2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが、5類感染症に変更され感染症法上の位置付けが変更となります。5類に変更後の医療提供体制、診療報酬、医療費の自己負担などについても方針が示されています。この記事では、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に変更になった後に医療提供体制、診療報酬、医療費の自己負担などにどのようになるのかを首相官邸の資料を参考にまとめます。
この記事の参考資料:新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制及び公費支援の見直し等について(ポイント)
上記資料は、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制及び公費支援の見直し等について」(令和5年3月10日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)について、補足資料も加えつつポイントをまとめたものです。
このページの目次
新型コロナウイルス感染症が5類になったとき
2023年5月7日まで「新型インフルエンザ等感染症」相当
- 入院措置などの行政の強い関与
- 限られた医療機関による特別な対応
2023年5月8日から「5類感染症」
- 幅広い医療機関による自律的な通常の対応
- 行政は医療機関支援などの役割に
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新型コロナ:5類に変更後の医療提供体制
幅広い医療機関で新型コロナウイルス感染症の患者が受診できる医療体制に向けて、必要となる感染対策や準備を講じつつ国民の安心を確保しながら段階的に移行していく方針です。
2024年4月には診療報酬・介護報酬の同時改定があるため、その際には新たな診療報酬体系への移行を想定しているようです。
現行 | 5類に変更後 | 具体的な措置 | |
外来 | 約4.2万の医療機関 | 最大6.4万の医療機関での対応を目指す | 応招義務の整理(コロナへのり患又はその疑いのみを理由とした診療拒否は「正当な事由」に該当しないことを明確化)
重症化リスクの低い者の自己検査・自宅療養(含む自己検査キット・解熱鎮痛剤常備)、受診相談センター等の取組は継続 |
入院 | 約3,000の医療機関 | 約8,200の全病院での対応を目指す | ① 確保病床を有していた重点医療機関等(約3,000) ⇒ 重症・中等症Ⅱ患者への重点化を目指す② これまで受入れ経験のある重点医療機関等以外の医療機関(約2,000) ⇒ 軽症・中等症Ⅰ患者の受入れを積極的に促す 特に、高齢者を中心に、「地域包括ケア病棟」等での受入れを推進 ③ これまで受入れ経験のない医療機関 ⇒ 受入れを促す |
入院調整 | 都道府県・保健所設置市・特別区 | 原則、医療機関間による調整 | 円滑な移行のため、当面、行政による調整の枠組みを残す(病床ひっ迫時等に支援)
まずは軽症・中等症Ⅰ患者から医療機関間の調整を進め、秋以降、重症者・中等症Ⅱ患者の医療機関間の調整を進める |
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新型コロナ:5類に変更後の診療報酬
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけ5類への変更に伴い2023年5月8日以降、以下の考え方の下、診療報酬上の特例について見直しが行われます。
外来
位置づけ変更前 | 5類変更後(2023年5月8日~) |
300点 | ①300点(受け入れ患者を限定しない)
②147点(①に該当しない) |
250点(発熱が依頼の標榜・公表が要件) | ー |
950点(コロナ患者への診療) | 147点(コロナ患者への療養指導)
950点(コロナ患者の入院調整を行った場合) |
在宅・往診
位置づけ変更前 | 5類変更後(2023年5月8日~) |
2850点(緊急の往診) | ①950点(緊急の往診)
②950点(施設の入所者にオンライン診療を実施する場合) |
入院
位置づけ変更前 | 5類変更後(2023年5月8日~) |
①8848点~32634点(重症患者)ICU入院料:3倍
②3800点~5700点(中東症患者等)救急医療管理加算:4~6倍 |
①2112点~8159点(重症患者)ICU入院料:1.5倍
②1900点~2850点(中東症患者等)救急医療管理加算:2~3倍 |
750点(コロナ回復者を受け入れた場合) | 750点(コロナ回復者を受け入れた場合) |
