フレイルとは
フレイルとは、英語で老いることや虚弱を意味する英語である「frailty」を元に作られた言葉です。「加齢により、筋力や認知機能が低下し心身の活力が低下した状態」を表しています。高齢者の要介護状態の前の段階の特徴でもあるとして、フレイルの状態で適切な介入し健康に生活できる期間を延ばすことが大切と言われて注目されています。
フレイルの概念と定義
フレイルとは,加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態と理解される.実際,フレイル高齢者では日常生活機能障害,施設入所,転倒,入院をはじめとする健康障害を認めやすく死亡割合も高くなることが知られており,フレイルは,高齢者の生命・機能予後の推定ならびに包括的高齢者医療を行う上でも重要な概念である.
引用:フレイルの意義 - 日本老年医学会 荒井 秀典 (日老医誌 2014;51:497―501)
フレイルの悪循環を作る3つの要素の図
フレイルは3つの要素が関係し悪循環していると言われています。
身体的なフレイル
身体的なフレイルとは、筋力や柔軟性、バランス能力など日常生活に必要な体の機能が低下して、歩くことなどが十分にできなくなったり、 体力や気力を養うために必要な食べること、飲むことなどが十分にできなくなり低栄養や脱水などの悪影響につながる状態を言います。
精神的なフレイル
精神的なフレイルとは、何もする気にならない、とても億劫に感じるなど、生活の張り合いがなくなってしまいうつ傾向になる状態を言います。 精神的なフレイルの状態と、 その他の身体的な機能低下や社会的な要素が関わることで、 行動することや物を考える機会が減り、認知症を発症するリスクも高まると言われています。
社会的なフレイル
社会的なフレイルとは、人との付き合いが少なくなった、食事を一人で取るようになった、外に出かけたり人と関わるのが億劫になった、家に閉じこもることが多いなどの状態です。
フレイルの悪循環を避けるための予防策
フレイルには3つの要素があり、いずれかの傾向にある状態を早めに避けることが悪循環を防ぐための最良の方法です。これらのフレイルの3つ要素が密接に関わっているので、適切に予防することが大切です。フレイルの状態は、心がけていれば要介護の状態になることを防げる可能性があります。フレイルにできるだけ早く気づき、 対応しましょう。
高齢者の過保護は禁物、弱者と決めつけないで
高齢になると、一人で行動するのは危ないので見守りが必要になりますが、高齢者を過保護にしすぎるとフレイルの状態の悪循環を促進するような状態になってしまいます。
フレイルの対策として色々なことが取り組まれていますが、理学療法士として高齢者の方々と接してきた中において、やはり適度に家の外に出て歩くことが大切ではないかと思います。住み慣れた自分の家の近所を散歩したり、家の周りを掃除したり、ご近所の人と立ち話したりするような日々のごく普通な活動の積み重ねが、結果的にフレイルの3つの要素をうまく避けていること言うことにつながります。
新型コロナウイルスの影響などもあり、人と接する機会が減ってしまっています。新型コロナウイルスの感染拡大対策としては、外出をして誰かと食事をとったり、外で色々な人と関わったりする機会は避けるように言われていますが、過度に自粛をしすぎず、マスクを着用して一定の相手との距離を保った上で普段接しているコミュニティの範囲でもいいので活動を継続することが大切だと考えます。
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