こども家庭庁とは?何をする省庁?予算・施策をわかりやすく解説

 

こども家庭庁は、日本の未来を担う子どもたちとその家庭を支えるために設立された行政機関です。2024年度から2025年度にかけて、子育て支援や教育無償化、児童虐待防止など、多岐にわたる施策が強化され、予算も大幅に拡充されました。本記事では、両年度の予算配分や具体的な施策内容を比較しながら、こども家庭庁の取り組みをわかりやすく解説します。

こども家庭庁とは?

こども家庭庁は、2023年4月に日本で新設された行政機関です。少子化、児童虐待、教育格差など、子どもや家庭に関する多岐にわたる社会課題に対応することを目的としています。それまで厚生労働省や文部科学省がそれぞれ分担していた業務を統合し、政策の一元化と迅速な実行を目指しています。特に、子どもたちの健やかな成長を支え、すべての家庭が安心して暮らせる社会を実現することが目標です。

令和7年度のこども家庭庁の予算総額は7兆3,270億円となっており、巨額ですがなかなか効果を実感しにくく、意味がない施策などが目立っていることや、こども政策等担当大臣の国会や議論の場での答弁が歯切れの悪い内容だったりしたため話題になっています。

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こども家庭庁の役割

こども家庭庁は、子どもの権利保護や少子化対策、児童虐待の防止、教育環境の整備など多岐にわたる課題に取り組んでいます。国際基準に基づき、子どもの最善の利益を最優先に考える政策を推進しながら、結婚や出産、子育てをしやすい社会を実現するための取り組みを進めています。また、児童相談所や地方自治体と連携し、虐待やいじめなどの問題解決にも注力しています。さらに、教育格差を縮小するための施策も重要な柱となっています。

こども家庭庁と厚生労働省の関係性

こども家庭庁は、子どもや家庭に関する政策を一元的に推進するために、厚生労働省から一部の業務を移管して設立されました。具体的には、厚生労働省が担っていた児童福祉や少子化対策などの業務を引き継ぎ、文部科学省や内閣府とも連携して、子どもや家庭に関する幅広い課題に対応しています。これにより、政策の重複を避けつつ、効果的な施策の実現を目指しています。厚生労働省は引き続き、医療や高齢者福祉など、子ども以外の分野を中心に担当しています。

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こども家庭庁の主な施策

こども家庭庁では、多様な施策を展開しています。まず、経済的支援として児童手当の拡充や教育無償化が進められており、これにより多くの家庭が経済的負担を軽減しています。保育環境の整備も進んでおり、待機児童の解消を目指した保育所や放課後児童クラブの拡充が実施されています。少子化対策の一環として、不妊治療の助成や結婚支援の強化、さらには育児休業取得を促進するための企業支援策も充実しています。児童虐待防止では、児童相談所の体制強化や専門職の育成が進められ、相談窓口の利便性向上も図られています。

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こども家庭庁の予算配分

以下の表は、2024年度の子ども家庭庁の予算配分を示しています。

分野 主な内容
児童手当・教育費助成 児童手当の拡充、幼児教育無償化、高校授業料無償化など
保育施設整備・運営費 保育所や放課後児童クラブの新設・運営費用
児童虐待防止・福祉支援 児童相談所の増設、相談体制の強化、人材育成
少子化対策関連施策 不妊治療助成、結婚支援、育児休業促進施策

これらの予算は、持続可能な子育て支援のための基盤づくりに活用されます。

2024年度と2025年度の予算配分および予算額の比較表

分野 2024年度
予算配分 (%)
2024年度
予算金額
2025年度
予算配分 (%)
2025年度
予算金額
児童手当の拡充 40% 1.92兆円 41% 2.02兆円
教育無償化の推進 30% 1.44兆円 30% 1.46兆円
保育の質の向上 20% 0.96兆円 20% 1.46兆円
児童虐待防止策の強化 10% 0.48兆円 7% 0.51兆円
少子化対策の推進 0% 0.00兆円 2% 0.15兆円
合計 100% 4.80兆円 100% 5.60兆円

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令和7年度 こども家庭庁予算案と施策

令和7年度(2025年度)のこども家庭庁予算案が公開されました。

令和7年度(2025年度)のこども家庭庁予算案

令和7年度こども家庭庁予算案のポイント

この予算案は、「こども未来戦略」に基づき、こども・子育て政策の強化を本格的に実行するためのものです。予算総額は約7.3兆円で、前年度比で約1.1兆円の増加(+17.8%)となっています。

