「ついのすみか」という言葉は、人生の最期を過ごす住まいを意味します。多くの人が老後の生活を見据えて、最適な住まいを探していますが、その選択は重要です。本記事では、「終の棲家」の意味や選び方について詳しく解説し、マンションや平屋、高齢者向け住宅などといった場所は通過点で、その先にある本当の最期を迎えられる場所の対策方法を紹介します。安心して最期を迎えるためのポイントもお伝えします。
このページの目次
終の棲家とは?
「終の棲家」(ついのすみか)は、人生の最後を過ごす住まいを意味します。この言葉は、「終焉の地」とも関連し、最期を迎えるための居場所として重要視されます。一般的には、退職後や老後に選ぶ住まいを指し、快適で安心して過ごせる場所として選ばれることが多いです。
終の棲家の意味・定義
終の棲家とは「人生の最後を過ごす住まい」という意味ですが、いろいろな老人ホームなどで「終の棲家」という表現で、介護が必要な状態でも最期の看取りまで対応するということを売りにしてパンフレットなどにも掲載していた時期がありました。
老人ホームの実態としては、入居している方の行動が他の入居者や従業員に危害を及ぼす場合や、通常の介護方法や接遇方法ではその状態を防止できない場合には入居契約を解除することがあるというようなことが入居時の説明などであると思います。このような条件の場合には、終身に渡って入居者が居住できるわけではないということで、消費者庁は「終の棲家として暮らせる」という表現をしていてた老人ホーム運営会社に対して景品表示法に違反するとして改善の命令が出されました。
「終の棲家」という表現の注意点とは?わかりやすく解説
このような背景があることから、「終の棲家」は介護が他の人以上に必要な状態になったとしても、退去させられることなくそこで生活する権利が保証されているような場所でないとならないという認識が広まりました。広告やパンフレットに綺麗な言葉を並べがちな老人ホームや介護業界にとっては大きな出来事でした。
終の棲家と看取り介護
「終の棲家」とは、人生の最期を過ごす住まいを意味し、老後の安心を求める多くの人々にとって重要なテーマです。しかし、実際に最期まで住むためには、看取り介護に対応してくれる介護事業者か、最期の時間を支えてくれる家族や有志などが必要です。看取り介護とは、終末期にある高齢者のケアを指し、身体的なケアだけでなく、精神的なサポートも含まれます。しかし、現実には多くの介護施設や事業者が看取り介護を提供をしてはいても、息を引き取るまで見てくれる施設や事業者は限られています。これにより、最期の住まいを選ぶ際には、看取り介護の対応状況を慎重に確認することが求められます。
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終の棲家の選択肢
不動産屋さんは、「終の棲家として・・・」というセールストークで不動産を売りがちですが、実際、マンションや平屋の一軒家などで、介護が必要になっても生活を続けられるのかという観点で考えてみてください。また、もし介護が必要になって生活できなくなった場合にその不動産を売却したりする際の資産価値や売却方法などもリアルに考えてみましょう。
マンション
マンションは、利便性が高く、セキュリティが充実している点が魅力です。エレベーターが完備されているため、足腰に不安がある方でも安心して生活できます。また、管理人やコンシェルジュが常駐しているマンションも多く、緊急時の対応も期待できます。最新のマンションでは、バリアフリー設計が標準となっており、段差のない生活空間が提供されています。さらに、共用施設としてフィットネスジムやプール、ラウンジなどが備わっていることも多く、アクティブな生活を楽しむことができます。ただし、不動産価格は高騰しており、マンションを購入するにも資金が十分にないと厳しい状況となっています。また賃貸マンションの場合には高齢者に対して賃貸することには消極的です。
平屋の一軒家
平屋は、段差がなく全ての部屋が同じ階にあるため、バリアフリー設計が自然に取り入れられています。高齢者にとって移動が楽で、日常生活での転倒リスクが少ないのが大きなメリットです。平屋は敷地を広く使うことができ、庭やテラスなどのアウトドアスペースも確保しやすいです。自然と触れ合ったり、家庭菜園や盆栽などをしながら生活することで、リラックスした時間を過ごすことができます。みんなが憧れる老後生活の形ですが、体が弱ったり病気になったりした時には訪問介護などを利用して生活することになりますので、そのような状態になっても家で生活が可能なのかについてはリアリティをもって考えておく必要があります。別に2階建ての家でも良いのですが階段の上り下りが難しくなるので足腰が弱ってきた時には1階だけでの生活になると思います。一軒家の注文住宅を考える人も、家を建築するハウスメーカーの営業さんも、終の棲家として家を考えていますが、実際介護が必要になったときに本当にその家で最期を迎えることができるかと考えると結構難しいものです。
高齢者向け住宅や老人ホーム
高齢者向け住宅は、要介護の認定を受けていない状態でも入居できる場所もあります。特に一人暮らしの場合には、孤立することなく同年代の人に囲まれて生活できるという点で高齢者向け住宅は介護が必要でない状態でも選ばれることが増えてきています。高齢者向け住宅は、見守りや相談、食事などのサービスが受けられることが多い点が特徴です。スタッフが24時間体制で常駐している施設もあり、必要なときに適切なケアを受けることができます。
