学童保育とは?小学生の放課後や休日に保育する制度の対象や申し込み方法

共働き家庭や、これから仕事を始める保護者にとって、小学生の放課後や長期休みの過ごし方は大きな課題のひとつです。そんなときに利用できるのが 学童保育 です。学童保育は、小学校に通う子どもが放課後や休日を安全に過ごせるように設けられた施設で、多くの自治体で運営されています。しかし、「どんな人が利用できるの?」「申し込み方法は?」「費用はどれくらい?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、学童保育の仕組みや利用条件、申し込みの流れ、費用について詳しく解説します。ぜひ、お子さまの放課後の選択肢として参考にしてください。

学童保育とは?

学童保育とは、小学生の放課後や長期休み期間に、保護者が仕事などで家庭での保育ができない場合に利用できる施設のことです。自治体や民間団体が運営しており、適切な遊びや生活の場を提供しながら、児童の健全な成長を支援します。

学童保育とは

学童保育は自治体ごとに異なる名称で呼ばれることがあります。

例えば、以下のような呼び方があります。

  • 放課後児童クラブ(さいたま市など)
  • 学童クラブ(東京都など)
  • 児童育成クラブ(千葉県など)
  • 放課後子ども教室(一部自治体)

学童保育の法的根拠 児童福祉法第6条の3第2項に基づく事業

児童福祉法第6条の3第2項に基づく事業は、一般に「学童保育」として知られ、学校に通う児童が安全で健全な環境で過ごせるようにするための制度です。この法律は、保護者が仕事などで家を空けている間、児童が学校の授業が終わった後も適切なケアと監督を受けられるようにすることを目的としています。

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学童保育で働くスタッフと資格

学童保育には 指導員(学童保育指導員) が配置され、子どもたちの生活や遊びを支援します。
この職種には特別な資格が必須ではなく、学歴や経験がなくても働くことは可能です。ただし、多くの自治体では 「放課後児童支援員」 の有資格者を配置することを求めています。

資格 説明
児童福祉司 児童の保護及び福祉の増進に必要な専門知識や技術を持つ。児童福祉法に基づく資格。
保育士資格 子どもの保育に関する専門的な知識や技術を有し、子どもの発達や安全をサポートする活動を行う。
教員免許 学童保育における教育活動の指導を行う。宿題のサポートや学習支援など、教育的な内容に関わる場合に有利。

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公立の学童保育と民設の学童保育の違い

学童保育には、自治体が運営する 公立の放課後児童クラブ と、民間団体や企業が運営する 民設の学童保育 があります。それぞれに特徴があり、料金やサービス内容、受け入れ体制などが異なります。

公立の学童保育は 自治体が運営し、比較的安価で利用できる のが特徴です。ただし、定員が限られており、申し込み多数の場合は選考があります。一方、民設の学童保育は 独自のカリキュラムや延長保育など柔軟なサービス を提供することが多く、待機児童の受け皿としても機能していますが、公立より費用が高めになることが一般的です。

どちらを選ぶかは、家庭の状況や子どもの特性に合わせて検討すると良いでしょう。

公立と民設の学童保育の違い

項目 公立の学童保育 民設の学童保育
運営主体 自治体 民間団体、企業、NPOなど
利用料金 比較的安価(数千円程度) 高め(1万円以上が多い)
定員 定員が決まっており、選考あり 比較的柔軟に受け入れ可能
開室時間 一般的に19時まで 施設により延長保育が可能(~21時など)
長期休みの対応 朝から夕方まで開室 朝から夜まで対応可能な施設もあり
カリキュラム 基本的に遊び中心 学習支援、英語・習い事プログラムあり
申し込み 年度ごとに申し込み、選考あり 随時申し込み可能な場合が多い

