日本に留学する外国人留学生への奨学金・待遇が良過ぎる問題

日本政府(文部科学省)は国費により外国人留学生を受け入れています。例えば、ヤング・リーダーズ・ プログラム(YLP) 留学生の場合、支給金額は月額242,000 円、往復航空券学費(入学検定料、入学金及び授業料)も無し、返済不要である奨学金がいくつもあり問題として扱われたりデマやヘイトであるとの意見も散見される状態です。実際、外国人留学生へ奨学金はどんな内容なのかを紹介します。独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)も外国人留学生に対して「文部科学省外国人留学生学習奨励費」、「海外留学支援制度(協定受入)奨学金」の2種類の奨学金を支給しています。

実際にどれくらいの外国人留学生に奨学金が使われていて、どんな内容なのかなどを調査してみました。

外国人留学生の受け入れ人数(私費留学生・国費留学生数)

文部科学省及び外務省の協力の下、独立行政法人 日本学生支援機構が運営する政府公認の日本留学情報サイトである「日本留学情報サイト」が公表しているデータによると、2020年時点での外国人留学生総数は約28万人で、そのうちの8,761人が国費留学生、3206人が外国政府派遣留学生、267,632人は私費留学生でした。このデータによると、日本の国費で留学している外国人の割合は全体の3.1%ほどで、全体の95%は私費留学生となっています。


 2020(令和2)年度 外国人留学生在籍状況調査結果、留学生数の推移(各年5月1日現在)

外国人留学生に支給される日本政府からの奨学金

日本政府の奨学金には 7 つの種類があり、それぞれの応募資格、支給内容は以下の通りです。外国人留学生への奨学金支給はデマではないか、根拠がないと言われることもありますが、日本留学奨学金パンフレット2022-2023 日本語版を見る限りやはり高額の奨学金の制度があることは事実です。

(以下「日本留学奨学金パンフレット2022-2023 日本語版」を参考に作成)

ヤング・リーダーズ・ プログラム(YLP) 留学生

応募者の資格・条件

年齢: 原則40歳未満

募集分野: ①行政 ②ビジネス ③法律 ④地方行政 ⑤医療行政

大学卒業者 実務経験のある者 アジア諸国等の若手の行政官等

奨学金内容

月額242,000 円(支給期間1年)

日本語教育:必要なし

*旅費:往復航空券
*学費:入学検定料、入学金及び授業料は徴収しない。

研究留学生

応募者の資格・条件

年齢:35歳未満

募集分野: 大学において専攻した分野またはこれに関連した分野

日本の大学院修士課程・博士課程(前期)又は博士課程(後期)の入学資格を有する者

奨学金内容

非正規生 月額143,000 円(支給期間2年以内

修士課程 月額144,000 円、博士課程 月額145,000 円 (支給期間は標準修了年限以内、日本語教育が必要な者は6ヵ月を加算、地域加算あり)

日本語教育:6か月(日本語能力の充分な者は除く)

*旅費:往復航空券
*学費:入学検定料、入学金及び授業料は徴収しない。

教員研修留学生

応募者の資格・条件

年齢:35歳未満

募集分野: 学校教育

大学または教員養成学校を卒業した者で、自国の 初等・中等教育機関の現職教員、または教員養成 学校 ( 大学除く ) の現職教員 (ただし、在職期間を5年以上とする。)

奨学金内容

月額 143,000 円 (支給期間は1.5年以内、地域加算あり

日本語教育:6か月(日本語能力の充分な者は除く)

*旅費:往復航空券
*学費:入学検定料、入学金及び授業料は徴収しない。

学部留学生

応募者の資格・条件

年齢:25歳未満

募集分野: 学校教育

1)文科系
文科系A:法学、政治学、教育学、社会学、文学、史学、 日本語学、その他
文科系B:経済学、経営学、その他

2)理科系
理科系A: 理学系 (数学、物理、化学) 電子電気系 (電子工学、電気工学、情報工学) 機械系 (機械工学、造船学) 土木建築系 (土木工学、建築工学、環境工学) 化学系 (応用化学、化学工学、工業化学、繊維工学) その他 (金属工学、鉱山学、商船学、生物工学)
理科系B: 農学系 (農学、農芸化学、農業工学、畜産学、獣医学、 林学、食品学、水産学) 保健学系 (薬学、保健学、看護学) 理学系 (生物学)
理科系C:医学、歯学

学校教育における 12 年の課程を修了した者、また は高等学校に対応する学校の課程を修了した者、または見込みの者、または左記以外の資格により申請時点で日本の大学入学資格を有する者

奨学金内容

月額  117,000 円 (支給期間5年(医学・歯学・獣医学又は6年制の薬学専攻者は 7 年、地域加算あり

日本語教育:6か月(日本語能力の充分な者は除く)

