高齢者虐待とは 高齢者虐待の種類・原因・多い事例と特徴

高齢者虐待の種類、虐待の原因や、多い事例・特徴、高齢者虐待を発見したときの通報先・確認方法などを紹介します。

高齢者虐待とは

高齢者虐待とは、高齢者に対する深刻な人権侵害のことです。

高齢者への虐待や介護の放棄などは昔から行われてきましたが、 介護保険制度が確立されてから高齢者虐待の問題が顕在化し始め、早期発見や対策が求められています。

昔の日本で行われていた高齢者虐待

日本がまだ貧しく食料不足が起きたり、働ける人は家族みんな働くなど基本的な人権がまだ十分に確保されていなかった時代には、介護が必要な状態になった高齢者は家庭の重荷となるので援助することを放棄するということがありました。本当にあったかはわかりませんが、年老いた親を山に捨てに行くと言う姥捨て山と言う話も聞いたことがあるかと思います。日本には儒教の教えが根付いているので、高齢者や年配の方を敬い大切にするという文化があります。同時に高齢者自身も尊厳を保つがゆえに老いた無様な姿を見せないように自ら社会と距離を置く、引きこもり寝込むという傾向が昔からあったような印象です。
日本に限らず、 ヨーロッパなどの国々などでも経済不況や食糧不足などで高齢者や病人などの援助を切り捨てた政策を取ったという時代もありました。

高齢者虐待の種類

高齢者に対する虐待の種類は大きく分けると5種類に分けることができます。

身体的虐待

身体的虐待とは、高齢者のことを殴る、蹴るなど、体に暴行を加える行為です。身体的虐待により打撲痕が残ったり出血したりすることもありますが、 痕跡が残らない形で虐待を行っているケースもあります。 身体的虐待は暴行だけでなく、手足を縛ったり部屋に閉じ込めるなどの身体拘束や、外部との接触を遮断する行為、食べ物などを無理やり口に入れるなどの行為も身体的虐待にあたります。

性的虐待

性的虐待とは、本人との間で合意がないのに性器に触れる、性的な部位に触れさせるなどの行為のことです。尿失禁や便失禁をしてしまった罰として上半身を露出したまま放置するなどの行為も性的虐待にあたります。

心理的虐待

心理的虐待とは、高齢者に対して暴言、侮辱の言葉、 威圧的な態度、拒否的な対応など、 高齢者に対して精神的に苦痛を与える言動のことです。高齢者を子供扱いして侮辱したり、無視をしたり、意図的に高齢者が恥をかかせ自尊心を傷つける行為なども心理的虐待に該当します。

介護の放棄(ネグレクト)

介護の放棄とは、高齢者の介護や生活上の世話を行っている人が、その役割をやめてしまい介護が必要な高齢者を放置してしまう行為です。 意図的に介護を放棄してしまう場合もあれば、介護者が疲弊して限界に達し結果的に介護の役割を放棄してしまったというケースもあり、ネグレクトとも呼ばれ問題視されています。

経済的虐待

経済的虐待とは、高齢者本人の同意なしに財産や金銭を処分してしまったり、勝手に使用してしまったり、本人に金銭を使用させず制限させてしまったりする行為のことを言います。

高齢者虐待の原因と特徴

高齢者虐待の原因としては、介護疲れ、経済的な問題、親子関係や人間関係のもつれなどが挙げられます。介護が必要な高齢者は、社会から孤立しやすく、 自宅や介護施設の居室など密室に近い空間で虐待が行われてしまうので発見されにくく、また高齢者が仕返しした場合にはさらにエスカレートする恐怖心などもあり、顕在化しにくいという特徴があります

高齢者虐待の多い事例

高齢者虐待の事例に関する調査で、高齢者虐待の中で多いのはどんなケースか徐々に分かってきています。

  • 高齢者虐待の被害者は男性に比べ女性の方が多い
  • 認知症の方や介護度の高い方は介護者の精神的身体的負担も大きく虐待のケースが多い
  • 介護施設の虐待については、コスト削減を強調し過酷な労働環境で少ない職員で運営している場合、職員が高齢者虐待を起こすケースが多い
  • 家族が介護を行っている場合、被害者である高齢者、加害者である家族もどちらも虐待があった事実を隠す傾向が強い

高齢者虐待の通報先・通報方法・事実確認

高齢者虐待を発見した場合の通報先は市町村です。

高齢者虐待についての相談・通報受理後の事実確認は、高齢者虐待防止・養護者支援法第9条で、区市町村の役割と明記されています。市町村の担当者は、現地調査、関係機関、周囲の関係者などからの情報収集を行い、複数の職種が連携して多面的に状況を確認します。

なお、高齢者虐待・養護者支援法の成立により、高齢者の安否の確認ができず、高齢者の生命や身体の重大な危険が強く懸念される場合には、区市町村の権限として立入調査を実施することが可能となっています。場合によっては市町村は警察とも連携して虐待の事実確認を進めていきます。

もし高齢者虐待の疑いがある場合には状況を客観的に確認をすることと、地域包括支援センターもしくは介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談・連絡することが大切です。

高齢者虐待の疑いがある場合の通報先は市町村であり、事実確認をするのは市町村の役割であるため、自身で無理に介入して状況を探りすぎないことや、業務上知った情報や秘密は他言しないことなどを気をつけてください。

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