主な施策とその予算配分は以下のとおりです。

児童手当の拡充

児童手当の支給対象年齢を引き上げ、所得制限を撤廃することで、より多くの家庭が支援を受けられるようになります。これにより、子育て世帯の経済的負担を軽減し、出生率の向上を目指します。

高等教育の負担軽減の強化

多子世帯の大学授業料等の無償化における所得制限を撤廃し、低所得世帯やひとり親家庭の子どもに対する大学受験料等の支援を新たに創設します。また、学生への生活援助物資の支援や相談体制の強化も図られます。

保育の質の向上

1歳児に対する保育士の配置基準を見直し、50年ぶりに改善を行います。さらに、保育士の処遇を10.7%引き上げるなど、保育現場の負担軽減と質の向上を目指します。

ひとり親家庭への支援強化

ひとり親家庭への家庭生活支援員の派遣を離婚協議中から可能にし、支援員の手当を引き上げます。また、離婚前後のカウンセリング支援や裁判所手続きへの付き添いサポートを強化し、自治体の創意工夫ある取り組みを国が財政支援する仕組みを構築します。

こどもの安全対策

こどもの自殺対策やいじめ防止・不登校対策、こども性暴力防止法を含むこどもの安全対策に重点を置き、必要な予算を確保しています。具体的な施策内容と予算配分については、今後の詳細発表が待たれます。

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こども家庭庁は意味ない、いらないと言われる理由

こども家庭庁の設立には多くの期待が寄せられていますが、一部では「意味がない」「いらない」といった厳しい声も聞かれます。その背景には、施策の方向性や実行方法に対する疑問があります。

例えば、地域での結婚支援事業や若者向けのライフデザイン情報発信といった取り組みがありますが、これらはすでに民間企業やNPO団体が手掛けている分野です。それにもかかわらず、子ども家庭庁がNPOなどに事業を委託し、さらに予算を費やしている現状に対して「効果が薄い」という指摘がされています。このような活動は、形だけの取り組みに終わり、むしろ行政の効率性を疑問視される原因となっています。

また、一人親家庭や低所得世帯の子育て支援の必要性については多くの人が認識しているものの、施策があまりにも細分化されている点が課題とされています。それぞれの状況に応じた支援は重要ですが、行政が細かく分けた事業を次々と立ち上げることで、結果的に手続きの複雑さや効果の見えにくさを招いているとの批判があります。

さらに、令和7年度の予算総額7兆3,270億円という巨額の資金を、個々の事業に分配するのではなく、子どもを育てる家庭に直接配布する方が現実的な支援になるのではないかという意見もあります。例えば、現金の直接支給であれば、家庭ごとの事情に応じた柔軟な使い方ができ、支援効果をより実感しやすくなると考えられています。

こうした意見は、子ども家庭庁の取り組みが現場のニーズや実効性に寄り添っていないと感じる人々の間で広がっています。これらの課題にどう対応するかが、子ども家庭庁が信頼を得るための重要なポイントとなるでしょう。

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こども家庭庁の設立背景と課題

こども家庭庁の設立は、以下のような社会的課題を背景としています。少子化の進行による人口減少問題は、日本経済や社会基盤に大きな影響を及ぼしており、早急な対策が求められています。また、子どもの貧困問題が深刻化しており、教育や生活における格差が拡大しています。さらに、児童虐待やいじめが増加傾向にあり、子どもたちが安心して成長できる環境づくりが急務となっています。

一方で、こども家庭庁にはいくつかの課題もあります。既存の省庁との連携強化や、地方自治体での施策実施にかかる時間の短縮、財源の安定的な確保が重要です。しかしながら、子どもたちに関する政策が一元化されたことで、より具体的かつ迅速な対応が可能になることへの期待も大きいです。

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まとめ

こども家庭庁は、日本の未来を担う子どもたちとその家庭を支えるために設立された重要な省庁です。多岐にわたる施策を通じて、子どもたちが健やかに成長できる社会を目指しており、実際若者世代に支給される手当としても増加傾向にはあります。ただし、本当に子育て世帯や結婚を控えている世帯が期待することに沿っているかは疑問の多い施策もあります。子ども家庭庁を解体して、そのまま予算総額になっている7兆円を分配支給した方が資金効率が良く、若者世代も助かるという声も大きい状況です。子どもや子育て世代にも焦点を当てた施策をするということは良いですが、無理に多種多様な施策をしたり、対象者を区切った施策などに偏り過ぎず、シンプルに効果を実感できるものになっていく方が望ましい形なのではないかと、今後の政策方針や、具体的な予算の執行に注目していきたいと思います。

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