今回は、東洋医学の観点で、東京都新宿区で女性のライフステージに合わせた施術を行っている「みやび鍼灸院」の武石院長に「東洋医学における老化の捉え方」についてお伺いしました。
東洋医学は、人体の健康と病気を全体的に捉える独自の医学体系を持ち、老化についても深い見識を有しています。『黄帝内経・素問』の中の「上古天真論」では、男女の年齢に応じた身体の変化を詳述し、特に女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢で変化の節目を迎えるとされています。この記事では、上古天真論に基づく男女の年齢的変化の節目と、老化の進行を遅らせるための東洋医学的対策について詳しく解説します。
このページの目次
東洋医学とは
東洋医学は、古代アジア地域に起源を持ち、人体の健康と病気を全体的に捉える医学体系です。陰陽、五行、気、血、精などの概念を基礎とし、体内のバランスを重視します。鍼灸、漢方薬、気功、推拿(マッサージ)など、さまざまな治療法が含まれ、病気の予防や治療に役立てられています。東洋医学は、自然との調和を重要視し、季節や環境に応じた養生法も提唱しています。
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上古天真論とは
『黄帝内経・素問』の中の一篇である「上古天真論」は、男女の年齢に応じた身体の変化を詳述しています。この論文では、人体の成長と老化が自然の法則に従って進行し、特に男女で異なるリズムを持つことが示されています。女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢で変化の節目を迎えるとされています。
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東洋医学(上古天真論)で女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢で変化の節目
上古天真論原文
女子は7歳にして腎気盛んに 歯更り(永久歯になり)髪長ず
14歳にして天癸至り 任脈通じ 太衝の脈盛んにして 月事時を以て下る 故に子有り
21歳にして腎気平均なり 故に真牙(親知らず)生えて長極す
28歳にして筋骨硬く 髪長極にして 身体盛壮なり
35歳にして陽明の脈衰え 面始めて焦れ 髪始めて堕つ
42歳にして三陽の脈 上に衰え 面皆焦れ 髪始めて白し
49歳にして任脈虚し 太衝の脈 衰少し 天癸つき 地道(下部の脈道)通せず 故に形壊れて子無きなり丈夫(男子)は8歳にして腎気実し 髪長く 歯更る
16歳にして腎気盛んに 天癸至り 精気溢瀉し 陰陽和す 故に能く子有り
24歳にして腎気平均し 筋骨勁強なる 故に真牙生えて長極す
32歳にして筋骨隆盛 肌肉満壮なり
40歳にして腎気衰え 髪堕ち 歯槁る
48歳にして陽気 上に衰竭し 面焦れ、髪鬢頒白す
56歳にして肝気衰え 筋動く事能はず 天癸竭き 精少なく 腎臓衰え 形艶皆極まる
64歳にして則ち歯髪去つ 腎は水を主り、五臓六腑の精を受けて これを臓す 故に五臓盛んなれば乃ち 能く瀉す今五臓皆衰え筋骨解落し天癸盡く 故に、髪鬢白く 身体重く 行歩正しからずして子無きのみ
上古天真論原文
上古天真論での年齢的変化の意味
上古天真論の原文を紹介しましたが、この意味を分かりやすく書くと、以下のようになります。
女性は7の倍数の年齢で変化の節目
女性は7歳ごとに身体の重要な変化を迎えます。
7歳:腎気が盛んになり、永久歯が生え、髪が長くなります。
14歳:天癸(腎精)が到来し、月経が始まり、子供を持つことが可能になります。
21歳:腎気が平均化し、親知らずが生えて身体が成熟します。
28歳:筋骨が硬くなり、髪が最も長くなり、身体が盛壮します。
35歳:陽明の脈が衰え始め、顔に初めて老化の兆候が現れ、髪が抜け始めます。
42歳:三陽の脈が上で衰え、顔全体に老化の兆候が見え、髪が白くなり始めます。
49歳:任脈が虚し、太衝の脈が衰え、天癸が尽き、子供を持つことができなくなります。
男性は8の倍数の年齢で変化の節目
男性は8歳ごとに重要な身体の変化を迎えます。
