COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状、検査・診断基準、オーバーラップ症候群、治療、リハビリテーションについて。在宅酸素療法(HOT)、換気補助療法・NPPVって?
世界の死因第4位と言われるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)についてのまとめです。「肺気腫」や「慢性気管支炎」など、呼吸時に空気の通り道が閉塞してしまい呼吸が十分にできない病気をCOPDと言っています。似た病気である「喘息(ぜんそく)」はなじみがありますが、COPDの方は日本ではまだ認知度が低いです。

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)は世界の死因 第4位

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は世界の死因で第4位に入っています。

世界にCOPD患者は2億人と言われ、日本人の死亡原因の第9位(2013年)にCOPDがランクインしています。COPDはそれくらい身近な疾患です。

2001年のデータですが、COPD有病率は70歳以上において17.4%という結果となっています。70歳以上の6人に1人はCOPDということで大変身近な疾病です。

COPDの原因

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、かつては「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれ、現在も診断としてはこれらの疾患名が使われています。

肺がボロボロになり呼吸時に空気の通り道が閉塞してしまい呼吸が十分にできない病気を総称してCOPDと呼んでいます。
COPDは「たばこ病」と呼ばれることもあります。COPD原因のほとんどは長期の喫煙であるからです。たばこに含まれる有害物質が肺を刺激して炎症を起こし、その炎症が慢性化して肺や空気の通り道などがうまく機能しなくなった状態です。
炎症が慢性化した肺は、かさぶたを繰り返し、分厚く、痰もたまり、空気が通りにくくなります。

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状は多岐にわたりますが、以下のような症状が中心にみられます。

  • 長期間の咳・痰が続く
  • 気道が狭くなっている
  • 少し動くと息切れする
  • 発作(息切れ)の時にヒューヒューゼーゼー喘鳴がある

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の検査・診断基準

COPDの問診

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の問診では、40歳以上か、喫煙歴が10年以上あるか、坂道を登った時などに息切れすることがあるか、3週間以上咳や痰が続いていないかなどの情報を集めます。

COPDなどの肺疾患での呼吸機能検査

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の検査では、ぜんそくの検査でも用いられる、スパイロメーターという機器を用いて肺の機能をチェックします。

ピークフローメーターとスパイロメーターの違い
ピークフローメーターは喘息の症状コントロール状況をつかむために用いられ、5000円ほどで市販されています。ピークフローメーターを使用すると、ピークフロー値がわかります。
ピークフロー値とは、呼気(吐き出す息)の最大風速のことです。調子が良い状態に比べ、どれくらい勢いよく息が吐けるかという値を喘息の管理の目安として用いています。
スパイロメーターは、ピークフローメーターのように簡易的なものでなく、精密機器で10万円以上します。スパイロメーターの方は、息の量も測れます。1回換気量、肺活量、予備呼気量、予備吸気量、最大吸気量が測定できます。

努力性肺活量(FVC:Forced Vital Capacity)

最大吸気位からできるだけ速く息を吐ききって得られる肺気量変のことです。

1秒量(FEV1)

最大に吸った状態から、1秒間に吐いた量です。

1秒率(FEV1/FVC)

1秒間に吐いた量と、息を最大に吸った状態から吐き切った状態までの量の割合です。健常者は1秒で70%以上吐き出せますが、COPDなどの肺疾患患者は1秒に70%未満の量しか吐けません。

画像検査

COPD(慢性閉塞性肺疾患)では、胸部X線検査・胸部CT検査で、肺や気道に病変がないか、ほかの病気でないか調べます。

動脈血ガス分析・経皮的酸素飽和度検査(SpO2)

動脈血ガス分析では、実際に血液を取り出して動脈を流れる血液の酸素などのガス分圧を調べます。動脈血ガス分析では、呼吸不全の有無が調べられます。

また動脈血ガス分析で調べる酸素分圧は、パルスオキシメーターで測定する経皮的酸素飽和度検査(SpO2)の酸素飽和度と相関があります。

喘息との合併で「オーバーラップ症候群」

オーバーラップ症候群とは、喘息との合併しCOPDも罹患している状態のことです。オーバーラップ症候群という重症な呼吸困難になる恐れがあり診断ガイドラインが見直されてきています。

COPDの治療・リハビリテーション

COPDの治療目的は、病気の進行を遅らせてQOLを保つことが中心となります。

何よりもまず禁煙がCOPDリハビリテーションの基本

COPDの原因の9割は喫煙なので、炎症を鎮めるために禁煙します。禁煙外来で医療管理のもと行う場合もあります。ニコチンバッチニコチンガムなどでできる方もいるかもしれません。

薬物療法

呼吸が少しでもしやすいように、気管支拡張剤を中心に処方されることが多いです。咳止めや抗炎症薬など、症状や状態に合わせて併用されます。

呼吸リハビリテーション

呼吸リハビリテーションでは、禁煙を軸に、生活改善、運動療法、栄養指導、在宅酸素療法、呼吸指導などが行われます。

口すぼめ呼吸で、COPD生活での呼吸を習得

口すぼめ呼吸は、口をすぼめ、ゆっくり息を吐き出す呼吸法です。口すぼめ呼吸では、ゆっくりと口をすぼめて息を吐くため、気管内の圧が保たれ気管がつぶれにくくなるために閉塞しにくくなる効果が得られます。

在宅酸素療法(HOT)・換気補助療法

「在宅酸素療法(HOT)」で呼吸不全でも活動を

在宅酸素療法(HOT)
COPDでは本来必要な分の酸素を取り込むことができない「呼吸不全」の状態が続くことがあります。パルスオキシメーターでSpO2(酸素飽和度、サチュレーション)が90%以下の状態です。その治療のために、酸素発生器や酸素ボンベから供給される高濃度の酸素を吸入しながら生活する「在宅酸素療法」があります。快適さを向上させるために、携帯用酸素ボンベやメガネ型の吸入装置なども出ています。在宅酸素療法(HOT)では酸素に引火する可能性があり、たばこの喫煙、お鍋・仏壇などでも要注意です。

在宅酸素療法は条件を満たせば健康保険適用

状態が安定しない場合は入院加療しますが、主治医と相談して、以下のような状態で在宅生活可能な場合、在宅酸素療法が選択されます。医学的、社会的な面の条件を満たすと医療保険(健康保険)で機器をレンタルできます。

  1. 高度慢性呼吸不全
  2. 肺高血圧症
  3. 慢性心不全
  4. チアノーゼ型先天性心疾患

「換気補助療法」で進行した呼吸不全に対応

呼吸不全の状態が重度の場合には、換気補助療法がおこなわれます。

非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)

非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)は、気管切開をせずに、吸着する鼻マスクや顔マスクを使って空気を肺に送り込む方法です。
気管挿管に伴う合併症が避けられ、食事が可能ですが、空気を外から送り込むため気道と食道が分離できないので高い気道内圧がかけられません。また、マスクの顔面圧迫による発赤や変形などの問題もあります。
こちらも1998年から保険適応となりました。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者は多くいます

COPDは、世界の死因第4位の病気です。日本では喘息のほうが有名ですが、最近はCOPDという診断の方も増えてきました。
COPDは肺の生活習慣病ともいわれ、たばこが原因だから自業自得という意見もあります。
しかし、喘息と合わせて、COPDがどのような病気で、どのような治療があるか覚えておくと良いと思います。身近な人がCOPDを罹患していることも今後増えると思います。

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