介護職員による喀痰吸引・経管栄養の実施 事務手続き・必要書類

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2011年に介護保険法が改正され「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則の一部を改正する省令」の交布により、「介護福祉士による喀痰吸引、経管栄養の実施等の措置」が講じられました。この省令の公布前は、喀痰の吸引や経管栄養は医療行為に該当するため医師法などで医師や看護職員のみが実施していたのですが、一定の研修を受け条件を満たしていれば資することが可能になりました。

「認定特定行為業務従事者」ー喀痰吸引・経管栄養を実施可能な介護職員とは

喀痰の吸引や経管栄養の医療行為を介護職員が実施することにあたっては、利用者の身体へのリスクを伴う行為であることを自覚し安全を確保するために「介護福祉士及び一定の追加的研修を修了した介護職員のみが実施可能である」とされています。(介護福祉士の有資格者は、平成27年度(平成28年1月の国家試験合格者)以降が対象。喀痰吸引・経管栄養の一定の研修を資格取得カリキュラムの中で習得しているため。)

この喀痰吸引等の業務の登録認定を受けた従事者のことを「認定特定行為業務従事者」といいます。

喀痰吸引・経管栄養の基本研修(講義)の審査

基本研修(講義)については、筆記試験により、研修受講者が喀痰吸引等を安全に実施するための知識を修得していることを確認するテストがあります。

総正解率の9割以上を合格とし、演習は合格者に対し行うものとなっています。また、筆記試験の総正解率が一定水準に満たなかった者(テストに不合格の者)に対しては、再度、講義の全課程を受講させることが基本研修(講義)の審査方法です。

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喀痰吸引・経管栄養の業務を行う介護職員等の範囲

  • 介護福祉士(具体的なカリキュラムは省令で定める)
  • 介護福祉士以外の介護職員等(一定の研修を修了したものを都道府県知事が認定。認定証の交付は都道府県が登録研修期間に委託可能)

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介護福祉士及び一定の研修を修了した介護職員が実施可能な行為

たんの吸引やその他の日常生活を営むのに必要な行為で、医師の指示のもとに行われるものです。

痰の吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)

経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)

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喀痰吸引・経管栄養の業務を行う登録事業者登録

介護職員等が、喀痰吸引・経管栄養の業務を行う自らの事業の一環として、たんの吸引等の業務を行う者は、事業所ごとに都道府県知事に登録が必要です。

登録の要件

  • 医師、看護職員等の医療関係者との連携の確保
  • 記録の整備その他安全かつ適正に実施するための措置
  • 具体的な要件については省令で規定

※ 登録事業者の指導監督に必要な届出、報告徴収等の規定を整備。

対象となる介護施設・介護事業所などの例

  • 介護関係施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、有料老人ホーム、通所介護、短期入所生活介護、等)
  • 障害者支援施設等(生活介護、グループホーム、等)
  • 在宅(訪問介護、重度訪問介護、等)
  • 特別支援学校

※医療機関は対象外

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喀痰吸引等の提供に必要な体制

喀痰吸引等の提供に必要な体制としては、喀痰吸引・経管栄養の業務を行う登録事業者として事業所ごとに都道府県知事に登録することと合わせて、施設・在宅どちらにおいても医療関係者との連携の下で安全に実施される「喀痰吸引等」の提供体制を構築することが必要です。医療関係者を含むケアカンファレンスなどの体制整備、そのほかヒヤリハット事例の蓄積や分析体制など安全確保の体制づくりに努めましょう。

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喀痰吸引等の提供に必要な書類の参考様式

医師の指示書

喀痰吸引などの実務に際し、医師の文書による指示を受けること。

「喀痰吸引等業務(特定行為業務)計画書」の作成

対象者の状態に応じ、医師の指示を踏まえた喀痰吸引等の実施内容を記載した計画書を作成。喀痰吸引などの実施状況を記載した報告書を作成し、医師に提出。

 

対象者本人や家族への説明と同意書等

喀痰吸引等業務(特定行為業務)の提供に係る同意書の様式などを使用して、提供内容提供体制について利用者本人や家族へ説明と同意が必要です。

「喀痰吸引等業務(特定行為業務)報告書」の作成

喀痰吸引などの実施状況を記載した報告書を作成し、医師に提出が必要です。

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その他の医療的ケアについて

この記事では、介護職員が喀痰吸引・経管栄養に関わる業務を行うことについて、ポイントを紹介しました。実際介護の分野で仕事をしていると、これは医療行為なのかな?私がやってもいい仕事なのかな?と迷うことが多く出てくると思います。グレーゾーンの多い仕事ですが、自分の身を守る意味でも、ご利用者を守る意味でも、どこまでは介護として行えるのか、何をすると医療行為になってしまい不適切なのかを整理して考えておきましょう。

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