平成30年1月26日(金)に開催された 第158回社会保障審議会介護給付費分科会資料にて、平成30年度介護報酬改定(2018年4月からの適用となる新たな報酬体系)での居宅介護支援(ケアマネージャー業務を行う事業所)の基本単位数や加算等の算定要件の具体的内容が公表されました。
この記事は、厚生労働省が公表している社会保障審議会(介護給付費分科会) の資料である参考資料1 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について(PDF:2,076KB)から居宅介護支援の改定内容を引用した記事です。

読みどころ

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居宅介護支援 基本報酬

居宅介護支援(Ⅰ)

ケアマネジャー1人当たりの取扱件数が40未満である場合又は40以上である場合において、40未満の部分

 <現行> <改定後>2018年4月~
要介護1又は要介護21042単位/月1053単位/月
 要介護3、要介護4又は要介護51353単位/月1368単位/月

居宅介護支援(Ⅱ)

ケアマネジャー1人当たりの取扱件数が40以上である場合において、40以上60未満の部分

 <現行> <改定後>2018年4月~
要介護1又は要介護2521単位/月527単位/月
 要介護3、要介護4又は要介護5677単位/月684単位/月

居宅介護支援(Ⅲ)

ケアマネジャー1人当たりの取扱件数が40以上である場合において、60以上の部分

 <現行> <改定後>2018年4月~
要介護1又は要介護2313単位/月316単位/月
 要介護3、要介護4又は要介護5406単位/月410単位/月

居宅介護支援 医療と介護の連携の強化(入院時情報連携加算の見直し)

入院時における医療機関との連携を促進する観点から、以下の見直しを行う。

  1. 居宅介護支援の提供の開始に当たり、利用者等に対して、入院時に担当ケアマネジャーの氏名等を入院先医療機関に提供するよう依頼することを義務づける。【省令改正】
  2. 入院時情報連携加算について、入院後3日以内の情報提供を新たに評価するとともに、情報提供の方法による差は設けないこととする。
  3. より効果的な連携となるよう、入院時に医療機関が求める利用者の情報を様式例として示すこととする。【通知改正】

2018年4月からの 入院時情報連携加算(Ⅰ) 200単位/月

・入院後3日以内に情報提供(提供方法は問わない)

2018年4月からの 入院時情報連携加算(Ⅱ) 100単位/月

・入院後7日以内に情報提供(提供方法は問わない)
(Ⅰ)(Ⅱ)の同時算定不可、入院時情報連携加算は要介護の方のみで要支援の介護予防支援は含まない

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居宅介護支援 医療と介護の連携の強化(退院・退所加算の見直し)

退院・退所後の在宅生活への移行に向けた医療機関や介護保険施設等との連携を促進する観点から、退院・退所加算を以下のとおり見直す。

  1. 退院・退所時におけるケアプランの初回作成の手間を明確に評価する。
  2. 医療機関等との連携回数に応じた評価とする。
  3. 加えて、医療機関等におけるカンファレンスに参加した場合を上乗せで評価する。

また、退院・退所時にケアマネジャーが医療機関等から情報収集する際の聞き取り事項を整理した様式例について、退院・退所後に必要な事柄を充実させる等、必要な見直しを行うこととする。【通知改正】

退院・退所加算

現行の退院・退所加算

カンファレンス参加 無カンファレンス参加 有
連携1回300単位300単位
連携2回600単位600単位
連携3回×900単位

2018年4月からの退院・退所加算

カンファレンス参加 無カンファレンス参加 有
連携1回450単位 600単位
連携2回600単位750単位
連携3回×900単位

退院・退所加算の算定要件等

医療機関や介護保険施設等を退院・退所し、居宅サービス等を利用する場合において、退院・退所にあたって医療機関等の職員と面談を行い、利用者に関する必要な情報を得た上でケアプランを作成し、居宅サービス等の利用に関する調整を行った場合に算定する。
ただし、「連携3回」を算定できるのは、そのうち1回以上について、入院中の担当医等との会議(退院時カンファレンス等)に参加して、退院・退所後の在宅での療養上必要な説明を行った上でケアプランを作成し、居宅サービス等の利用に関する調整を行った場合に限る。
※ 入院又は入所期間中につき1回を限度。また、初回加算との同時算定不可。

居宅介護支援 医療と介護の連携の強化(特定事業所加算の見直し)

  1. 利用者が医療系サービスの利用を希望している場合等は、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めることとされているが、この意見を求めた主治の医師等に対してケアプランを交付することを義務づける。【省令改正】
  2. 訪問介護事業所等から伝達された利用者の口腔に関する問題や服薬状況、モニタリング等の際にケアマネジャー自身が把握した利用者の状態等について、ケアマネジャーから主治の医師や歯科医師、薬剤師に必要な情報伝達を行うことを義務づける。【省令改正】

特定事業所加算(Ⅳ) 125単位/月(新設)

特定事業所加算について、医療機関等と総合的に連携する事業所を更に評価する。(平成31年度から施行)
特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得し、かつ、退院・退所加算の算定に係る医療機関等との連携を年間35回以上行うとともに、ターミナルケアマネジメント加算(新設:次頁参照)を年間5回以上算定している事業所

