不整脈の治療法と2種類の徐脈(洞不全症候群、房室ブロック)
 

不整脈の治療法、2種類の徐脈(洞不全症候群、房室ブロック)とペースメーカーについて。
徐脈(正常よりも遅い脈)に対する治療はどのように行うのかについて解説します。
ペースメーカーについて先に知りたいときは以下の記事で!

「徐脈」とは何か

通常ヒトの心臓は1分間に50~80回程度動いています。 これを心拍数といい、いわゆるバイタルサインの『』になります。
しかし、何らかの原因で脈が遅くなってしまったり、速くなってしまったりすることがあります。

脈が1分間に40回以下になっている状態を徐脈

脈が1分間に40回以下になっている状態を徐脈といいます。心臓は、全身に必要な血液を巡らせる大事な役割を担っています。徐脈になると、心臓の動く回数が減ってしまいます。
つまり、徐脈になると必要な血液が体に巡らず、その結果必要な酸素も巡らず、めまいや失神といった症状を引き起こします。

徐脈は洞不全症候群、房室ブロックの2種類

また、徐脈には2種類あります。簡単にご説明します。 1.洞不全症候群 2.房室ブロック の2つがあります。

洞不全症候群 の徐脈・不整脈 電気刺激が作れない

心臓伝導系で不整脈、徐脈を知る 洞房結節・房室結節・ヒス束・右脚・左脚
心臓伝導系で不整脈、徐脈を知る 洞房結節・房室結節・ヒス束・右脚・左脚
洞不全症候群は、心臓の洞房結節という部位の異常によって起こります。

洞房結節(洞結節)って?

洞房結節は心臓内に規則的な電気刺激(心臓の興奮刺激)を作る発電所のような役割を持っています。
何らかの原因で洞房結節の働きが低下すると、『電気刺激を作れない』『電気刺激を作ったのにうまく伝わらない』『規則正しい電気刺激を作れない』という状態となり、徐脈となります。

房室ブロック 徐脈・不整脈 電気信号が伝わらない

房室ブロックは、刺激を伝える刺激伝導系の中継地点である房室結節の働きが低下して『必要な電気信号を上から下に伝えられない』状態です。
房室ブロックは程度によって4つに分けられます。

4種類の房室ブロック

  • Ⅰ度房室ブロック
  • Ⅱ度房室ブロック(モービッツ型)
  • Ⅱ度房室ブロック(ウェンケバッハ型)
  • Ⅲ度房室ブロック

簡単にご説明します。

Ⅰ度房室ブロック

Ⅰ度房室ブロックは、房室結節からの刺激の伝導が遅くなり、次の心臓の拍動まで時間がかかります。

Ⅱ度房室ブロック(ウェンケバッハ型)

Ⅱ度房室ブロック(ウェンケバッハ型)は、一部の刺激の伝導が少しずつ遅くなり、やがて脈が飛びます。

Ⅱ度房室ブロック(モービッツⅡ型)

Ⅱ度房室ブロック(モービッツⅡ型)は、刺激の伝導の間隔は変わらないものの、突然に脈が飛びます。

Ⅲ度房室ブロック

Ⅲ度房室ブロックは、心臓の上から下(心房から心室)への連絡が完全に遮断され、心房と心室がそれぞれに脈を作っている状態です。

徐脈を持つ人々の救世主、ペースメーカー

これを踏まえて、もしも徐脈になったらどうやって治療すればよいのか?は以下の記事で!