団塊ジュニア世代とは?1971〜1974年生まれ・就職氷河期・かわいそうと言われる理由と2040年問題

団塊ジュニア世代とは?1971〜1974年生まれ・就職氷河期・かわいそうと言われる理由と2040年問題
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1971年から1974年の4年間に、毎年200万人以上が生まれました。これが「団塊ジュニア世代」です。

団塊の世代を親に持つこの世代は、第二次ベビーブームの担い手として期待され、第三次ベビーブームを起こすことも期待されていました。しかしその期待は、ことごとく裏切られてきました。

受験戦争、就職氷河期、給与が上がらない30年、未婚率の上昇、そして老後の年金不安。「かわいそうな世代」「不運の世代」と呼ばれるこの世代が2040年に65歳を迎えることで、日本は次の大きな転換点を迎えます。本記事では、団塊ジュニア世代の歩みと、これから日本に何が起きるのかを数字で整理します。

団塊ジュニア世代とは

団塊の世代と団塊ジュニア世代

団塊ジュニア世代とは、1971年(昭和46年)から1974年(昭和49年)に生まれた世代のことです。第一次ベビーブームに生まれた「団塊の世代」を親に持つことから、「団塊ジュニア」と呼ばれます。第二次ベビーブーム世代とも呼ばれ、内閣府の国民生活白書でもこの呼称が使われています。

4年間の合計出生数は約800万人で、最多は1973年(昭和48年)の209万1,983人です。団塊の世代の最多(1949年の269万6,638人)よりはやや少ないものの、日本の人口ピラミッドにおいて団塊世代に次ぐ「第二の突出した膨らみ」を形成しています。

出生数合計特殊出生率
1971年(昭和46年)200万5,162人2.16
1972年(昭和47年)203万8,682人2.14
1973年(昭和48年)209万1,983人(第二次ベビーブームのピーク)2.14
1974年(昭和49年)202万9,989人2.05
2024年(令和6年)約70万人(推計)約1.20

2025年現在、団塊ジュニア世代は51〜54歳です。今まさに現役世代の中核を担いながら、老後の準備と親の介護という二重の課題を抱えている年代でもあります。

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なぜ第二次ベビーブームが起きたのか

第二次ベビーブームが起きた理由は、団塊の世代が結婚・出産の適齢期を迎えたことに尽きます。第一次ベビーブームに大量に生まれた人口が、20代半ばになった1970年代前半に一斉に子供を産んだのです。

つまり第二次ベビーブームは「合計特殊出生率が上がった」から起きたのではありません。出産する女性の人数が多かったから出生数が増えただけで、出生率そのものはすでに低下傾向にありました。

1974年には合計特殊出生率が人口置換水準(2.08)を下回り、そのまま回復することなく少子化が続いていきます。

第二次ベビーブームの後には「第三次ベビーブーム」が期待されていました。団塊ジュニアが結婚・出産の時期を迎えれば、再び出生数が増えるはずだという期待です。しかし第三次ベビーブームは起きませんでした。その理由は、この世代が歩んだ「苦労の連続」を見ていけばわかります。

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「かわいそうな世代」と言われる理由

団塊ジュニア世代が「かわいそう」「不運」と言われるのは、人生のあらゆる節目で時代の逆風に直撃され続けたからです。

悲劇① 受験戦争:大学志願者の約半数が不合格

団塊ジュニア世代が大学受験を迎えた1990年前後、受験競争は史上最激化の時代でした。大学志願者数は当時と2021年でほぼ同数であるにもかかわらず、1990年の大学入試不合格率は48.3%でした。2021年の不合格率がわずか8.7%であることと比べると、その厳しさが際立ちます。

1学年200万人超という圧倒的な人数が、まだ少なかった大学の定員に押し寄せたのです。1浪・2浪が当たり前で、「大学に合格することがそもそも狭き門」という世代です。受験に失敗した経験を持つ人の割合が、他の世代と比較にならないほど高い世代でもあります。

