障害福祉の相談支援専門員の役割とケアマネジメントで大切なこと

障害分野の相談支援専門員は、介護保険分野の介護支援専門員とは違う役割です。相談支援専門員は、障害のある人が自立した日常生活、社会生活を営むことができるよう、障害福祉サービスなどの利用計画の作成や地域生活への移行・定着に向けた支援、住宅入居等支援事業や成年後見制度利用支援事業に関する支援など、障害のある人の全般的な相談支援を行う仕事です。

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相談支援専門員の役割

相談支援専門員とは、障害のある人が自立した日常生活や社会生活を送ることができるよう、個別生活支援と地域づくりを両輪とした相談支援を実践するソーシャルワーク専門職です。

相談支援専門員の役割には、利用者の権利としての自己決定・自己実現(empowerment)を支える中立的介入・仲介(provid)と代弁(advocate)が基礎となります。

相談支援専門員は、ケアマネジメント過程において、利用者が自立した日常生活が送れる支援をするために、様々な社会資源や保健・医療・福祉サービスの調整を図ります。

そのときに、相談支援専門員は、本来の専門職としての基礎資格や職種があり、その上で制度上の相談支援専門員としての位置づけがあります。従って、それぞれの専門職としての倫理綱領などを遵守して行っていると思いますが、どの専門職においても共通して認識しているのは、「利用者の権利擁護」という倫理と基本姿勢です。

詳しくは、「日本相談支援専門員協会」のサイトでご確認ください。

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相談支援専門員の資格

実務経験と相談支援従事者初任者研修修了(2019年からのカリキュラムは42.5時間)の要件をいずれも満たした場合のみ、相談支援専門員の資格を取得したことになります。

相談支援専門員の初任者研修を受講するためには、障害者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における直接支援・相談支援などの業務における実務経験(3年~10年)が必要です。

また、資格を取得して実務についてからも、5年に1度の相談支援従事者現任研修(カリキュラムは24時間)を受講しない場合、相談支援専門員の資格は失効します。

主任相談支援専門員の資格

2019年から「主任相談支援専門員研修」カリキュラムが創設され、主任相談支援専門員は国により実施されます。

主任相談支援専門員研修 時間数
講義 障害福祉の動向及び主任相談支援専門員の役割と視点に関する講義 3時間
運営管理に関する講義 3時間
講義と演習 相談支援従事者の人材育成に関する講義及び演習 13時間
地域援助技術に関する講義及び演習 11時間
合計 30時間

介護支援専門員と相談支援専門員の違い

介護支援専門員は介護保険の分野で要介護者に対してケアマネジメントを行い、相談支援専門員は障害福祉の分野で障害者・障害児に対してケアマネジメントを行うという違いがあります。

介護支援専門員は、介護保険法において要支援・要介護認定を受けた人からの相談を受け、居宅サービス計画書や施設サービス計画書(ケアプラン)を作成し、他の介護サービス事業者や医療機関との連絡、家族などとの調整等を取りまとめ、介護保険の適正に利用した生活を支援する資格です。

相談支援専門員は、指定計画相談支援事業所・指定障害児相談支援事業所などで、「サービス利用支援」と「継続サービス利用支援」を行います。

福祉におけるケアマネジメントで大切なこと

障害者の相談支援業務に携わる職員(ケアマネジメント従事者)は、障害者基本法の理念を常に念頭において、個人の尊厳と社会、経済、文化活動の参加の機会を保障することが大切です。

第3条 すべての障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するものとする。
2 すべての障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする。

障害者基本法

障害をもつ方々が住み慣れた地域で自立した生活を送れるのことは当たり前のことです。しかし、自立した生活を送るためには、住み慣れた地域の様々なサービス資源や、保健・医療・福祉・教育・就労等をはじめとする様々な領域のサービスを上手に使ったり、地域の障害者に対する意識やかかわりを深めたり、また、地域(又は利用者・家族)が有している強さや力を引き出していくことが必要となりますが、それは容易にできるものではありません。

これらのことを、障害者のおかれている状況等を踏まえ、適切かつ総合的に課題調整する必要が生じてきます。その技法がケアマネジメントです。

ケアマネジメントの定義

ケアマネジメントの定義は多様ですが、「利用者が地域社会による見守りや支援を受けながら、地域での望ましい生活の維持継続を阻害するさまざまな複合的な生活課題(ニーズ)に対して、生活の目標を明らかにし、課題解決に至る道筋と方向を明らかにして、地域社会にある資源の活用・改善・開発をとおして、総合的かつ効率的に継続して利用者のニーズに基づく課題解決を図っていくプロセスと、それを支えるシステム」といえます。

障害福祉における相談支援とは

障害者自立支援法における自立支援を、給付をとおして行う場合は、ケアマネジメントの仕組みが導入され、相談支援を通してケアマネジメントの上でサービスを提供することとされました。相談支援については以下のように法で定義されています。

第5条
17  この法律において「相談支援」とは、次に掲げる便宜の供与のすべてを行うことをいい、「相談支援事業」とは、相談支援を行う事業をいう。
一 地域の障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等、障害児の保護者又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行い、併せてこれらの者と市町村及び第29条第2項に規定する指定障害福祉サービス事業者等との連絡調整その他の厚生労働省令で定める便宜を総合的に供与すること。
二 第19条第1項の規定により同項に規定する支給決定を受けた障害者又は障害児の保護者(以下「支給決定障害者等」という。)が障害福祉サービスを適切に利用することができるよう、当該支給決定障害者等の依頼を受けて、当該支給決定に係る障害者等の心身の状況、その置かれている環境、障害福祉サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案し、利用する障害福祉サービスの種類及び内容、これを担当する者その他の厚生労働省令で定める事項を定めた計画(以下この号において「サービス利用計画」という。)を作成するとともに、当該サービス利用計画に基づく障害福祉サービスの提供が確保されるよう、第29条第2項に規定する指定障害福祉サービス事業者等その他の者との連絡調整その他の便宜を供与すること。

障害者自立支援法

障害者総合支援法と児童福祉法に基づくサービス一覧

障害者・障害児に対する障害福祉サービスは「障害者総合支援法に基づくサービス」と「児童福祉法に基づくサービス」に分かれています。

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