氷河期世代とは?特徴と年齢、何歳が見捨てられたのか、そのツケや理由

いわゆる「就職氷河期世代」とは、バブル経済崩壊後の日本において、極端な雇用難の時代に社会に出た世代を指します。

就職氷河期世代は2025年現在、40代半ばから50代前半になっており、長年にわたって就労機会を制限された結果、社会保障、経済、介護、医療など様々な面で「見捨てられた世代」として語られています。

本記事では、氷河期世代の定義、形成の社会的背景、社会的影響、この世代の特徴、そして現代において「ツケ」として現れている問題について、統計と社会学的視点を交えて解説します。

氷河期世代とは?

氷河期世代は、1990年代初頭のバブル経済崩壊をきっかけに生まれました。

経済の失速により企業の新卒採用が大幅に縮小され、1993年頃から2004年頃に就職活動をした世代が正規雇用に就けず、非正規やフリーターとして社会に出ることを強いられました。当時の日本は「新卒一括採用・終身雇用」が前提の雇用慣行であり、一度正社員の道を逃すと再挑戦が困難でした。長引く景気低迷と支援策の不備が、氷河期世代の社会的な孤立と不安定な就労を固定化させる結果となりました。

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氷河期世代とは何年生まれか?年齢は何歳?

氷河期世代の定義は、厳密には行政によって多少の幅がありますが、一般的には1970年頃から1982年頃に生まれた世代とされています。この世代が高校卒業・大学卒業を迎えた1993年から2004年頃が、就職氷河期と呼ばれる期間です。

生年(西暦) 就職活動期(大学卒業時) 2025年時点の年齢
1970年 1993年頃 55歳
1975年 1998年頃 50歳
1980年 2003年頃 45歳
1982年 2005年頃 43歳

この世代は、バブル崩壊後の景気後退によって企業の採用意欲が急激に低下した時代に社会へ出たことから「氷河期世代」と呼ばれるようになりました。

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なぜこの世代だけが厳しい時代に晒されたのか、社会背景

1990年代初頭、日本はバブル経済の崩壊を迎え、株価や不動産価格が急落し、企業は人件費削減と採用抑制に動きました。1993年の大卒求人倍率は1.1倍にまで落ち込み、2000年には1.0倍を割り込む事態となりました。景気が回復基調に転じるまでに10年超を要し、その間に学生時代を過ごしたこの世代は、新卒での正規雇用の機会をほとんど得られないまま社会に出ることを強いられました。

日本における雇用慣行は、新卒一括採用・年功序列型賃金・終身雇用を前提としていたため、一度レールから外れると正規雇用に戻ることは困難です。その結果、非正規労働者として就労を続けるしかない人が多く、経済的・社会的な基盤を築くことが困難になりました。

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氷河期はなぜ終わったのか

就職氷河期が終わったのは、2000年代半ば以降に企業の採用意欲が徐々に回復したためです。

バブル崩壊後の長期不況で新卒採用を控えていた企業は、団塊世代の大量退職や景気回復を背景に、再び若手人材の確保に動き始めました。特に2005年以降は求人倍率が上昇し、大学生の就職率も回復傾向に入りました。また、政府の雇用政策や労働市場の柔軟化も影響し、新卒に対する門戸が再び広がったことで、いわゆる「氷河期」は事実上終わりを迎えたとされています。

ただし、それはあくまで新卒市場の改善であり、氷河期世代自身の就職環境が劇的に改善したわけではなく、すでに社会に出ていた氷河期世代は引き続き不安定な雇用やキャリアの断絶に悩み続ける状況が続いています。

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氷河期世代が「見捨てられた世代」とされる理由

この世代が「見捨てられた」と表現されるのは、単なる就職難にとどまらず、その後の政策的な支援が不十分だったことにあります。たとえば就職氷河期支援策は2003年以降ようやく整備され始めましたが、その頃にはすでに社会に出てから10年が経過しており、多くの人々がスキルやキャリアの形成機会を失っていました。厚生労働省の「就業構造基本調査(2022年)」によると、氷河期世代の非正規雇用率は約25%に達しており、他世代よりも高水準です。

さらに、結婚や出産といったライフイベントの達成率も低く、経済的困難と社会的孤立を抱える傾向があります。総務省の調査では、氷河期世代の単身率は45歳以上で4割を超えており、今後の介護や老後の生活に不安を抱える層が多いことが示唆されています。

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「氷河期世代を見捨てたツケが回ってきている」とはどういう意味か?

氷河期世代が若年期に適切な雇用・社会保障制度に組み込まれなかったことは、現代の社会保障制度や介護現場に深刻な影響を及ぼしています。氷河期世代は非正規雇用や単身者など、年金受給額の基礎となる厚生年金加入期間が短い人が多く、将来的に生活保護に頼らざるを得ない高齢者が増えると見込まれています。

また、介護や子育ての担い手としての社会的機能も十分に果たせなかった世代であるため、出生率や地域社会の持続性にも負の影響を与えています

たとえば厚労省の将来推計では、2040年までに生活保護受給者の高齢層比率は50%近くに達するとされており、その中核に氷河期世代が含まれると予測されています

この「ツケ」は、個人だけでなく社会全体が負担を求められる問題であり、今後の福祉政策や地域包括支援システムの中核課題となるでしょう。

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就職氷河期世代の方々への支援(厚生労働省)