どちらにもメリット・デメリットがあるため、利用しやすさや費用、サービス内容を比較しながら選ぶのがおすすめです。

東京や大阪などの民間学童保育の料金の例

民間の学童保育では、施設によって料金が異なりますが、いくつかの情報源によると、東京都23区内での民間学童保育の料金相場は、月額約75,000円から90,000円とされています。また、大阪市では60,000円から80,000円、福岡市では65,000円から95,000円と地域によっても差があります。サービス内容によって料金が上下する場合があり、例えば英語教育を含む施設や、夜遅い時間までの預かりサービスを提供する施設では、料金が高く設定されていることがあります。

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学童保育を利用できる対象者

学童保育の利用対象者は、基本的に 小学校1年生から6年生の児童 で、以下のいずれかの理由により保護者が家庭での保育が困難な場合です。

利用条件

  • 保護者が就労している
  • 求職活動をしている
  • 保護者が学校や職業訓練に通っている
  • 保護者が出産を控えている
  • 保護者が病気・負傷している
  • 保護者が障害を持っている
  • 同居または別居の親族を介護・看護している
  • 災害などの影響で自宅での保育が困難な状況

※週3日以上の利用が必要とされるケースが多いですが、自治体によって異なります。

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公的な学童保育の開室時間

公的の学童保育は一般的に 平日・土曜日・長期休暇 などに開室しています。開室時間の例は以下の通りです。

利用日 開室時間
小学校の授業がある日 放課後 ~ 午後7時
小学校の授業がない日(土曜日・長期休暇など) 午前8時 ~ 午後7時
閉室日 日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)

自治体によっては、さらに遅くまで預かる「延長保育」や、おやつ提供のサービスがある場合もあります。

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公的の学童保育の申し込みスケジュール

新年度(4月)から利用する場合、申し込みから選考・利用開始までのスケジュールは以下のようになります。

時期 内容
前年11月頃 1次申込み(締切厳守) →選考結果通知
1月頃 2次申込み(定員に空きがある場合のみ受付)→選考結果通知
4月 利用開始
4月以降 随時申込み

随時申込も可能ですが、空き状況によるため、希望する場合は早めの申し込みを推奨します。

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学童保育の費用

学童保育の費用は自治体や施設ごとに異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

費用項目 月額目安
基本利用料 2,000円~8,000円程度
おやつ代 1,000円~2,000円程度
延長保育料金(必要な場合) 別途費用がかかる

また、生活保護世帯や低所得世帯の場合、利用料が減額または免除される制度もあります。

学童保育の費用の支払いに関する補助金など

料金の支払いが困難な家庭のために、一部の自治体や施設では、減免制度や支援金制度を設けている場合があります。これには条件があり、例えば一人親家庭などが対象となることが多いです。具体的な支援内容や資格については、各市区町村や施設に直接問い合わせることが重要です。
これらの情報は、現地の施設や自治体に直接確認することで、最も正確かつ詳細な情報を得ることができます。特に、料金やサービス内容、支援制度などは、時期や施設の方針によって変動する可能性があるため、利用を検討されている方は事前の確認をお勧めします。

子育て世代包括支援センターに相談も

各市区町村には、妊産婦・乳幼児等へは、母子保健分野と子育て支援分野の両面から支援が実施されている子育て世代包括支援センターがあります。具体的には、母子保健法に基づく母子保健事業、子ども子育て支援法に基づく利用者支援事業、児童福祉法に基づく子育て支援事業などを行っているので相談してみるのもよいでしょう。

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学童保育では何が提供される?

学童保育では、小学生が放課後や長期休みに安全・安心に過ごせるよう、さまざまなサービスが提供されます。基本的には 遊びや生活の場の提供 が主な目的で、子ども同士の交流を通じて自主性や社会性を育むことを重視しています。

多くの学童保育では 室内遊びや外遊び、宿題の時間、おやつの提供 などがあります。自治体運営の公立学童では自由遊びの時間が長い傾向にありますが、民設の学童では 学習サポートや習い事プログラム を取り入れているところもあります。また、長期休み期間には特別イベントや体験活動が実施されることもあります。

加えて、安全面の配慮として、 指導員の見守りや防犯対策、健康管理 などが行われます。特に低学年の子どもにとっては、安全な環境で過ごせることが大きなメリットです。

学童保育では何が提供される?