悲劇② 就職氷河期:新卒の20〜40%が就職難民に

苦労して大学に入ったと思ったら、卒業のタイミングでバブルが崩壊しました。

バブル景気のピークは1989〜1991年。ちょうど団塊ジュニアの先頭が大学4年生になる時期です。1991年の有効求人倍率は1.40でしたが、その後急落し、1995年には0.63にまで低下しました。企業の採用は一斉に絞られ、新卒採用の枠は激減しました。

当時の新卒就職率は約60%にまで低下し、新卒生の20〜40%が就職難民になったと推計されています。「いい大学を出れば安泰」という親世代の常識が、卒業直前に音を立てて崩れた瞬間でした。

さらに1997年秋には北海道拓殖銀行と山一証券が相次いで経営破綻し、金融危機が深刻化しました。この年、団塊ジュニアは23〜26歳。就職できた人も、会社が潰れるリスクの中で働いていた時代です。

悲劇③ 非正規雇用の固定化

就職氷河期に新卒で正規雇用に就けなかった人の多くは、非正規雇用という形で社会に出ました。日本では「新卒での就職」が正社員への最も確実なルートであり、一度非正規になると正規への転換が著しく困難でした。

就職氷河期世代を対象とした調査では、現在も不本意ながら非正規で働いている人や、引きこもり状態にある人が一定数存在することが確認されています。岸田元首相も国会で「希望する就職ができず、現在も不本意ながら非正規で働いている方々や引きこもり状態にある方もいると認識している」と答弁しています。

悲劇④ 給料が上がらない30年

日本の平均給与は1992年をピークに下がり続け、その後30年以上ほぼ横ばいが続きました。これはまさに、団塊ジュニアが社会人として働いた期間と完全に重なります。

親世代(団塊の世代)は高度経済成長・バブル期に働き、年功序列で給与が着実に上がる恩恵を受けました。しかし団塊ジュニアは、就職できたとしても昇給はほぼ止まり、サービス残業が常態化した「失われた30年」の中で働き続けました。努力が報われにくい構造の中で、消耗し続けた世代です。

悲劇⑤ 第三次ベビーブームが「消えた」

人口が多い団塊ジュニアが出産年齢を迎えれば、第三次ベビーブームが起きるはずでした。しかし就職氷河期・低賃金・将来への不安が重なり、未婚率が上昇し、出産を先送りする人が増えました。

第三次ベビーブームは起きませんでした。これは団塊ジュニア個人の問題ではなく、氷河期という社会構造が生み出した必然的な結果です。結果として、日本の少子化はこの世代で決定的に加速しました。

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団塊ジュニアが今直面していること

老後の年金不安

公的年金には「マクロ経済スライド」という仕組みがあり、現役人口が減少するにつれて年金給付水準を自動的に引き下げます。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、厚生年金は実質的に約20%、国民年金(基礎年金)は約30%程度、対賃金比で給付水準が下がると想定されています。

団塊世代は年金が手厚かった時代に退職しました。しかし団塊ジュニアが老後を迎える頃には、年金水準は大幅に低下している可能性が高いのです。非正規雇用期間が長かった人や未婚者にとっては、老後の経済基盤が極めて脆弱になるリスクがあります。

持ち家率の低さと老後の住居問題

就職氷河期世代は正規雇用率が低かったため、住宅ローンを組めなかった人の割合も高く、持ち家率が低い傾向があります。賃貸住まいのまま老後を迎えた場合、少ない年金から家賃を支払い続けなければなりません。年金制度の設計上、住居費の負担は十分に考慮されていないという指摘もあります。

9060問題:親の介護と自分の老後が重なる

2040年に団塊ジュニア世代が65歳前後を迎える頃、親である団塊の世代は90歳前後になります。60代の子が90代の認知症の親を介護するという「9060問題」が多発するリスクが指摘されています。

介護と年金不安という二重の重荷を抱えながら、自身も高齢者となっていく。この世代の老後は、団塊世代が享受したような「経済的に安定した老後」とはかけ離れたものになる可能性があります。