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新型コロナ:5類に変更後の病床確保料の見直し
病床確保料の補助単価(上限)は、これまで診療報酬の引き上げに合わせた見直しを行ってきているところ、今般、診療報酬特例の見直しに連動して見直し(半額)を行う(当面、9月末まで継続)。また、休止病床の補助上限数については、コロナ入院医療における人員配置等の変化など実態を踏まえて見直しを行う。
補助単価(上限)の見直し
ICU
特定機能病院等
補助上限額 436,000円/日 → 218,000円/日
一般病院
補助上限額 301,000円/日 → 151,000円/日
一般の医療機関
補助上限額 97,000円/日
HCU(重症者・中等症者病床)
特定機能病院等
補助上限額 211,000円/日 → 106,000円/日
一般病院
補助上限額 211,000円/日 → 106,000円/日
一般の医療機関
補助上限額 41,000円/日
助上限額 97,000円/日
その他病床
特定機能病院等
補助上限額 74,000円/日 → 37,000円/日
一般病院
補助上限額 71,000円/日 → 36,000円/日
一般の医療機関
補助上限額 16,000円/日
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新型コロナ:5類に変更後の医療費自己負担
外来医療費
現行 | 5類に変更後 | 具体的な措置 |
行政による患者の外出自粛要請
外来医療費の自己負担分を公費支援 |
• 患者の外出自粛は求められない • 高額な治療薬の費用を公費支援 • その他は自己負担 |
新型コロナ治療薬※1の費用は、急激な負担増を避けるため、公費支援をは9月末まで継続 |
入院医療費
現行 | 5類に変更後 | 具体的な措置 |
行政による入院 措置・勧告 入院医療費の自己負担分を公費支援 |
• 行政による入院措置・勧告はなくなる • 入院医療費の一部を公費支援 |
新型コロナ治療のための入院医療費は、急激な負担増を避けるため、まずは9月末まで、高額療養費の自己負担限度額から、2万円を減額(2万円未満の場合はその額) |
検査
現行 | 5類に変更後 | 具体的な措置 |
患者を発見・隔離するため、有症状者等の検査費用を公費支援 | 検査費用の公費支援は終了 ※高齢者施設等のクラスター対策は支援継続 |
検査キットの普及や他疾患との公平性を踏まえ、公費負担は終了(自己負担)
重症化リスクが高い者が多い医療機関、高齢者施設等での陽性者発生時の周囲の者への検査や従事者の集中的検査は行政検査として継続 |
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患者等に対する公費支援の取扱い
外来医療費
現在(~5/7) | 5類変更後 5/8~ | |
75歳以上 (1割負担) |
860円 | 1,240~1,390円 |
70歳未満 (3割負担) |
2,590円 | 3,710~4,170円 |
陽性判明前の検査料等・コロナ陽性判明後の医療費について5/8以降は自己負担が発生
コロナ治療薬の自己負担分は公費で補助
入院医療費
現在(~5/7) | 5類変更後 5/8~ | |
住民税非課税 (所得が一定以下) (17%) |
0円 (0円) |
0円 (3,000円) |
住民税非課税 (24%) | 0円 (0円) |
4,600円 (6,300円) |
~年収約383万 (52%) | 0円 (0円) |
37,600円 (13,800円) |
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基本的感染対策に関する変更方針(ポイント)
変更後の基本的感染対策の考え方について日常における基本的な感染対策については、医療機関や高齢者施設等以外の通いの場等では、主体的な選択を尊重し、個人や事業者の判断に委ねることが基本となります。
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2023年5月8日以降、新型コロナウイルス感染が5類に変更されると面会制限はどうなる?
高齢者施設等の入所者について、家族等との面会の機会の減少により心身の健康への影響が懸念されることを踏まえると、高齢者施設等での面会の再開・推進を図ることは重要ということが基本方針とされており、厳密な面会制限の状態から、状況に応じた面会再開へと移行していくことが勧められています。
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