ボランティアとは 無償・有償の違い、探し方、活動分野

 

ボランティアという仕組みは、福祉・介護・育児・災害・まちづくり・清掃・健康作りなどいろいろな分野で取り入れられています。

近年はボランティアという仕組みは多様な意味合いで使われており、一口にボランティアと言っても対価の発生、担い手、協力先などが様々です。

介護や福祉の分野では、特にボランティアと関わることが多いため、最近の「ボランティア活動」についてまとめてみました。

ボランティアの意味

ボランティア活動とは、より豊かな地域社会を築くために、自らすすんで、他の人や社会のために、金銭の見返りを求めないで行う活動を意味します。「ボランティア」の語源は、意志や善意という意味をもつ、ラテン語の『VOLUNTAS(ボランタス)』だと言われています。

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ボランティア活動の探し方

ボランティア活動をしたい人がエントリーするのも、ボランティア活動に協力してくださる方を募集するのも、身近な窓口としては区市町村の「社会福祉協議会(社協)」です

「○○市 社会福祉協議会」などと検索すると、ボランティア活動の募集や応募についての情報が出てくるかと思います。社協の活動について詳しくはこちらの記事で紹介しています。

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ボランティアの活動分野

ボランティアの活動分野はいろいろあります。詳しくは社会福祉協議会や、ボランティアの検索サイトなどで調べると多種多様な分野で求められていることが確認できますが、ここでは活動分野の一例を紹介します。

福祉 福祉 高齢者、障害者、子ども達への支援
保健 健康を保つための相談や教室など
医療 病院や医療機関での活動支援、献血
人権 権利擁護のための活動
環境 環境 自然保護、里山保全、清掃や河川の浄化
リサイクル リサイクル運動
地域 まちづくり 緑化推進、イベント運営、歴史語り部
防犯・見守り 見守り活動・パトロール
災害支援 防災活動、災害時の救護・支援活動
文化 芸術文化 美術館・博物館での活動、地域文化の保全・育成
スポーツ スポーツ活動の支援、障害者スポーツへの参加・協力
教育関係 学校教育や社会教育・生涯学習活動への協力
国際 国際協力 海外協力、日本にいる外国人の支援、難民支援など

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ボランティアの4原則

ボランティア活動には、4原則があると言われています。

「自主性・主体性」自分から進んで行動している

ボランティア活動は、自分自身で考え、意思をもって始める活動で、だれかに強制されたり、義務として行わせる活動ではありません。誘いや世の中の出来事やショッキングな出来事など、どんなきっかけでも、自分自身の「やってみよう」という気持ちを大切にすることから、ボランティア活動がはじまります。

「社会性・連帯性」協力して社会課題に向き合う

社会にはさまざま課題が存在します。こうした課題を発見し、改善していくためには一人ひとりが考えることと、多くの人びとと協力しながら力を合わせて行動することが大切です。

「無償性・無給性」個人の利益を求めない

ボランティア活動は、活動目的の達成によって、出会いや発見、感動、喜びといった精神的な報酬を得る活動です。個人的な利益や報酬を第一の目的にした活動ではありません。 (交通費や食費、材料費などの実費弁償についてはボランティアと言えど無償の範囲とされています。 )

「創造性・開拓性・先駆性」アイデアを出し合い新しい方法を創り出す

社会という単位で見れば抽象的な社会課題がたくさんありますが、ボランティア活動では目の前の具体的な課題に対して何が必要なのか、どう改善するかという具体策が必要になります。ボランティア活動では、従来の考え方にとらわれることなく、自由な発想やアイデアを大切にしながら、協力先の方々と方法や仕組みを考え、創り出していくことが大切です。

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ボランティア活動で大切な「継続性」

ボランティア活動は、なかなか解決できない社会課題に対しての具体的なアプローチになります。単発でサポートするかたちももちろん感謝されますが、より求められている形としては継続的な関わりです。ボランティア活動に協力していただく側としても、出会いや感動というものを長く大切にしていきたいと思っています。そのために、お互いに中長期的に協力していけるような関係性作り・継続性が大切です。