学童保育は学習塾代わりになる?

学童保育は、基本的に 放課後の安全な居場所の提供を目的としている ため、一般的には学習塾のような本格的な指導は行われません。ただし、多くの学童では 宿題の時間 が設けられており、指導員が見守る形で学習のサポートをしてくれることが多いです。

また、民設の学童や一部の公立学童では、 英語、プログラミング、習字、そろばん などの学習プログラムを提供しているところもあり、学習塾のような機能を果たす場合もあります。ただし、指導員の専門性や学習の質には施設ごとの差があるため、 学習塾と同じレベルの指導を期待するのは難しい ことが多いです。

学習重視の場合は、 学童+学習塾を併用 したり、学習サポートが充実した民設学童を選んだりするのがよいでしょう。

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学童保育のメリットは?

学童保育は、子どもたちにとって有益な環境を提供する重要なサービスです。まず、保護者が仕事で忙しい中、学童保育は子どもたちが安全に過ごせる場所を提供します。これにより、保護者は仕事に集中することができ、家庭と仕事のバランスをとる大きな助けとなります。また、子どもたちは社会性を育む機会に恵まれます。友達や異年齢の子どもたちとの交流を通じて、コミュニケーション能力や協調性、リーダーシップを学ぶことができます。

さらに、学童保育では宿題のサポートや様々な教育活動が提供されるため、子どもたちの学業をサポートし、興味や才能を引き出す手助けをします。特に、音楽、アート、スポーツなどのプログラムは、学校教育では経験できない貴重な体験を提供し、子どもたちの創造性や問題解決能力の発展に寄与します。

また、学童保育は子どもたちにルーティンを教え、自己管理能力を育む場でもあります。定期的なスケジュールと活動は、子どもたちが時間管理を学び、責任感を持って行動することを促します。これらの経験は、子どもたちが将来、自立した大人になるための基盤を築くのに役立ちます。

障害児の場合には放課後等デイサービスで個別的な支援を受けるという方法もあります。

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学童保育についての問題点や社会的課題

学童保育は多くのメリットを提供する一方で、いくつかの社会的課題も抱えています。

受け入れ能力の問題

学童保育施設の数が不足している地域があり、すべての子どもたちを受け入れることができない現状が存在します。これにより、待機児童の問題が生じ、保護者にとって大きな負担となっています。

質の格差

地域や施設によってサービスの質に差があり、特に地方や貧困地域では資源が限られているため、子どもたちに十分な教育的サポートや活動を提供することが難しい場合があります。

スタッフ不足と質

学童保育の専門スタッフ不足は、子ども一人ひとりに対する十分な注意やサポートを提供することができない状況を生んでいます。また、低賃金や過重労働が原因で、質の高いスタッフを確保することが困難になっている場合もあります。

費用の問題

一部の地域や施設では、学童保育の費用が高額で、すべての家庭がこれを負担できるわけではありません。経済的に困難な家庭は、子どもを適切な学童保育環境に預けることができない可能性があります。

まとめ

  • 学童保育は、共働き世帯や保護者が保育できない家庭向けの制度
  • 自治体によって名称が異なる(放課後児童クラブ、学童クラブなど)
  • 利用対象者は小学生1~6年生で、保護者の就労や病気などが条件
  • 開室時間は平日放課後~19時、長期休みは8時~19時が一般的
  • 申し込みは11月頃から開始し、1月・2月に選考、4月に利用開始
  • 費用は月2,000~8,000円程度で、自治体ごとの補助制度あり

学童保育を検討している方は、お住まいの自治体の公式サイトを確認し、早めの申し込みをおすすめします。

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