介護予防に自立を目標、何が障害?問題志向型アプローチと予後予測で余生の質アップを!
近年、介護保険におけるサービスの質向上を考えるとき、「介護度進行予防」と「問題志向型アプローチ(目標指向型アプローチ)」という言葉をよく聞くようになりました。
私は医療人・リハビリ職としてはやや違和感があるこの言葉ですが、どちらもヘルスプロモーションの概念がベースにあり、プロセスを意識して健康づくりしましょうというもののようです。
介護予防と言われると、いまだに「体操」「体の機能訓練」が一般の認識ですが、改めて「自立度」「障害」についてざっくり考えてみたいと思います。
また、問題点を意識した介護アプローチするに当たって、将来・余生にまで視野を広げたかかわりができるように、予後予測という考え方もやんわりと記載していきます。
このページの目次
自立とは
一般的な自立
–自由にできるお金がある(経済的)
–自分ひとりで日常の行為や家事・活動をできる(活動的)
–誰かに頼らず、自己決定して生きている(精神的)
自立の反対は依存
–誰かの金銭援助・補助で支えられている
–誰かの言われるがまま、されるがままになっている
–誰かの助言や決定なしでは生きれない
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自立と障害の関係
「障害」は身体面だけじゃない!
–障害は、障害物競走のように、進行する途中にある邪魔物のこと
「障害」は心理面にも!
–障害は、トラウマ、恐怖、未知の領域、他人の目、前例がない など、心理的な邪魔のことも
「障害」は、避けれる環境なら障害にならず!
–障害は、創意工夫や社会福祉サービスの利用など、穴埋めや代償ができれば障害にならないことも
自立支援のための問題抽出
今後出現する障害を予測
介護予防の効果を高めるために
–今後生活を続けていく中で現れる可能性がある身体面、精神面、社会面、環境面の問題を予測して、その障害が現れないように調整する。
–障害があらわれることが確実な場合は、その障害を避けて代償できる手段を考えておく。
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予後予測と医療
医療では、たくさんの症例や臨床データからどのような経過をたどったかを示している
大腿骨骨折の例
–手術して、患部が順調に良くなれば2ヶ月くらいで多少歩行できてくる
脳卒中の例
–後遺症の程度や受傷部位によるが、半年くらいは麻痺自体の回復の可能性がある。その後も別の部分の機能でおぎなっていける
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骨折と予後予測、リハビリ・機能訓練
骨折に関して言えば、骨折の部位や手術の方法で骨が癒合するまでの期間、力を入れてよい時などは、およそ予測可能になっている。
自立支援の視点
- 拘縮、筋力低下、肺炎などの合併症や機能低下を防ぐ
- 病院慣れさせない
- トイレ動作、入浴、歩行など、実生活で行わなければならない動作や活動を取り入れる
- 今まで続けてきたことや、意欲を持っていることに取り組むための支援をすることまで含めて考える
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予後予測(将来の余生プラン)と自立支援
問題点把握と予後予測なしの自立支援はダメ!
予後予測という言葉について、医療ではよく使われるのですが「将来どうなるか」という意味です。
ICFでその人全体をありのままに考えるようになりましたが、将来という視点ではICIDH時代の問題点抽出手法も役に立ちます。
どちらの考え方も、長所短所を留意しておけば有効活用できます。
疾患(病気・怪我)特性
整形外科系、中枢神経系、循環器系、呼吸器系など、それぞれ疾患によって弱っている部分がある
医師・看護師・療法士と相談して将来どのような経過をたどるのか、その症状、その期間、予防方法などを相談する
個人特性
性格、年齢、仕事、社会的役割、今までのADLの変化など、個人の経歴や生活歴による特性
環境要因
建物や住環境の状態、介護する人の力量や頻度、世間体、所属しているコミュニティの風習
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問題点を意識しつつ、利用者全体を見て、余生のQOLも考える
ここではいろいろな視点、考え方をうわべだけ紹介しました。今まで見ていなかった部分を見るようになると、今までの関わり方とがらりと変わるかもしれません。
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