ボランティア保険の加入

例えば、ボランティア活動の中では、事故などもあり得るため、お互いの関係性や活動上の安心を担保するため『ボランティア保険』に加入することも選択肢のひとつです。ボランティア保険の情報や加入手続きも社会福祉協議会に相談してみましょう。

活動費用の一部を負担する有償ボランティア

「有償ボランティア」という仕組みも継続性を高めていくための仕組みとして選択肢になるかと思います。詳しくは後述しますが、ボランティアの延長ではありますが、謝礼は賃金ではないのかという疑問もありグレーゾーンです。

クラウドファンディングや寄付などで活動支援

ボランティア活動を募集している団体や施設などは、金銭的に余裕がない場合も多いです。本当の社会課題は、解決するための原資や人材が大きく不足しています。活動の財源や協力者を募るための手段として、寄付やクラウドファンディングなどの手段があります。課題解決の想いは持っていても、時間的に余裕がないなどの場合、寄付をして実務は別の方にお願いするという仕組みも新しいボランティアの形として確立されてきています。

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有償ボランティアとは

ボランティア活動には、金銭的・個人的な利益という形の見返りを求めないということが原則となっていますが、ボランティア活動をするにも費用がかかります。無報酬では継続できないという中で、有償ボランティアという仕組みができてきましたが「謝礼的な金銭の支給」や「活動経費としての一定額の支給」は、その支払いの内容が労働の対価、つまり賃金として解釈される可能性もあり、有償ボランティアと呼んでいるケースでも労働者とみなすこともできるという法的に微妙な立場にあります

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無償ボランティアと有償ボランティアの違い

ボランティア活動は基本的に無償で行われるものです。無償のボランティアと有償ボランティアを比べると、活動分野としては似たような分野での活動ですが、交通費等の他に謝礼や活動経費の一部支給するという違いがあります。

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ボランティアへの謝礼金・交通費

ボランティアで協力してくださる方に謝礼金をお渡しするということも増えてきていますが、有償ボランティアの章で指摘しましたように、賃金としての取り扱いではないかという意見もあります。労働関連法や税務上の問題をクリアにしてお互いに余計なトラブルにならないためにも、講師料や業務委託の報酬として支払うか、材料費や交通費など品目を明確にして実費を支払うかのほうがよいでしょう。

謝礼金・交通費の相場

ボランティア活動をしていただいた方への謝礼金については、あえてお渡ししていないということも多いです。食費や交通費、材料費などの実費弁償は無償ボランティアの範囲になりますので、その枠内で支給しているケースも多いです。お気持ちにの問題になりますので、無償ボランティアの範囲で、ご協力いただいた方に最大限喜びや感謝をお伝えして気持ちよく活動していただくことをみんなで考える方がよいでしょう。ボランティアでご協力いただく方への謝礼金のことで悩んだ時には、社会福祉協議会や税理士さんなどに相談するとヒントがあるかもしれません

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お互いが継続的に継続できる関係性を

ボランティアとして事業のお手伝いをしてくれたり、高齢者施設や福祉事業所のご利用者の話し相手や楽しみを提供してくださる志を持っている方は、その方自身が気持ちよくお手伝いして、継続的に温かい関係性で居られることが一番です。

2021年に行われる東京オリンピックでは、医師や看護師、理学療法士やそのほかの専門職種などを無償のボランティアで募集して成り立たせようとされていますが、自ら進んでボランティアとして働くという主旨と、国際的にも重責を担うことをボランティアで済まそうとする依頼主の態度は社会的で継続的な関係性を築く上ではちょっと違っているように思います。

ボランティアをお願いする側も、ボランティアとして来てくれる方のニーズやモチベーションを考えたり、お聞きしながら、金銭的な利益・利潤という利害関係を越えた繋がりになれるとよいですね。

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