生涯学習とは 取り組み事例と高齢者の生きがいなどのメリット

生涯学習とは

「生涯学習」とは、人々が生涯に行ういろいろな学習、学校教育、家庭教育、社会教育、文化活動、スポーツ活動、レクリエーション活動、ボランティア活動、企業内教育、趣味など様々な場や機会に行う学習のことです。

長い生涯のいつでも、自由に学習機会を選択し学ぶことができ、その成果が適切に評価される社会を指すものとして「生涯学習社会」という言葉も使われています。

生涯学習の理念

教育基本法第3条では、生涯学習の理念として「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。」と規定されています。

生涯学習の歴史

生涯学習という概念は、昭和40年(1965年)に、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の成人教育推進国際委員会で、ポール・ラングラン氏が生涯教育を提唱したことに始まりといわれています。日本では、平成2年(1990年)に、生涯学習の振興のための施策の推進体制などの整備に関する法律が制定されました。

平成4年(1992年)、生涯学習審議会の答申の中で、生涯学習社会とは「人々が生涯のいつでも、自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価される」社会とされたことを経て、平成18年(2006年)には、教育基本法が改正され、生涯学習の理念が明記されました。

生涯学習の機会・きっかけの見つけ方

生涯学習の取り組みとしては、自発的に図書館で学習したり、講座を受講したり、生涯学習センターに行くなどして機会を得るということもありますが、文部科学省や社会的な機能として生涯学習の場や機会を提供している取り組みも多方面で見られます。

生涯学習の取り組み例

  • 放送大学は、いつでも誰でも学ぶことができるよう、テレビ・ラジオの放送やインターネット等を活用して大学教育の機会を幅広く提供しています。
  • 大学や短期大学などは、社会人入試、夜間・昼夜開講制、科目等履修生、通信教育、履修証明制度、公開講座などを実施しています。
  • 民間教育事業者や教育分野で活動を行うNPO法人などの民間団体は,社会づくりや地域づくりの重要な担い手として,国民の多様な学習活動を支える上で大きな役割を果たしています。
  • 民間の団体が、受検者の学習成果を測るために行う検定試験は、法令などに基づくものではないものもありますが、全国で実施され多数の受検者が参加するものや、専門的な知識・技能を測るために特定の受検者を対象に実施されるもの、各地域における文化活動や観光産業などの活性化を目的としたものなど、様々な規模・内容で実施されています。
  • 企業などでも「リスキリング」という言葉が使われることが増え、スキルや実学の学び直しが注目されています。学習するために補助を出したり、研修日を設けて自己成長に使うことができるなどの環境整備の取り組みもあります。

生涯学習と高齢者の生きがい創出のメリット

日本は高齢社会となり、各世代間や生活背景などによる価値観が多様化する中で、学習活動や社会参加活動を通じての心の豊かさや生きがいの充足の機会が求められています。

就業を継続したり日常生活を送ったりする上でも社会の変化に対応して絶えず新たな知識や技術を習得する機会が必要となります。また、一人暮らし高齢者の増加も背景に、地域社会において多世代が交流することの意義が再認識されています。

学習することで新たな発見があり知的好奇心や貢献の心から、新たな行動や活動の活力になります。高齢者でもスマートフォンを使えるようにチャレンジしたり、パソコンで学習したり、趣味やスポーツに取り組んだり、生涯学習は知的な座学の学習だけではなく、新しい技術を身に着けたり、若者世代の生活様式やほかの世代の思想や価値観を理解しようとしたり、体を使った運動などの学習も含む、とても幅広い概念であると考えられます。このように新たなことを学習し、その成果や効果があると感じられる社会環境や仕組みを整えることで、高齢者が元気で生きようと思えるという大きなメリットが生まれると考えます。

老年期は人生の振り返りで自分の人生はよかったのか悪かったのかと考えたり、役割がなくなって生きがいがわからなくなったり、認知機能が低下して自信がなくなったりすることもあります。

生涯学習という考え方を広い意味で考えると、高齢者の生きがいや、人々の社会貢献、私たちの文化の継承などにも結び付く、今後の高齢社会を考える上で重要な視点が得られるのではないでしょうか?