ただし、高齢者向け住宅や老人ホームは、日常的に介護が必要になったときもそこで生活を続けられる「終の棲家」であるかというと、ほとんどの場合はそうではありません。寝たきりや医療的な対応が必要になったりした場合などには、高齢者向け住宅での生活は難しくなり、別の重度の人の介護も対応できる介護施設などに移らないとならなくなります。
高齢者向け住宅と言うと老人ホームと混同してしまう方も多いと思いますが、普通に自立して生活している人も入居しており、お昼ご飯は外食に行ったり、近くのスーパーで買い物をしてきたりと、普通の住まいに住んでいる時と同じような暮らしができる高齢者向け住宅もたくさんありますので、「終の棲家」としてではなく、最期を迎える前に自分である程度動いてできる状態の時の住まいとして考えるのが良いでしょう。
特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホームなどの介護施設
現実的には、在宅生活が難しくなったときに看取りまで対応してもらおうと思うと、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホーム、介護医療院などの介護保険施設が最も現実的です。要介護5の人もたくさん入居していますし、基本的には終身型で最期まで生活できます。ただし、あくまでも介護施設なので、事前に十分に延命などはしないでほしいことを往診や訪問診療を担当する主治医などとも話し合って書面などで明確にして信頼関係を築けていないと緊急時に救急車で運ばれて最期は病院で迎えることになってしまうということもあります。人の命をその場所で終える、看取るという判断や責任は、介護施設側としても重大なものなのです。
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最期を迎える場所の選び方
自分のライフスタイルに合った場所を選ぶ
最期を迎える場所を選ぶ際には、自分のライフスタイルに合った住まいを選ぶことが重要です。都市部での便利な生活を重視するならマンション、自然に囲まれた静かな環境を好むなら平屋、といったように、自分の価値観や生活スタイルに合った場所を選びましょう。
介護が必要になったときのリアルな状況を想像して考える
マンションの場合でも一軒家の場合でも、どんなにバリアフリーの設計で自分の動きやすい間取りであったとしても、ベッドから自分で起き上がることもできず、一歩も動けないような状態になったりしたら、やはり自宅での生活を継続するということはなかなか難しくなります。自宅で最期を迎えるということは理想ですし、訪問介護や訪問看護、往診などを組み合わせて、自宅で看取ってもらうということもできなくはないですが、地域によってそのような対応ができる介護事業所などがあるかは異なります。特に一人暮らしの場合で、身寄りがない場合には、自宅で動けなくなって、広い家に遺品もどっさりあるような最期はあとあと大変です。終活という言葉が一時期はやりましたが、終の棲家を考えることも終活の一環ですし、合わせて身の回りのことも整理して、なるべくコンパクトに要介護状態を迎えられるように準備しましょう。
資産を売却することも含めて資金計画を早めに立てる
持ち家の場合、介護が必要になってから慌てて自宅やマンションを売却しようと思うと、不動産屋さんに足元を見られてしまい相場よりも安く売らなくてはならなくなってしまいます。かと言って自分で任意の価格をつけていつか売れるんではないかと待っているとどれぐらいで売れるかわからないという心配も出てきます。リバースモーゲージという方法もありますが、この形式は不動産屋さんが利益を上げるために作り出した仕組みなので不動産の価値はかなり安く見られてしまいますし、自宅を担保に資金を借りるのですが、自宅の評価額が下がった場合には借りている資金を返すような契約になっているなど、売主が負うリスクやデメリットが大きいです。
終の棲家はほぼ老人ホーム、老後の健康なうちに好きな場所に住み整理する
ここまで紹介してきたように、「終の棲家」というのは、どんな状態になっても最期まで看取ってもらえる場所なのです。もし自宅で看取ってもらうことを考えるならば、まだ元気なうちにかなり準備が必要ですし、家族がいるのであればしっかりと意思表示をしておくことと、様々な場面で家族に助けてもらわなくてはならないので良好な関係を築いて、自分の財産や遺品になるようなものも整理をしてコンパクトにしておかないと迷惑がかかります。
一人暮らしで頼れる親戚などもいないような状態の場合には、一人の人を看取るということに対応してくれる介護事業所があるのかから自分で調べておく方が良いです。介護報酬の引き締めが厳しくなって訪問介護事業所は経営が大変になっていますし、看取りの対応をすると少し介護報酬の上乗せはあるとはいってもかなり負担がかかるのでなかなか引き受けてもらえない場合もあります。
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まとめ
「終の棲家」は、人生の最後を過ごす重要な場所です。マンション、平屋、高齢者向け住宅など、様々な選択肢があり、それぞれにメリットがあります。自分のライフスタイル、将来の健康状態、家族との距離を考慮し、自分に最適な「終の棲家」を選ぶことが大切です。安心で快適な住まいを見つけ、充実した老後を過ごしましょう。
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