遺言書の効力 法務局で保管・パソコン文書も一部可能(2019年)

 

2019年7月から順次「遺言」や「遺産相続」の法律が変わっていることを知っていますか?

遺言書の種類などを紹介したうえで、2019年の法律施行日以降に、遺言書の財産目録をパソコン文書や通帳のコピーを添付可能になること、法務局での自筆証書遺言の保管制度の創設され、家庭裁判所の検認が不要になることなど、遺言書の新制度について紹介します。

遺言とは

遺言とは、自分が死亡したときに財産をどのように分配するか等について、自己の最終意思を明らかにするものです。遺言がある場合には、原則として、遺言者の意思に従った遺産の分配がされます。
また、遺言がないと相続人に対して財産が承継されることになりますが、遺言の中で、日頃からお世話になった方に一定の財産を与える旨を書いておけば(遺贈)、相続人以外の方に対しても財産を取得させることができます。このように遺言は、被相続人の最終意思を実現するものですが、これにより相続をめぐる紛争を事前に防止することができるというメリットもあります。また、家族の在り方が多様化する中で、遺言が果たす役割はますます重要になってきています。

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遺言書の種類・方式

遺言書の種類には、主に自筆証書遺言公正証書遺言があります。

自筆証書遺言(手作りの遺言書)

自筆証書遺言は、軽易な方式の遺言であり、自書能力さえ備わっていれば他人の力を借りることなく、いつでも自らの意思に従って作成することができ、手軽かつ自由度の高い制度です。2019年1月施行の立法により、財産目録については自書しなくてもよくなり、また、法務局における保管制度も創設され、自筆証書遺言が更に利用しやすくなります。

公正証書遺言(公証人・専門家を交えて作成する効力の高い遺言書)

公正証書遺言は、法律専門家である公証人の関与の下で、2人以上の証人が立ち会うなど厳格な方式に従って作成され、公証人がその原本を厳重に保管するという信頼性の高い制度です。また、遺言者は、遺言の内容について公証人の助言を受けながら、最善の遺言を作成することができます。また、遺言能力・効力の確認なども行われます。

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2018年7月に改訂された相続法制の見直しの概要

今回の改正では、高齢化や社会の変化に対応するために、相続法に関するルールを大きく見直しています。この記事では、「民法(相続法)改正 遺言書保管法の制定 ~高齢化の進展等に対する対応~ 相続に関するルールが大きく変わります【作成:法務省】」を参考にまとめております。

2019年/2020年から施行される遺産相続・財産分与等についての制度変更については、「相続法制・遺産相続・生前贈与手続きの新制度【2019/2020年版】」の記事で詳しく解説しています。

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遺言書の自筆証書の方式緩和 施行日:2019年1月13日(日)

以前の制度の遺言書は全文を自書する必要がありました。2019年の新制度では、自筆証書遺言についても、財産目録については手書きで作成する必要がなくなります。(財産目録の各頁に署名押印をする必要があります。)
遺言書の本文については、これまでどおり手書きで作成する必要があります。

遺言書の財産目録をパソコン文書や通帳のコピーを添付可能となる緩和改正とは

パソコンで目録を作成、通帳のコピーを添付などで財産目録を添付することが可能になります。土地や建物などをパソコンで記載した財産目録にも、自書署名・押印をしなければならないので偽造は防止できると考えられています。

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法務局での自筆証書遺言の保管制度の創設について 施行日:2020年7月10日(金)

自筆証書遺言を作成した方は、法務大臣の指定する法務局に遺言書の保管を申請することができます。作成した本人が遺言書保管所(法務局)に来て手続を行う必要があります。保管の申請の対象となるのは、自筆証書による遺言書のみです。

法務局における遺言書の保管等に関する法律(施行日:2020年7月10日(金))の概要

遺言者の死亡後に相続人や受遺者は、全国にある法務局内の遺言書保管所で、遺言書が保管されているかどうかを調べること(「遺言書保管事実証明書」の交付請求)、遺言書の
写しの交付を請求すること(「遺言書情報証明書」の交付請求)ができます。遺言書を保管している遺言書保管所において遺言書を閲覧することもできます。

遺言書保管所で遺言書を保管 家庭裁判所の検認が不要

法務局の遺言書保管所では、本人確認の上、法務局の事務官が遺言書の方式の適合性(署名、押印、日付の有無等)を外形的に確認します。その後、原本を法務局で保管・電子化して画像データとして保管されます。遺言書保管所に保管されている遺言書については、家庭裁判所の検認が不要となります。遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付がされると、遺言書保管官は他の相続人等に対し、遺言書を保管している旨を通知します。遺言書の保管の申請は、遺言者の住所地・本籍地・遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所(法務大臣の指定する法務局)の遺言書保管官(法務局の事務官)に対してすることができます。

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遺言書に記載のない財産の相続は可能?

遺言書に記載されていない財産も相続は可能です。ただし、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がどの財産を引き継ぐかを決める必要があります。遺言書から漏れた財産は一旦相続人全員で共有されますが、共有のままでは不動産の名義変更や預金の引き出しなどができません。相続人がひとりの場合は、協議の必要はありません。遺産分割協議では全相続人の合意が必須で、法定相続分とは異なる分配も可能ですが、遺留分への配慮が必要です。協議後は遺産分割協議書を作成し、相続手続きを進めます。

参考:遺言書に記載のない財産は相続できる?記載漏れの際の対処法を解説 │ 弁護士保険STATION

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高齢になる前から遺産の相続や、生前の財産の取り扱いを考えて

高齢になると、認知症になったり、相続人である家族と疎遠になってしまって交流が減ったり、現代でいろいろな課題があり、相続法制が変わったりして対応しています。それらと関連して、認知症や意識が低下してしまって正確な判断力が失われてしまった際に、自分の財産をどのように管理していくかや、自分の生活に必要な契約行為などを誰にお願いしたらよいかなどを「成年後見制度」という制度を活用して、成年後見人に費用を払って代理で行ってもらうということも進められています。詳しくは「成年後見制度とは 費用(報酬)・契約と代理・同意・取消の権利」の記事で紹介しています。

 

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