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2040年問題:団塊ジュニアの高齢化が日本を直撃する

2040年、団塊ジュニア世代は65〜69歳に達します。これが「2040年問題」です。

第一生命経済研究所や内閣府の推計によれば、2040年には65歳以上人口が約4,000万人に達し、総人口に占める高齢者の割合は約35%と過去最大になります。65歳以上の高齢者人口が絶対数でピークを迎えるのがこの時期です。

指標2025年2040年
65歳以上人口約3,500万人約4,000万人(ピーク)
高齢化率約30%約35%
生産年齢人口約7,400万人約6,000万人
社会保障給付費GDP比約21.6%GDP比約23.5〜23.7%(推計)

2025年問題(団塊世代の後期高齢者化)と2040年問題(団塊ジュニアの高齢者化)は、別々の「ショック」ではなく、連続する一本の崖です。2025年の衝撃が冷めやまないうちに、次の波が来ます。

医療・介護の現場への影響

厚生労働省の推計では、2040年には医療・福祉分野で全労働者の18%が従事する必要があります(2018年時点では13%)。しかし同時期に生産年齢人口は2018年比で約900万人減少する見込みです。支える側が減りながら、支える仕事の需要が急増するという、構造的な矛盾が現実のものとなります。

2040年問題が2025年問題より深刻な理由

2025年問題は「後期高齢者が増えることによる医療・介護費の急増」が主な問題でした。一方、2040年問題はそれに加えて、就職氷河期・低賃金・非正規雇用という経済的に脆弱なバックグラウンドを持つ世代が高齢者になるという問題が重なります。

団塊世代は高度成長とバブルを経験し、ある程度の貯蓄と年金を持って老後を迎えました。しかし団塊ジュニアは、現役時代の収入が低く、非正規雇用期間が長く、持ち家率も低い人が多い。この世代が高齢者になることは、単純な人数的負担だけでなく、生活保護申請の急増や社会保障制度のさらなる逼迫という問題も引き起こしかねません。

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消えた第三次ベビーブームと日本の未来

団塊ジュニア世代が出産年齢を迎えた2000年代、第三次ベビーブームは起きませんでした。この世代の出生率が低かった背景には、未婚化・晩婚化があります。その根本には就職氷河期による経済的不安定があります。

人口の多い世代が「子供を産む余裕がない」状態で出産年齢を通過してしまったことで、日本の人口減少は回復不能な段階に入ったとも言えます。2024年の出生数は約70万人。団塊ジュニアが生まれた1973年(209万人)の3分の1以下です。

国立社会保障・人口問題研究所の令和5年推計によれば、日本の総人口は2070年には約8,700万人まで減少します。2045年頃には団塊ジュニア世代も90歳代となり、人口ピラミッドの第二の膨らみも消えていきます。その後に残るのは、かつての「富士山型」とも「壺型」とも異なる、底の細い逆三角形に近い構造です。

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まとめ:団塊ジュニアは何を問いかけているか

団塊ジュニア世代を「かわいそう」の一言で済ませるのは簡単です。しかしこの世代が経験してきたことは、個人の不運ではなく、社会の設計ミスが生んだ構造的な問題です。

人口が多い世代が就職市場に出るタイミングでバブルが崩壊したこと、非正規雇用に就いた人を正規に戻す仕組みが整備されなかったこと、給与が上がらない30年を放置し続けたこと。そのツケが今、未婚率・非婚化・少子化・年金不安という形で現れ、2040年問題という次の危機として迫っています。

団塊世代が「時代に恵まれた世代」だったとすれば、団塊ジュニアは「時代に翻弄され続けた世代」です。この世代が老後を迎える2040年代に向けて、今から制度設計を真剣に議論しなければ、2025年問題よりもさらに深刻な社会の崩壊が現実になります。

※本記事の数字は、厚生労働省「人口動態統計」、内閣府「日本経済2019-2020」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」、参議院常任委員会調査室「団塊ジュニアとポスト団塊ジュニアの実像」をもとに作成しています。

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