社会人(会社や職場)の出勤停止・欠勤の取り扱い

2018(平成30年)年3月に、厚生労働省は「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)」をリリースしました。

保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)は、保育に関わる職員が子どもの健康及び安全に関する共通認識を深め、感染症対策に組織的に取り組んでいくことに活かされるよう、また、ガイドラインの趣旨や内容が、保育所をはじめとする多様な保育の現場に加え、医療・保健機関や行政機関等の関係者にも広く浸透するとともに、子育て中の保護者にも理解されることによって、さらなる連携のもと、子どもたちの健やかな育ちが保障されることが期待されています。

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学校保健安全法関係法令と学校保健安全法関係法令に準じた保育所の感染症

保育と学校教育では、乳幼児と児童生徒で特性が違います。また、学校での感染症対策は、学校保健安全法関係法令(学校において予防すべき感染症の種類、出席停止臨時休業等について規定)に基づき感染症対策が実施されていますが、保育所における健康診断及び保健的な対応は、学校保健安全法関係法令に準拠して実施されています。

このサイトでは高齢者や介護施設・医療機関等の情報を中心に紹介していますが、学校での感染症予防や保育所での感染症予防も参考になる部分はあります。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に関するもの

(就業制限)
第十八条 都道府県知事は、一類感染症の患者及び二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者に係る第十二条第一項の規定による届出を受けた場合において、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該者又はその保護者に対し、当該届出の内容その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知することができる。
2 前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。
3 前項の規定の適用を受けている者又はその保護者は、都道府県知事に対し、同項の規定の適用を受けている者について、同項の対象者ではなくなったことの確認を求めることができる。
4 都道府県知事は、前項の規定による確認の求めがあったときは、当該請求に係る第二項の規定の適用を受けている者について、同項の規定の適用に係る感染症の患者若しくは無症状病原体保有者でないかどうか、又は同項に規定する期間を経過しているかどうかの確認をしなければならない。
5 都道府県知事は、第一項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、当該患者又は無症状病原体保有者の居住地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、当該協議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
6 前項ただし書に規定する場合において、都道府県知事は、速やかに、その通知をした内容について当該協議会に報告しなければならない。

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社会人(会社や職場)の出勤停止・欠勤の取り扱い

学校では学校保健安全法施行規則により、感染症が第1種から第3種まで分類されており、それぞれの疾患に対して学校に通う児童生徒が感染性に感染した場合の出席停止日数や基準が定められています。学校保健安全法施行規則での感染症分類の他にも、感染症法による5類に分けた分類も存在し、感染性胃腸炎やインフルエンザ等の5類感染症に罹患した場合は、医師の診断書により公休となる。ただし,社会人の場合には、学校で出席停止扱いの感染症に罹患したとしても、各企業等における就業規則により対応は異なるので、事業主への確認や産業医等の意見を聞く等の対応が必要となります。

感染症法による感染症の5類分類

1類感染症
エボラ出血熱,クリミア・コンゴ出血熱,痘そう,南米出血熱,ペスト,
マールブルグ病,ラッサ熱
2類感染症
急性灰白髄炎,結核,ジフテリア,重症急性呼吸器症候群,
鳥インフルエンザ
3類感染症コレラ,細菌性赤痢,腸管出血性大腸菌感染症,腸チフス,パラチフス
4類感染症44種の感染症(A型肝炎、デング熱、マラリア、レジオネラ症など
5類感染症42種の感染症(インフルエンザ、感染性胃腸炎、水痘[水ぼうそう]、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎など
新型インフルエンザ等新型インフルエンザ等新型インフルエンザ,再興型インフルエンザ

学校において予防すべき感染症の種類

学校において予防すべき感染症の種類には、第一種、第二種、第三種の感染症があり、感染症の種類、症状により出席停止期間等が定められています。

学校保健安全法施行規則(昭和33年文部省令第18号)第18条における感染症の種類について(学校において予防すべき感染症の種類は、次のとおりとする。)」から以下、感染症の対応について紹介します。

第一種の感染症の病名と対応

第一種の感染症は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下感染症法という。)の一類感染症と、結核を除く二類感染症を規定しています。

第一種感染症の診断名(病名)
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、急性灰白髄炎、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属 SARS コロナウイルスであるものに限る。)、中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属 MERS コロナウイルスであるものに限る。)及び特定鳥インフルエンザ(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第六条第三項第六号に規定する特定鳥インフルエンザ)
※感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第七項から第九項までに規定する新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、及び新感染症は、第一種の感染症とみなす

第一種の感染症の出席停止の期間の基準

第一種感染症は、出席停止の期間の基準は治癒するまでとされいています。

第二種の感染症の病名と対応

第二種の感染症は、空気感染又は飛沫(まつ)感染するもので、児童生徒等の罹患が多く、学校において流行を広げる可能性が高い感染症を規定しています。

第二種感染症の診断名(病名)
インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)、百日咳、麻しん、流行性耳下腺炎、風しん、水痘、咽頭結膜熱、結核及び髄膜炎菌性髄膜炎

第二種の感染症の出席停止の期間の基準

  • インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)……発症した後 5 日を経過し、かつ、解熱した後 2 日(幼児にあっては 3 日)を経過するまで
  • 百日咳……特有の咳が消失するまで又は 5 日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで
  • 麻しん……解熱した後 3 日を経過するまで
  • 流行性耳下腺炎……耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後 5 日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで
  • 風しん……発しんが消失するまで
  • 水痘……すべての発しんが痂皮化するまで
  • 咽頭結膜熱……主要症状が消退した後 2 日を経過するまで

第三種の感染症

第三種の感染症は、学校教育活動を通じ、学校において流行を広げる可能性がある感染症を規定しています。

第三種感染症の診断名(病名)
コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、その他の感染症

なお、学校で通常見られないような重大な流行が起こった場合には、その感染拡大を防ぐため、必要があるときに限り、校長が学校医の意見を聞き、第三種の感染症の「その他の感染症」として緊急的に措置をとることができるとしていますが、「その他の感染症」として出席停止の指示をするかどうかは、各地域での状況等を考慮して判断する必要がありますので、あらかじめ特定の疾患を定めてあるものではありません。

保育所・学校・会社など、集団の場では感染症の対応をあらかじめ確認しましょう

保育園・幼稚園などでは、感染症が疑われる場合や、発熱している場合には縁に連絡の上、登園自粛の対応となることが多いと思います。学校の場合には、指定されている感染症の場合には、医師の診断のもと公休扱いとなります。しかし、就業して会社や職場に出勤することに対しては、学校で定めているような出席停止の取り決めがありません。基本的には就業規則に従うものですが、例えば介護施設など免疫力の弱った人に接する仕事などの場合には職員が感染源となって感染拡大の危険もあります。

あらかじめ感染症に罹患した場合の取り決めは産業医なども交えて指針を決めておきたいですね。

感染症予防についてはこちらの記事も

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