8歳:腎気が充実し、髪が長くなり、永久歯が生えます。
16歳:腎気が盛んになり、天癸が到来し、精気が満ち、子供を持つことが可能になります。
24歳:腎気が平均化し、筋骨が強くなり、親知らずが生えます。
32歳:筋骨が隆盛し、肌肉が満ちて壮健な身体を維持します。
40歳:腎気が衰え始め、髪が抜け、歯が老化します。
48歳:陽気が上で衰え、顔が老け、髪が白くなります。
56歳:肝気が衰え、筋肉が動かなくなり、精気が少なくなります。
64歳:歯と髪が抜け、五臓六腑の精が衰え、身体全体が老化します。
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東洋医学では主に腎の衰えが老化
東洋医学では、老化の主な原因は腎の衰えとされています。腎は「先天の気」を司り、生命力の源とされています。女性は28歳、男性は32歳をピークにして、腎の機能が徐々に衰えていくとされます。腎の衰えは、全身の老化現象に直結し、特に筋骨、髪、歯などに顕著に現れます。
腎の健康を維持するためには、「後天の気」の摂取が重要です。後天の気は、主に飲食と呼吸から得られます。バランスの取れた食事と正しい呼吸法を実践することが、腎の健康を保つ鍵です。また、脾胃を養うことも、後天の気を充実させるために重要です。
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老化を緩やかにする鍼やお灸などの東洋医学的アプローチの効果
東洋医学では鍼やお灸が効果的とされています。鍼やお灸は、体内の気血の流れを整え、臓腑の機能を調和させる効果があります。具体的には、腎の機能を高めるツボを刺激することで、腎の精を補い、老化をゆるやかにすることが期待できます。また、脾胃を強化するツボを刺激することで、後天の気の生成を助け、全身の健康を維持する効果もあります。季節ごとの養生を考慮し、適切なツボに鍼やお灸を行うことで、健康寿命を伸ばし、老化の進行を緩やかにする助けとなります。今回は一般的に腎の機能が老化と強く関わるので腎を取り上げましたが、東洋医学では五臓六腑は相互に影響し合い、全身の健康とバランスを維持するために重要な役割を果たしていると考えるため、その方の状態を確認してバランスを整えることでその方の持つ力を最大限引き出すことを目指します。
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まとめ
人生100年時代といわれている昨今、少し東洋医学の古典とは異なるものもあるかと思いますし、個人差もありますが、現代に照らし合わせて見ることもできるかと思います。
天癸とは腎精のことです。女性は28歳、男性は32歳をピークにして後は老化していくと述べられています。特に腎の衰えが老化の衰えであり、それはすなわち先天の気(生まれもった元気)の衰少を意味すると考えてもよいともいます。
そして先天の気は後天の気によって補給増加されていますので、後天の気の摂取が不十分であれば先天の気も自ら衰弱のスピードを早める事となります。
後天の気の摂取は飲食(穀気)と呼吸にゆだねられていますので、四季に応じた正しい食事と呼吸法が大事です。
さらに、後天の気は脾胃によってつかさどっていますので、脾胃を養うことも老化防止には大切だということになります。
また精神活動や中枢神経の活動の面からは、心も無視することはできません。
その他、身体を動かす運動の過不足も関係します。
結局のところ、老化の防止においても先天の気・後天の気をはじめ、内臓や心身のバランスにおいて、何事も養生が大切であるということがわかります。
鍼灸は予防医学です。季節ごとの養生をしり、自分に合ったツボにお灸をして健康寿命を伸ばすのにお役立てできたらと思います。
今回の記事は、東京都の新宿駅西口から徒歩8分の場所にある女性専用で不妊鍼灸・妊婦ケア・逆子を始め、女性のライフステージの変化による体の変化に寄り添うみやび鍼灸院の武石院長(鍼灸師)に執筆・監修をいただきました。
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