高齢者、要介護の方は色々な薬を服用しており、この記事で解説する抑肝散(ヨクカンサン)や抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)漢方薬を服用されている方もいらっしゃると思います。
漢方薬は漢字で読みにくい名前や、番号表記などがありややこしいイメージが強いので、『よく服用しているのを見る薬だけど結局何の薬?』と思われがちです。
今回は、メジャーどころの抑肝散とちょっとマイナーな抑肝散加陳皮半夏についてその違いや話していきたいと思います。

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抑肝散(ヨクカンサン)とは


抑肝散(ヨクカンサン)は、ツムラでは54番(黄色のイメージの漢方)になります。抑肝散はイライラ・不眠に効く漢方として高齢の患者様にはしばしば使われていると思います。
1日に1~3回服用されている方や寝る前に服用してる方もいます。服用のタイミングに関しては、漢方なので、食前や食間のパターンが多い ですが、食後でもそこまで大きく効果・副作用共に大差は無いです。基本は医師の指示通りですが、どのタイミングで服用されても良いと思います。
抑肝散は、東洋医学での五臓六腑の五臓の一つである肝(カン)を抑える薬です。肝(カン)は西洋医学で言うところの肝臓とはやや異なります
東洋医学でいう肝(カン)とは、癇癪(かんしゃく)を起こすのカンとか子供の夜鳴きなどで使われる言葉の疳(かん)の虫のカンとイメージするとわかりやすいと思います。

抑肝散(ヨクカンサン)の作用・副作用

東洋医学での、「肝」には、神経や感情をコントロールする役割があると考えられており、その「肝」を抑える効果のある漢方薬が抑肝散になります。イライラする状態や神経が高ぶって興奮している状態を抑え、気持ちを落ち着かせてくれる作用があります。認知症の高齢者での徘徊行動も興奮から来るものが多いので、この漢方が使用されます。筋肉の緊張状態もほぐしてくれるので、リラックスして睡眠状態もよくなっていくようです。
また、認知症の薬であるアリセプト(ドネペジル)やメマリーの副作用で興奮作用があることから、それらの興奮を抑えることも出来る事から併用されている患者様も多いです。
子供の夜鳴きや不穏にも使用することができ、副作用は非常に少ない薬なので、副作用が起こりやすい高齢者にとって、そこも非常にメリットになります。

認知症の周辺症状と抑肝散の効果

認知症の症状は精神が「興奮」した状態の時ほど強く出る傾向があるため、抑肝散(ヨクカンサン)で気持ちが落ち着くと認知症に伴う症状も落ち着くことが期待されます。

抑肝散のメリット 副作用は少ない

高齢者は、不眠や興奮、徘徊、うつ状態になることが多いです。即効性があることから、精神安定剤や睡眠剤、抗うつ薬も多く使用されてます。安定剤や睡眠薬など西洋薬は、効果は確実ですが、副作用の危険性も伴ってきます。これらの薬では、どれも眠くなったり、ぼぉーとしたり、ふらつき、めまいなどの副作用があり、高齢者ではそれに伴う転倒、骨折には気をつけなければいけません。高齢者は、肝臓やじん臓の機能低下しているので、副作用が起こりやすいです。また、薬の種類も多いため、重複による副作用の増大の可能性も高くなってきます。これらのデメリットもあるため、西洋薬の使用を控える医師もいます。

抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)とは


抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)は、ツムラでは83番になります。抑肝散加陳皮半夏は、黄緑色の抑肝散のイメージを持っている人が多いと思います。

抑肝散 と 抑肝散加陳皮半夏 の違い

抑肝散と抑肝散加陳皮半夏の違いは何かをいう質問をよく聞きます。
抑肝散加陳皮半夏は、名前どおりですが、抑肝散に陳皮(チンピ)と半夏(ハンゲ)を加えたものになります。

陳皮(チンピ)とは、みかんの皮を乾燥させた生薬で、リラックスや胃腸を助ける効能があります。

半夏(ハンゲ)とは、サトイモ科の植物であるカラスビシャクの球茎の皮を剥いて乾燥させた生薬で、身体を温める効能や鎮静の効能があります。

抑肝散 と 抑肝散加陳皮半夏 の 使い分け 

抑肝散に含まれる、当帰、川きゅう、釣藤鈎が胃もたれを招きやすい性質を持っているため、胃腸の弱い患者様には、抑肝散に陳皮と半夏を加えた抑肝散加陳皮半夏を内服するよう使い分けることがあります
抑肝散加陳皮半夏のデメリットとしては、抑肝散と比べると抑肝散加陳皮半夏は即効性は少し失われていますので、内服後にしばらく様子見る必要があります。
体力が低下して いる患者様には抑肝散よりもこちらの方を使い分けるのがよいでしょう。

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抑肝散と抑肝散加陳皮半夏などの漢方内服のポイント

・抑肝散と抑肝散加陳皮半夏ともによく使われていて、副作用が起こりにくいというメリットありますが、やはり効果や即効性の面では安定剤や睡眠剤などより劣っていると感じます。場面に応じて臨機応変に使い分けていければよいと思います。
・漢方は、個人差や体質によってすごく効いたり、まったく効かなかったりさまざまです。介護の方からみてあまり効果が充分でない場合は、薬変更したほうがよいかもしれません。
・服用のタイミングに関しては、上記に少し書きましたが、食後、食前、食間いつでもよいと思います。服用のタイミングが増えると手間がかかったり、飲み忘れの原因にもなりかねないので、他の薬と服用 のタイミングを合わせていってもよいと思います。医師か担当の薬剤師に積極的に相談しましょう。

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