*旅費:往復航空券
*学費:入学検定料、入学金及び授業料は徴収しない。

高等専門学校留学生

応募者の資格・条件

年齢:25歳未満

募集分野:機械、電気・電子、情報・通信・ネットワーク、物質・材料、 建築、土木、商船、その他

学校教育における 11 年以上の課程を修了した者、または見込みの者、またはその他で、申請時点で 日本の高等専門学校の第3学年への編入学資格を 有する者

奨学金内容

月額  117,000 円 (支給期間4年(商船学専攻者は 4.5 年

日本語教育:6か月(日本語能力の充分な者は除く)

*旅費:往復航空券
*学費:入学検定料、入学金及び授業料は徴収しない。

専修学校留学生

応募者の資格・条件

年齢:25歳未満

募集分野:工業、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・ 教養

学校教育における 12 年の課程を修了した者、または高等学校に対応する学校の課程を修了した者、または見込みの者、または他の資格により申請時点で日本の専修学校入学資格を有する者

奨学金内容

月額  117,000 円 (支給期間3年

日本語教育:6か月(日本語能力の充分な者は除く)

*旅費:往復航空券
*学費:入学検定料、入学金及び授業料は徴収しない。

日本語・日本文化研修留学生

応募者の資格・条件

年齢:18歳以上30歳未満

募集分野:日本語、日本文化・日本事情

大学学部に在学し日本語・日本文化に関する分野を 通算 1 年以上専攻している者

奨学金内容

月額  117,000 円 (支給期間1年以内

日本語教育:必要なし

*旅費:往復航空券
*学費:入学検定料、入学金及び授業料は徴収しない。

独立行政法人日本学生支援機構奨学金

日本学生支援機構(JASSO)では、「文部科学省外国人留学生学習奨励費」、「海 外留学支援制度(協定受入)奨学金」の2種類の奨学金を支給しています。

留学生受入れ促進プログラム(文部科学省外国人留学生学習奨励費)

日本学生支援機構は、日本の大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校、日本の大学に入学するための準備教育課程または日本語教育機関(以下「大学等」という) に在籍する私費外国人留学生に対して文部科学省外国人留学生学習奨励費を支給しています。

奨学金月額 48,000 円

海外留学支援制度(協定受入)奨学金

日本学生支援機構は、日本の大学、大学院、短期大学、高等専門学校第3年次以上または、専修学校(専門課程)(以下「受入大学等」という。)が、諸外国の高等教 育機関(以下「在籍大学等」という。)との学生交流に関する協定等に基づいて、留学生を在籍大学等に在籍させたまま8日以上1年以内受け入れるプログラムを実施する際、そのプログラムを支援し、資格・要件を満たす学生に奨学金を支援しています。

奨学金月額 80,000 円

外国人留学生への奨学金は問題?

日本人が高校や大学に行くための奨学金の多くは、貸与であり実質ローンであることや、所得により制限されるなど学びたい学生にとっては厳しい条件となっています。しかし徐々に日本人向けの大学生などへの奨学金も見直しされ、給付型の割合が増えるなど条件の改善が見られています。

日本政府が行なっている日本への外国人留学生を対象として受け入れている留学生の条件には、留学の際の旅費交通費も国が負担し、奨学金月額が10万円以上、さらに入学金も授業料も免除される条件となっており好条件のものもありますが、独立行政法人 日本学生支援機構のデータを見る限り全体の3.1%という狭き門となっています。私費留学生の割合が大半となっているというデータですが、この私費留学生の留学費用には日本からの支援が全くないのかについては若干疑問が残りますが、少なくとも「外国人留学生はみんな日本の国費で留学費用を出している」という状況ではないようです。

外国人留学生への高額な奨学金・旅費支給・返済不要でおかしいのではないか

外国人留学生への高額な奨学金・旅費支給・返済不要などの高待遇な条件は、日本人の奨学金や学生への待遇と比べるとおかしいのではないかという意見もあります。海外諸国でも、一部の推薦を受けた留学生には待遇のよい留学機会を与えていることもありますが、通常留学にはかなり費用がかかるものです。日本は、少子高齢化で働き手が減ることや、観光や医療、技術力を活かして、他国からも好意的な状態でグローバル化を図流という方向性は仕方のないことだと思いますが、日本人の税金から拠出された留学生へ投資が、その投資に見合っている日本の国益を生み出しているのかは疑問です。外国人留学生に支給される日本政府からの奨学金の分類・プログラム別に人数なども公表されていると、より信憑性が高まり誤解がなくなるのではないかと思います。

この問題は奨学金をもらっている留学生が悪いという問題ではなく、あまり一般に知られることなく50年以上続いてきた「国費で外国人留学生受け入れる」という日本の制度について、データを周知することと、課題を提示するために取り上げました。