接遇と接客の違い 医療や介護のホスピタリティある対応とは
 

介護や医療の業界では、 患者さんや利用者さんに直接対面して提供するサービスなので、その時の振る舞いや態度、言葉遣いなどに気をつけなければならず、これら全般のことを接遇と言います。
飲食店やショップなどでは「接客」という言葉を使いますが、介護や医療の業界では相手に一歩踏み込んだ対応しなければならず、その時に相手に不快感なく心地よい時間と空間を共有するために「接遇」という技術を重視しています。

接客と接遇の違いとは

接客と接遇の違いは、相手をどう捉えるかの違いがあります。

接客の場合には、お店などに来店してくれたお客様に失礼なく、不快感を与えずに最低限のサービスを提供することを求められています

接遇の場合には、相手の立場に立ち、目線を合わせ、相手の心理状態や相手の立場に合わせた対応をすると言う高度な内容であるという違いがあります。

接客と接遇の違い

医療や介護で接遇向上が求められる理由

医療従事者や介護従事者は、弱っている患者や、介護を受けなければならないという立場の利用者などを対象として医療的なサービスの提供や身の回りのお世話などを行っています。このような関係性の中では、お世話を受ける側の患者や利用者の方が立場が低くなり、申し訳ない気持ちになりがちです。患者側も負担をかけずに医療従事者や介護従事者の方にお手伝いしてもらいたいと気を使ってしまうのが日本人の特徴です。看護師やコメディカルなどの従事者や介護従事者は、少しでも患者やご利用者がリラックスして気を使わずに気持ちよく療養生活を過ごしていただけるよう接遇を大切にしています
医療や介護で接遇向上が求められる理由

医療や介護で接遇向上が重要となってきた背景

看護や介護の役割は、患者や利用者がその方のペースでその方らしい療養生活環境を整え支えることではありますが、働く人も人間ですのでお世話してあげてるような気持ちになってしまう時もあります。

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医療や介護の業界で接遇向上が重要になってきた背景としては、医療従事者や介護従事者が患者や利用者に対して高圧的な態度や上から目線の態度をとってしまうがちだったことに起因します。医療や介護サービス業として捉える動きもありますが、それと同時に医療や介護の本質に戻り患者や利用者が心地よくいられ、 良い環境で過ごせるように接遇向上が重要となってきています。
医療や介護で接遇向上が重要となってきた背景

医療や介護の業界でホスピタリティという言葉をよく耳にするようになりました。

英語のhospitalityを辞書で調べると、親切にもてなすこと、歓待、厚遇という意味になっています。

接遇という言葉とホスピタリティは近いような意味合いではありますが、ホスピタリティという言葉を使う場合には、日本のおもてなし精神とはまた少し違った、思いやりやさらに手厚いおもてなしを加えた最上級のおもてなしのような意味を持ちます。

ディズニーランドのホスピタリティと医療介護の違い

ホスピタリティの例を挙げるとディズニーランドの事例などがあります。ディズニーランドは、来場者に特別なひとときを楽しんでもらえるよう、細部にまでこだわった世界観の実現と、一人一人の来場者に合わせた思いやりや手厚いおもてなし、従業員のホスピタリティマインドが人気の秘訣にあると言われています。また、ディズニーのもつ世界観やブランドに対して共感し、その世界観を楽しみに来ているお客様にも最高のおもてなしをしたい気持ちが自然と芽生えるので、9割の従業員がアルバイトという中でもホスピタリティの高いサービスが提供できているといわれます。

ディズニーランドのホスピタリティを例にすると、ディズニーランドの来場者がある程度ディズニーランドという世界観に理解を示し、ブランドが提供するホスピタリティーを含めた特別な時間のチケットを購入し、期待以上の満足度が高い顧客体験を提供し続けるサイクルができています。

よく医療や介護でディズニーランドのホスピタリティーを模範にしてホスピタリティの向上を目指そうという動きがありますが、医療や介護においてはディズニーランドの事例が全て模範になるわけではないと思います。ディズニーランドには老若男女、色々な国の人、 障害の有無など、様々な人たちが来場するという点では医療や介護も似た部分はあります。

これらの方々に対してその方の置かれた状況に応じて、 ディズニーランド的な世界観やおもてなしの心を手厚く提供していくという点はとても素晴らしいことです。

医療や介護の分野で置き換えると、患者や利用者が施設や病院に抱くイメージというのは様々で、かつ病気や障害の考え方も様々なので、 ディズニーランド的な世界観を持った人ばかりが来場するわけではないという点で難しさがあります。いろいろな思いを抱えながら病院や施設にいらっしゃる方に対して、一人ひとりに寄り添った提供方法や対応を考え、思いやりをもった対応をするという点は共通しています。

高級ホテルで求められるホスピタリティと医療介護の違い

高級ホテルで求められるホスピタリティは、来場する人のマナーも同時に求められています。例えば、ドレスコードがあったりするので、それに見合った場と雰囲気、ステージを提供が成り立ちます。

介護施設や病院などの中には高級ホテルは模範にしてサービスを組み立てているところも多いです。言葉遣いや態度などの面ではホテルマンのマナーやホスピタリティが参考になる部分は大いにあります。 しかし、医療や介護で求められるのは、 ご本人が介助や支援を望んでいることが分かっていても、中長期的な視点で本人が困らないような方向に考えながら対応していくという点で難しさがあります。

高級ホテルのホスピタリティを見習った場合、相手の困りごとに先に気付き、「お荷物お持ちしましょうか」「お手伝いしましょうか」「なんでもなんなりとお申し付けください」と、いたれりつくせりのサービス、言葉遣いや態度を提供するというのは実は対応としてはわかりやすいです。

医療や介護の場合には患者やご利用者が望むことや疾患・予後などを理解したうえでの対応となります。全て手伝ってしまうことは、 中長期で見た時に本人の自立を阻害するような結果を招いたり、 支援に依存するような習慣を作ってしまったりすることもあるので先の先まで考えて置かれた立場や気持ちに寄り添っていくことが大切であり注意が必要です。だからといって、 相手の希望や要望、困っていることに気付いた時に、 適当な対応するわけではなく不快感や不信感がないように、ご本人が気持ちよく納得したり、不快感なく生活ができるように工夫して考えて対応していくことが医療や介護で求められるホスピタリティの精神だと思います。

接遇マナー研修の進行例

接遇についての研修となると高度ですが、マナーについての研修ならばある程度マニュアル化が可能です。

よくある接遇マナー研修では以下のようなポイントについて、法人内などで決めたルールを紹介して事例検討などが行われます。

  • 身だしなみ
  • 言葉遣い
  • あいさつ
  • 表情
  • 態度
  • 電話のかけ方・取り方
接遇マナー研修 電話対応の様子

その他、事例検討として、片麻痺の方、失語の方、苦情やクレームの一時対応をする場合など、対応が難しい事例などを用いて、グループでディスカッションして発表するなどの研修が多いです。

接遇マナー・ホスピタリティは基本対応の浸透と一人一人の思いやりで

接遇マナー・ホスピタリティの高い対応のためには、ベースにはどんな人でも違和感を感じないような最低限のマナーが必要です。

身だしなみで頭髪に基準を作るなどの清潔感のあるルールを定める、電話に出るときの基本的な対応方法のルールを決め共有するなど、ルール化したりマニュアル化できるものは法人や施設で決めルールを共有したうえで、事例検討や気持ちの良い接遇とはどんなものかなどを自分たちで実践し合ったりしながら一人一人の思いやりの色を出してホスピタリティの高い対応を目指していけると良いですね。

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