居宅介護支援 末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメント

ケアマネジメントプロセスの簡素化
著しい状態の変化を伴う末期の悪性腫瘍の利用者については、主治の医師等の助言を得ることを前提として、サービス担当者会議の招集を不要とすること等によりケアマネジメントプロセスを簡素化する。【省令改正】
頻回な利用者の状態変化等の把握等に対する評価の創設
末期の悪性腫瘍の利用者又はその家族の同意を得た上で、主治の医師等の助言を得つつ、ターミナル期に通常よりも頻回な訪問により利用者の状態変化やサービス変更の必要性を把握するとともに、そこで把握した利用者の心身の状況等の情報を記録し、主治の医師等や居宅サービス事業者へ提供した場合を新たに評価する。

ターミナルケアマネジメント加算 400単位/月(新設)

居宅介護支援のターミナルケアマネジメント加算の対象利用者

末期の悪性腫瘍であって、在宅で死亡した利用者(在宅訪問後、24時間以内に在宅以外で死亡した場合を含む)

居宅介護支援のターミナルケアマネジメント加算 算定要件

  • 24時間連絡がとれる体制を確保し、かつ、必要に応じて、指定居宅介護支援を行うことができる体制を整備・利用者又はその家族の同意を得た上で、死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上在宅を訪問し、主治の医師等の助言を得つつ、利用者の状態やサービス変更の必要性等の把握、利用者への支援を実施
  • 訪問により把握した利用者の心身の状況等の情報を記録し、主治の医師等及びケアプランに位置付けた居宅サービス事業者へ提供

居宅介護支援 質の高いケアマネジメントの推進

管理者要件の見直し
居宅介護支援事業所における人材育成の取組を促進するため、主任ケアマネジャーであることを管理者の要件とする。その際、3年間の経過措置期間を設けることとする。【省令改正】
地域における人材育成を行う事業者に対する評価
特定事業所加算について、他法人が運営する居宅介護支援事業所への支援を行う事業所など、地域のケアマネジメント機能を向上させる取組を評価することとする。

居宅介護支援 公正中立なケアマネジメントの確保(契約時の説明等)

利用者の意思に基づいた契約であることを確保するため、利用者やその家族に対して、利用者はケアプランに位置付ける居宅サービス事業所について、複数の事業所の紹介を求めることが可能であることや当該事業所をケアプランに位置付けた理由を求めることが可能であることを説明することを義務づけ、これらに違反した場合は報酬を減額する。
なお、例えば、集合住宅居住者において、特定の事業者のサービス利用が入居条件とされ、利用者の意思、アセスメント等を勘案せずに、利用者にとって適切なケアプランの作成が行われていない実態があるとの指摘も踏まえ、利用者の意思に反して、集合住宅と同一敷地内等の居宅サービス事業所のみをケアプランに位置付けることは適切ではないことを明確化する。【通知改正】

運営基準減算 所定単位数の50/100に相当する単位数

以下の要件を追加する。
利用者やその家族に対して、利用者はケアプランに位置付ける居宅サービス事業所について、
・ 複数の事業所の紹介を求めることが可能であること
・ 当該事業所をケアプランに位置付けた理由を求めることが可能であること
の説明を行わなかった場合。

運営基準減算とは

居宅介護支援における加算等の概要 運営基準減算

  • 所定単位数の50/100に減算
  • 運営基準減算が2月以上継続している場合は、所定単位数は算定しない

減算要件

(1)居宅サービス計画の新規作成及びその変更に当たっては、次の場合に減算されるものであること。

  1. 当該事業所の介護支援専門員が、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接していない場合には、当該居宅サービス計画に係る月(以下「当該月」という。)から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。
  2. 当該事業所の介護支援専門員が、サービス担当者会議の開催等行っていない場合(やむを得ない事情がある場合を除く。以下同じ。)には、当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。
  3. 当該事業所の介護支援専門員が、居宅サービス計画の原案の内容について利用者又はその家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得た上で、居宅サービス計画を利用者及び担当者に交付していない場合には、当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算される。

(2)次に掲げる場合においては、当該事業所の介護支援専門員が、サービス担当者会議等行っていないときには、当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。

  1. 居宅サービス計画を新規に作成した場合
  2. 要介護認定を受けている利用者が要介護更新認定を受けた場合
  3. 要介護認定を受けている利用者が要介護状態区分の変更の認定を受けた場合

(3)居宅サービス計画作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握(以下「モニタリング」という。)に当たっては、次の場合に減算されるものであること。

  1. 当該事業所の介護支援専門員が1月に利用者の居宅を訪問し、利用者に面接していない場合には、特段の事情のない限り、その月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。
  2. 当該事業所の介護支援専門員がモニタリングの結果を記録していない状態が1月以上継続している場合には、特段の事情がない限り、その月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで減算する。

 
引用:居宅介護支援(参考資料), 社保審-介護給付費分科会, 第142回(H29.7.5), 参考資料3, p4

居宅介護支援 公正中立なケアマネジメントの確保(特定事業所集中減算の見直し)

