知症の方の居室を訪室して声かけするときのテクニック

共有スペースのみで声かけをするわけではなく、 認知症の方の居室に訪室することもありますね。 認知症の方の居室を訪室して声かけをする場合は、来訪を知らせ意識を向けてもらう為にノックをします。

居室のドアでも良いですし、多床室の場合は仕切りがカーテンになっていることが多く、カーテンではノックは不可なので、ベッドの足元側や壁でも良いでしょう。

我々介護職はつい忘れてしまいがちになりますが、生活をしている場に我々が入っているのです。生活の場を提供してやっているのではありません。そう考えると認知症の方の声かけに限らず、ノックなどの配慮は当たり前の話かもしれませんね。

人によっては、目線を合わせるのとノック?そんな当たり前の話をわざわざ書くな と思われたかもしれません。

しかし私の体験談にはなりますが、異動後直ぐくらいの夜勤でコールがあり、不眠を和らげる薬を持って訪室した時に、ノックと目線を合わせる為にしゃがんで話をしたことに驚かれたことがあります。この方は認知症ではないしっかりとした方でした。 介護や医療の現場でも接遇が意識されていますが認知症の方に限らず、目線合わせロックを行うなどの配慮は気を付けていきたいですね。

さて、声かけ前の準備ができると次は声かけです。

認知症の方に声かけをする時に気をつけていること

準備の時に合わせた目線を外さないようにしています。目線を外すということは見ないということになり、折角準備の段階で受容と向き合いのメッセージを発しているのが無駄になるのと、大きく見ると存在を否定することに繋がると思うからです。

そして、声の大きさは気をつけますが特に入浴や排泄の声かけは周囲には分かりにくいように配慮しています。脱衣を伴う介助に関しては、あの人今からトイレの介助をされるんだな、などと思われたくはないであろうと思うからです。 排泄入浴行為などの介助では認知症の方に限らず、 特に周囲への配慮が必要ですね。

認知症の方への声かけのパターンの事例

認知症のかたへの声かけのパターンとしては、

  • 〜〜しなければならない
  • 何時までに終わらせなければならない
  • ◯は△というものだ

いう概念を持たず、想像を膨らませてその場に合わせた内容と話題で会話を行なっています

食事の直前、義歯を外してしまった認知症の方への声かけの事例

食事の直前、義歯を外してしまった認知症の方への声かけの事例

ある認知症高齢者で食事直前に義歯(入れ歯)を外した方に対する声かけは、義歯を入れるよう促す内容ではなく、歯磨きと口を漱ぐ介助をさせてほしい内容でした。理由は義歯を入れて食事をしてほしいのは介護職で、ご本人の思いではないからです。

実際口を漱ぐとすんなり義歯を入れました。

これが義歯を入れるよう促す内容の声かけだと食事が来てるんだから早く義歯を入れて・入れたくないという両者の思いは交わらず、平行線のまま気持ち悪さを感じて何度も義歯を外したことでしょう

それも本人の認知症のせいにされて。

これはなぜ義歯を外したのか・外さず気分良く義歯を入れてもらうにはどうすれば良いのかなどを考えて、ある行動に出た理由の可能性を消すパターンですね

介護スタッフを呼ぶコールが多い認知症の方の事例

介護スタッフを呼ぶコールが多い認知症の方の事例

不穏で手をつけられない・センサーを含みスタッフを呼ぶコールが多いというのは、認知症の有無にかかわらずあまり介護職員には歓迎されるパターンではありません。

苦手意識に変換される人もいるでしょう。実際夜間にコールが多いごく軽度の認知症の利用者に嫌味を含めた声かけをされているのを見聞きしたこともあります。職員同士で嫌いだと話をする中で名前が上がるのを見聞きしました。

こういう利用者にはあえて密にコミュニケーションをとることをお勧めします。

区分がショートステイから特養に変更になりフロアが変更になった利用者さんで実際にあった事例をお話しします。コールが多いという前のフロアからの情報とフロア変更後のコールの多さがあまりにも異なるので気になっていました。3ヶ月位掛かりましたが、次第に関係性ができてきて居室変更前に何故コールが多かったのか話してくれたことがあります。

理由は、夜コールを押すと、嫌味言われたりそもそも来てくれへんかったから、仕返しや来てくれる人か試す為に押した、というものでした。

声かけがトーンや内容で諸刃の剣となったパターンです。ただ、なかなか

認知症の方、高齢者への声かけの話題の選び方テクニック

認知症の方への声かけの話題の入り方は、「天気」の話題などを選びがちで誰にでも通じますが、そこからは発展しにくいです

なので天気は後に持ってきています。私は声かけの時に極力触れる(スキンシップ)するようにしてそこから、今日は少し温かい・冷えてるなどというやり取りを入れて、天気などの話題に繋げています。これだと、更に紅葉や桜など季節にも繋げていけますし、季節感は良い刺激になるので一石二鳥かなと思います

それ以外はどこかに触れたりしているとそこが痛いのかどうかなどを話すこともあります。

認知症の方に受け入れてもらう話題の選び方で最近私が一番多いのは、「近況報告を面白く話す」というものです

この話題の時は、極力昭和時代のものを取り入れたり、時代に左右されないような内容を含めています。

私の場合は、趣味が写真なのでフィルムで撮ってフィルムから話を昔話に繋げるなどしています。

認知症の方への声掛けやコミュニケーションのまとめ

声かけは何度も行うことになりますし、関係性にも影響を及ぼします。話題や内容もですが、簡単に見えて最も難しいものかもしれませんね。

こちらの記事も認知症ケアに活かせるかもしれません。

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