支援分野 内容 特徴
専門相談窓口 ハローワークに専門窓口設置(2024年度以降、対象を35~59歳へ拡大) (mhlw.go.jp) キャリアカウンセリング、書類添削、模擬面接の実施など
職業訓練支援 離職者・求職者向け訓練(ハロートレ等) 月額10万円の給付付き訓練で、資格取得や実務スキル習得支援
若者サポートステーション(サポステ) 個別相談・就業体験・マナー研修など 職場定着支援フォローあり、専門カウンセターチームがサポート
社会参加支援 ひきこもり地域支援センターや自立支援機関で相談・居場所づくり 就労以外の社会関与へも支援範囲を広げる
助成金制度(企業向け) 特定求職者雇用開発助成金(安定雇用コース)、トライアル雇用助成金、キャリアアップ助成金など 企業が正規雇用または試行雇用する際に最大60万円支給、訓練付きでは1.5倍助成も
地域ネットワーク整備 都道府県別プラットフォーム設置、自治体・関係機関と連携 地域ぐるみでの相談窓口・事業パッケージ化を推進
広報・情報提供 支援サイト刷新、リーフレット・動画公開 有名キャラクター起用やSNS広報を活用し認知向上に注力

就職氷河期世代への支援は、ようやく国が本腰を入れたとも言えますが、その中身を見ると懐疑的な声も少なくありません。特に目立つのは、企業への助成や訓練事業者への補助が中心であり、氷河期世代本人への直接的な金銭的支援や生活保障が乏しい点です。政府はリスキリングやチャレンジ的な採用などに力を入れているのはわかりますが、研修事業を行う企業や自立支援などの組織への補助を行う内容も多く、この点でも氷河期世代を利用して他の事業を行う人たちが潤うような仕組みになってしまっているように感じます。土曜日よ

雇用機会が拡大しても、年齢や職歴の壁、過去の不遇体験から応募自体に踏み出せない人も多くいます。また、訓練を受けたとしても本当に雇用に結びついているのか、成果の検証も十分とは言えません。

「支援」という名のもとに制度が整備されていても、それが現場でどれだけ本人の実益に繋がっているのかを見極める視点が必要です。

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氷河期世代の特徴

氷河期世代の男性の特徴

氷河期世代の男性は、1970年代から1982年頃に生まれ、1990年代半ばから2000年代前半の就職難の時期に社会に出た世代です。バブル経済の崩壊後、正社員の新卒採用が著しく抑制され、非正規雇用やアルバイト、フリーターとしてキャリアをスタートせざるを得なかった人が多くいます。このため、収入の不安定さやキャリア形成の困難さにより、結婚・住宅取得・育児といったライフイベントを経験しにくく、単身で生活している男性が多いのが特徴です。

金銭面では平均所得が他世代に比べて低く、厚生年金の加入期間が短いため、将来的な老後資金にも不安を抱える人が少なくありません。また、新卒で就活をしたときはどんなに面接を受けても内定をもらえず苦労した上、不安定な雇用の場合にはリーマンショックの時やコロナショックなどでもリストラや雇用契約の打ち切りや解除にさらされるなど、不安と不満がある状態でした。

そんな中で、自分の力で生き抜いてきた自負がある一方で、社会に対しては「見捨てられた」という無力感や不信感を持つ人も多く、政治や行政に対して厳しい視線を向ける層も見受けられます。引きこもりがちになってしまっている人がいる一方、中には「再チャレンジ」の機会を求め、資格取得や転職活動に前向きに取り組む人もおり、社会参加への意欲を持ち続ける姿勢も特徴的です。

氷河期世代の女性の特徴

氷河期世代の女性もまた、就職氷河期に直面したことで正規雇用の機会を逃しやすく、非正規やパートタイムでの就業を余儀なくされた人が多く存在します。加えて、当時の社会には依然として「結婚すれば退職」という旧来的な性別役割意識が残っていたため、結婚・出産後のキャリア継続が難しい状況にありました。結果として、フルタイムでの就労継続率や管理職登用率は現在の若年女性と比べて低水準です。

この世代の女性の特徴として、自己肯定感の低さや社会との距離感を持ちやすい一方で、地域や家庭内での役割に責任を感じやすい傾向が見られます。一人暮らしや未婚率も高く、経済的な自立が難しい中でも、節約志向の強い堅実な家計管理を行う傾向があり、ファッションや趣味も「高価より実用・快適性」を重視する傾向があります。

また、育児や介護など家庭内の無償労働を担っている女性も多く、社会に評価されにくい役割を支え続けているという側面もあります。行政サービスや支援制度への期待が高い一方で、過去に支援されなかった体験から「制度に頼れない」という不信感を抱いているケースも少なくありません。社会との再接続を望む声は根強く、地域活動やボランティア、学び直しへの関心が高まりつつあります。

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今後の支援と社会的課題

政府は近年になってようやく氷河期世代への支援に本腰を入れ始め、就労支援事業や職業訓練、自治体による伴走型支援などが広がりつつあります。しかし、制度の谷間に取り残された人々への支援は依然として不足しており、地域福祉、雇用政策、医療制度の連携が不可欠です。

就労支援だけでなく、精神的孤立や社会的排除のリスクに対して、相談支援や地域包括支援センターによる見守り体制の整備も急務です。氷河期世代が高齢期を迎える2040年に向けて、今こそ公的支援と民間連携を融合させた総合的な対応が求められています。

 

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