心室細動からの蘇生 看護師の心肺蘇生の体験談
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皆さんは、「心室細動」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、致死性不整脈といい、すぐに治療しなければ死に至る可能性が非常に高いとても危険な不整脈の一種です。
今回は、この心室細動についてと、実際に私が遭遇した心室細動の蘇生の体験談についてお話していきます。

心室細動とは

不整脈には、大きく分けて心室性不整脈と上室性不整脈の2つに分けられます。心室性不整脈では、生命に危険があり、直ちに治療が必要なもの、上室性不整脈では、心室性不整脈に比べると危険性は低いもののやはり治療は必要になってくるものとなります。
今回紹介する心室細動は、心室性不整脈にあたり、直ちに治療が行わなければ死に至る可能性が非常に高い疾患です。
心室細動が起きている時の心臓の状態は、簡単に言うと、心臓がただ小刻みに震えているだけであり、本来の働きである血液を身体に巡らせるポンプ機能を果たせていない状態となっているため、数分以内にショック状態から死に至ってしまいます。

心室細動の心電図の特徴

心室細動の心電図と正常心電図
心室細動の心電図の特徴としては、正常な心電図にあるP波・QRS波・T波などの区別ができず、リズムが不規則で1分間に250~300の波が発生するという状態です。

心室細動の原因や背景

心室細動の背景には、急性心筋梗塞、心筋症、低体温症などがあります。まず、めまい、そしてその直後に失神してしまい、この時点で脈は触れなくなります。

心室細動からの蘇生の体験談

実際、私が出会った心肺蘇生体験談をご紹介したいと思います。
私は、循環器内科で看護師をしていました。
今回ご紹介する患者さんは過去に心筋梗塞を患ったことはあるものの特にその後は問題なく過ごしている方でした。しかし、ある時、他の看護師が声をかけても反応が鈍く、意識が朦朧とした状態でした。そのうち、完全に意識がなくなり、すぐに心電図のモニターを装着、心電図は心室細動特有の不規則なめちゃめちゃな波形でした。
心室細動の心電図と正常心電図
すぐに心臓マッサージが開始され、医師を呼び、除細動器(いわゆる電気ショック)が運び込まれました。
看護師の1人は時系列で記録を取り、1人は薬剤投与のための点滴のルートを取り、1人は心臓マッサージ、1人は緊急用の薬剤や酸素マスク等の入った救急カートを取りに、1人は、いつでも動けるようにと待機していました。
心室細動の状態での心臓マッサージ そして、医師が到着し、除細動器で何度が除細動を試みたものの当初は蘇生せず、それでも必死に交代で心臓マッサージが行われました。
心臓マッサージ→除細動の繰り返しと、薬剤の投与により、何とか患者は蘇生に成功しました。
しかしながら、長時間の心臓マッサージ、高齢だったこともあり、その代償に肋骨が折れてしまったようです。これは、心臓マッサージを行う際には時たま聞く話です。
蘇生には、何人ものスタッフ、諦めない気持ち、そしてチームワークが重要であると感じた出来事でした。
これは、蘇生だけでなく、医療全般に言えることであると、私は思っています。

AED 除細動器について

心室細動・心房細動で除細動するAED
皆さんは、AEDについて聞いたことがあるでしょうか。公共施設や医療機関、様々なところで見かけると思います。これは、先程述べたいわゆる『除細動器』と同じような役割を担っています。そして、このAEDは、装着すると自動的に心電図を解析し、除細動が必要な状態であると判断したときのみ作動します。心室細動の状態は、心臓から脳や全身に血液が届けられていない状態のため、除細動が遅れると1分ごとに7~10%ずつ生存率が低下していくと言われています。AEDによる除細動で心臓が再び動き蘇生できたとしても、後遺症を発症するリスクも高いです。
これは、医療関係者だけではなく、誰でも使うことができますので、どこにあるかを把握しておき、1秒でも早く対応ができるように備えましょう。

AEDの使用手順 一次救命処置(BLS )

まず、意識のない人を見つけたら、反応や動きがあるかの確認をします。
反応や動きがなければ、次に救急車の手配、AEDの手配、人手を確保します。
顎先を上げ、気道の確保をします。呼吸の確認です。人工呼吸を2回、胸が上がる程度に行います。脈が触れるか、確認します。脈が触れなければ、直ちに心臓マッサージ30回+人工呼吸2回のサイクルで蘇生を試みます。
AEDが到着した段階で、パッドの装着を行います。AEDは、開けた瞬間に、操作方法を自動で説明してくれるはずです。パッドを着ける際の注意点として、心臓を挟むように装着すること、そして、胸毛が濃い場合は、胸毛が薄くなった状態で装着をすること。です。
AEDを装着したら、あとはAEDが自動解析を行い、除細動を行ってくれます。
その際は、感電しないよう、対象からは皆離れるようにしましょう。
上記の流れを一次救命処置(BLS )といいます。

心室細動の危険と対応のまとめ

今回は、心室細動についてお話をさせていただきましたが、一番大切なことは、直ちに治療が行われることです。
そして、もしも誰かが倒れていたときに、すぐに対応ができることです。

完璧な対応でなくてもいい、大切なことは、助けたい、その一心です

諦めない気持ち、それが誰かの命を救う第一歩になります。
誰かが倒れていたら、まずは救急車、AED、人手を手配すること。そして心臓マッサージをすること。つまりBLSが実行されること。
これが鍵になります。
誰でも、誰かの命を救える時代になっています。
この記事が、その第一歩に繋がれば幸いです。

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