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介護保険サービスと保険外サービスの組み合わせ

2018年4月13日、厚生労働省は 未来投資会議 構造改革徹底推進会合「健康・医療・介護」会合(第5回) で、混合介護についてルールの明確化に向けて、今後発表する予定の通知の概要を示しました。当日の配布資料が公開されており、「資料7: 経済産業省・厚生労働省提出資料 」で確認できます。

混合介護のルール明確化へ

介護保険の制度でも、高齢者のニーズに対応できるように一定のルールのもとで、介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供することを認めています。
例えば、現在の制度内でも実施できる保険外サービスとしては、施設内での理美容サービスや、緊急時の併設医療機関の受診などがあります。現在の制度で理美容や緊急時の医療機関受診などについては、予めサービス内容を説明し同意を得ていることや、サービス提供時間を明確に区分して文書として記録することなどルールがあります。
厚生労働省の混合介護の方針としては、保険外サービス実施時間については引き続き介護保険上のサービス提供時間に含めないことや、保険外サービスを提供する事業者からのキックバックを受けないことなど、具体的なルールが新設される見通しです。

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訪問介護での保険外サービスの提供 混合介護

訪問介護では利用者さんの食事の準備などの介助に入った時に、同居している家族2人の料理も同時に準備することができないかなどの議論がなされてきました。訪問介護でも現行制度内で介護保険の訪問介護と保険外のサービスを組み合わせて提供することは一部可能となっています。訪問介護中の保険外サービスについては、介護保険上の訪問介護と保険外サービスの『同時一体的な提供』については提供不可である旨が示されました。同時に行った場合、介護保険サービスと保険外サービスを明確に区別する事が困難であるためです。

通所介護(デイサービス)での保険外サービスの提供 混合介護

通所介護(デイサービス)の場合には、入浴、食事、機能訓練、レクリエーション、アクティビティなどサービス提供時間内で多種多様な内容を提供できるため、基本的には通所介護介護保険給付とは別に利用料を徴収することは認められないことが示されています。
ただし、今回通所介護とは明確に区分することができるサービスについては、介護保険外サービスとして提供可能とする方針となりました。
今回、混合介護としてルールを順守すれば提供可能と示されたのは以下の事項です。

  • 事業所内において理美容加え、巡回健診、予防接種を行うこと
  • 利用者個人の希望により事業所から外出する際に保険外サービスをセットして個別に同行支援を行うこと
  • 物販、移動販売、レンタルサービス
  • 買い物等代行サービス

混合介護の方針について発表され、デイサービスでは物販や移動販売、レンタルサービス、買い物代行サービスなどができるようになる見通しです。

豊島区での混合介護(選択的介護)実証実験は訪問介護+保険外サービス

東京都豊島区は、混合介護の提供に先駆けて実験的にモデル事業に向けた協議が行われています。ちなみに東京都では混合介護よりも選択的介護という言葉を使う傾向があるようです。
東京都は、平成28年12月から、利用者の様々なニーズへの柔軟な対応とサービスを提供する事業者の運営効率とを両立させるべく、これまで以上にサービスを柔軟に組み合わせることができる提供形態、いわゆる『選択的介護』の導入について豊島区と連携し、平成30年度から国家戦略特区として先駆的に取り組みます。
豊島区で提供するパッケージは、訪問介護の提供と合わせて、便利屋のようなモデルで電球の交換や家事やペットの世話、買い物代行などを時間あたりの料金を決めて契約し柔軟に行うものです。

便利屋のモデルと混合介護(選択的介護)の違い

便利屋の場合は介護保険法の影響を受けない自由契約に基づくサービス提供となるため、どのような生活ニーズにも対応できます。
混合介護(選択的介護)の場合、介護保険サービスと保険外サービスとを併用することになるため、選択的介護によるサービス提供が利用者の自立支援につながることが期待される生活ニーズに絞り込む必要があるという点が異なってきます。

混合介護の問題点・メリット・方向性のまとめ

東京都都福祉保健局高齢社会対策部が平成29年5月に発表した「選択的介護」に係るモデル事業実施に向けた基本的考え方(PDF:5,011KB)では、混合介護(選択的介護)について多方面から詳しく考えられています。
これらの進捗を踏まえて、未来投資会議でも混合介護の実現に向けて課題整理とルール策定が進められているものと思います。
収入源が限られる介護事業者のニーズと、かゆいところにも手が届くサービスを提供してもらいたい利用者側のニーズをくみ取り、新しいビジネスチャンスになり活性化されることが期待されています。
しかし、保険内と保険外の区分の課題、運営基準の問題、料金設定の問題、ケアマネージャーのマネジメントとの連動や連携の課題、保障の問題、認知症の利用者への対応の問題、他の生活支援サービスとの関係、人材確保、低所得者への調整など考えていくことは山積みです。
混合介護について、厚生労働省・経済産業省から方針が示され、その後介護保険の事業者として指定を行っている自治体の方針や規制などいろいろなことが発信されてくると思います。今後介護事業者は地域包括ケアシステムの担い手として生活全般を支えていくことが求められてますが、混合介護の解禁でどのような効果が出てくるのか注目です。

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