地域包括支援センターの業務と役割 保健師(看護師)の視点

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地域包括支援センターという場所を知っていますか?聞いたことがあるけど、どんな場所?という方、聞いたこともない、という方、様々かと思います。

今回は私が看護師(保健師)として地域包括支援センターに勤務していた経験を踏まえ、センターの業務や役割についてご紹介していきたいと思います。

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地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは、ざっくりと言うと地域の高齢者の「よろず相談窓口」です

介護保険の申請手続きや高齢者の相談

介護保険の申請手続きや、時には高齢者本人が自分の現状に不安を抱えて相談に来たり、高齢者のご家族が相談に来たりもします。また、民生委員の方が、「最近〇〇さんの姿が見えなくて…」「何だか、●●さんが同じ物を1日に何度も買っているようで…」等と第三者が相談に来ることもあります。

保健師として健康や介護予防についての講義、介護予防体操

私は保健師という医療職の立場で勤務していたため、介護予防の一環として出張出前講座等で地域の高齢者の集まるサロン等で健康や介護予防についてのプチ講義等を行ったり、介護予防体操等を行ったりもしていました。

独居高齢者に対して訪問

さらに、最近では認知症の高齢者の増加もあり、認知症高齢者にフォーカスした活動も行っており、独居高齢者に対して訪問を行い、生活の実態把握や、訪問してお話をして、地域包括支援センターについて知ってもらったり、困ったときの窓口にしてもらうための活動等も行っていました。

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地域包括支援センターのケアプラン作成業務

地域包括支援センターでは介護認定で「要支援」となった高齢者の「ケース担当」として、介護予防のための支援計画(ケアプラン)を作ったり、定期的に自宅の訪問をしたり、時には必要な公的サービスを導入したりと、いわゆる「ケアマネ」に近い業務も行います。私は、医療職ということで医療ニーズが高い高齢者を担当していましたが、センターに在籍する職種(主に主任ケアマネ、保健師、社会福祉士等)によって、ニーズの異なる高齢者を担当していました

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地域包括支援センターの1日の流れ

さて、それでは地域包括支援センターのとある1日についてご紹介していきたいと思います。

朝は朝礼、ミーティングから始まります。自分が担当している高齢者に変わりがあれば報告し、また困難なケースについては皆で話し合いを行い、今後の方向性を決めたりもします。

業務を開始したら、主に相談業務、介護予防支援計画の見直しや作成、定期的なモニタリング訪問、サービス事業者とのやり取りやサービス調整等を必要に応じて行っていきます。

地域包括支援センターでのケースのモニタリング訪問

モニタリング訪問というのは、自分が担当している高齢者の介護予防支援計画を見直すという意味でもあり、今利用しているサービスは活用できているか、新たなサービスは必要かどうか等を担当している高齢者と話していきます。簡単に言うと介護予防支援計画の中間評価、のようなものです。これにあたっては、高齢者の身体状況や生活の変化等を把握して、今あるサービスは適切かどうか、介護認定の見直しが必要かどうか等の総合的なアセスメント(評価)が必要になります。

サービス事業者とのやり取りやサービス調整等

サービス導入時には、サービス事業者と高齢者の架け橋のような役割を担い、例えばデイサービスであれば体験の付き添いをしたりもします

全身状況に変化が出てきたり、「ん?」と思うことがあれば許可を得て通院に同行させてもらうこともあります。

薬の内容、今の現状等を担当医と相談したりもします。そのようにして、介護予防支援計画の見直し等に反映させていきます。

地域包括支援センターでの相談業務

さて、相談業務についてですが、基本的に地域包括支援センターは高齢者の「よろず窓口」であるため、いろんな相談に高齢者がやってきます。

多くは高齢者の家族で、介護認定の申請をしたい、介護保険について知りたい、サービスについて知りたい、といった内容が多くを占めますが、時には「●●さんの姿を何日も前から見ていない」「どうやら家からほとんど出ていないようだ」等と第三者からの相談があったり、自治体からの情報提供等もあります。

状況に応じて、訪問をしたり、電話等で現状把握を行ったりします。

また、地域独自のサービスもあり(配食サービスや介護予防事業等)、その手続きや必要に応じて導入を行ったりもします。

介護保険サービスとは異なり、地域独自のサービスはあまり情報が浸透していないことも多く、情報を広めていくことも地域包括支援センターの大きな役割になります。

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地域包括支援センターでの認知症高齢者に対する取り組み

最近では認知症高齢者に対する取り組みも多く行われており、「認知症サポーター養成講座」なるものを行ったりもしています。認知症サポーターは、地域の認知症を抱える高齢者を支え、見守る役割があります。地域の住民や、公的機関、一般企業等でも行われ、認知症についての知識、認知症高齢者に対する対応等について、情報を周知していきます。

これについても、地域包括支援センターでの大切な役割となっています。

私が担当したケースの中で、八百屋さんからの相談で地域での認知症の方に早期に気付けていろいろな支援ができた事例を紹介します。

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地域包括支援センターの出張出前健康講座や健康相談

そして、保健師等の医療職は出張出前健康講座と題して、地域の高齢者サロン等に出向いて健康相談を受けたり、介護予防についての情報提供、介護予防体操等を行ったりもします。

他職種では、社会福祉士は主に高齢者の権利擁護に携わり、虐待が疑われる高齢者に対する対応を行ったりもします。残念ながら、介護している家族からの虐待を受けている高齢者は少なくなく、また表面化しにくいために、第三者からの情報提供やセンターからの情報収集、自治体との密なやり取りの中で虐待を受けている高齢者の発見に努めます。

このような業務も、大切な地域包括支援センターの役割となっています。

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まとめ

今回は地域包括支援センターの主な業務についてお話しました。地域包括支援センターは、自治体に必ず設置されています。高齢者だけでなくら様々な相談も受け、必要に応じて情報提供をしたり、様々な案内を行ったりもしています。

地域の中で何か困りごとがあれば、ぜひ地域包括支援センターに足を運んでいただけたらと思います。

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