特定事業所集中減算の対象サービスの見直し
特定事業所集中減算について、請求事業所数の少ないサービスや、主治の医師等の指示により利用するサービス提供事業所が決まる医療系サービスは対象サービスから除外する。なお、福祉用具貸与については、事業所数にかかわらずサービスを集中させることも可能であることから対象とする。

特定事業所集中減算 200単位/月減算

改定後減算対象となるのは、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与。

特定事業所集中減算とは

特定事業所集中減算
○算定要件
正当な理由なく、当該事業所において前6月間に作成されたケアプランに位置付けられた居宅サービスのうち、訪問介護サービス等について、特定の事業所によって提供されたものの占める割合が80%以上である場合に減算。ただし、当該事業所のケアプラン数が一定数以下である等の正当な理由がある場合を除く。
○判定方法
居宅サービス計画のうち、各居宅サービスが位置付けられた居宅サービス計画の数をそれぞれ算出し、サービス種別ごとに最もその紹介件数の多い法人を位置付けた居宅サービス計画の数の占める割合を計算し、いずれかのサービスについて80%を超えた場合に減算する。
引用:居宅介護支援(参考資料), 社保審-介護給付費分科会, 第142回(H29.7.5), 参考資料3, p6

居宅介護支援 訪問回数の多い利用者への対応

ア 訪問回数の多いケアプランについては、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくことが適当であり、ケアマネジャーが、統計的に見て通常のケアプランよりかけ離れた回数(※)の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届け出ることとする。【省令改正】
(※)「全国平均利用回数+2標準偏差」を基準として平成30年4月に国が定め、6ヶ月の周知期間を設けて10月から施行する。
イ 地域ケア会議の機能として、届け出られたケアプランの検証を位置付け、市町村は地域ケア会議の開催等により、届け出られたケアプランの検証を行うこととする。また市町村は、必要に応じ、ケアマネジャーに対し、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、サービス内容の是正を促す。【省令改正】

ケアプランの適正化に向けた対策の強化

訪問回数の多い訪問介護対策

訪問介護(生活援助中心型)の回数が「全国平均利用回数+2標準偏差(2SD)」に該当するケアプランの保険者届出

集合住宅向け対策

集合住宅等に居住する利用者のケアプランで不適切と疑われる事案を抽出するスクリーニングポイントの作成

居宅介護支援 障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携

障害福祉サービスを利用してきた障害者が介護保険サービスを利用する場合等における、ケアマネジャーと障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携を促進するため、指定居宅介護支援事業者が特定相談支援事業者との連携に努める必要がある旨を明確にする。【省令改正】

平成30年介護報酬改定の居宅介護支援のポイント

居宅介護支援自体の基本報酬はほぼ横ばいの微増となりました。平成30年の介護報酬改定では、医療と介護の連携の強化についていろいろな施策が盛り込まれています。
住み慣れた地域で安心して在宅生活を継続することを理想とする地域包括ケアシステムの枠組みの中で、医療的な視点からの生活への助言は必要不可欠です。
末期癌の方へのターミナルケアについても改めて明記されました。
末期でなくても、ホメオスタシスが低下している高齢者は健康の自主管理をできる範囲を超えて、入院を必要とする状態になったり、常時医療的なケアが必要なることもあります。
その時に介護現場で収集した記録、健康面・社会面・心理面・生活環境などの情報は、医療機関に届かないこともしばしばあります。
医療機関では限られた期間で必要な治療をして、その後は早期に在宅に復帰させる役割を持っているため、せっかく居宅で蓄積した情報ならしっかり出してほしいというのが本音であり、理想的な連携の要件になります。
また、医療機関の方も入院中に在宅生活を見据えていろいろなアセスメントをして退院への道筋を作っています。この時の懸け橋になれるのはケアマネージャーであり、情報のコントロールの重要性が今回の改定でさらに意識されたものと考えられます。
居宅介護支援事業所を運営する事業者としては、今回の改定で事業所の管理者を主任ケアマネージャーにしないといけないということが最も重大な問題として扱われているようです。3年間の経過措置期間を設けていますが、介護支援専門員の研修過程も強化されている中で、向上心と資格のある人材の確保に難航することも予想されます。
生活援助の訪問介護の回数が月に30回以上など、不適切なケアプランについては保険者届出が課せられるという要件が入りました。
公正なケアマネジメントを確保することとして、不適切なサービス提供の防止、事業所や利用者の言いなりのプランを立てて特定の事業者や利用者を過度に贔屓(ひいき)することを防いでいくことにも予防線を張っているように感じます。
本当の中立、本当に利用者のニーズに応えられるように、フォーマルサービス・インフォーマルサービスを盛り込むというのはとても難しい仕事ですが、チーム介護のマネジメントの立場であるケアマネージャーとして、チームでの成果(利用者のニーズ)を常に考えて、チームが成果を上げることについてしっかりと考えて仕事していきたいですね!

平成30年介護報酬改定についてはこちらの要点まとめ記事もどうぞ!

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