五月病の原因と対策・うつ傾向の予防 セロトニン分泌

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5月の五月病対策・うつ病について薬剤師視点で解説します。非常に寒い2月、3月が終わり寒暖差が多い4月もようやく終わりました。今年の4月はとくに気温の変動が激かったですね。気温の変動がはげしいと自律神経の調子が悪くなります。新しい季節の環境温度変化で疲れが身体症状に多く出始める5月です。

五月病とは

五月病は、おもにゴールデンウィーク明けごろから症状が現れます。倦怠感や虚脱感などをともなう体と心の不調を示します。5月病をきっかけに長期のうつ病になっていく場合もあります。

五月病の原因

環境変化や気温の変化に対応しなければいけない身体へのストレス・疲れや緊張状態が続くと徐々に自律神経の異常や身体状態に異常をきたします。過度のストレスや緊張状態は、脳内の神経伝達物質セロトニンの分泌を不足させます。セロトニンは、感情をコントロールやうつな気分を改善するので、セロトニンの分泌の低下はうつ病につながっていきます。特に高齢者は、そのような環境変化・気温変化に対応する力が低下していますし、セロトニンの分泌量も少ないので、より5月病や身体と心の不調、その後のうつ病になりやすいです。
セロトニンは幸せホルモンなどと呼ばれ最近注目されていますね。
5月病の発見と早期治療を行わなず一ヶ月くらい症状が持続するとうつ病につながっていく恐れがあります。

五月病からうつ病に移行しそうなときの早期発見ポイント

  • なかなか布団から出たがらない
  • 食欲の低下している
  • 身だしなみを整えるのをいやがる
  • 喜怒哀楽など表情がなくなっている
  • めまい、耳鳴り、ふらつきなどの症状を最近訴え始めた
  • 人に会ったり、動くのをいやがる
  • 頭痛や動悸や腹痛など体調不良を訴え始めた

などの症状がみられる場合は早期に医師にみてもらいましょう。

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うつ病について

憂うつな気分や気持ちが重いといった抑うつ状態がほぼ一日中あり、それが長い期間続くというのはうつ病の代表的な症状です。うつ病の診断はむずかしく他の統合失調症やそううつ病など専門的な診察が必要です。うつ病は早期治療で、早期回復することも多いので、患者様がそういった状態であれば受診してください。

うつ病の治療薬・医薬品 抗うつ薬の種類

うつの治療には抗うつ薬と呼ばれる医薬品が使用されます。

SSRI(デプロメール、ルボックス、パキシル、ジェイゾロフトなど)

比較的多くの患者様に使用されています。抗コリンの副作用が少ないため安全性も高いといわれてます。胃腸障害、嘔吐、下痢もあるためとくに初期には副作用に注意しながら服用する必要があります。また、効果があらわれるまで、数週間かかるので効果が現れるまで、しばらく服用続けて下さい。胃腸障害が強い場合は、ガスモチン(モサプリド)を処方してもらうと良いでしょう。どのSSRIが患者様にあってるかは服用してみないとわからないため、効果がみられない、副作用が強い場合は変えてもらってください。

SNRI(サインバルタ、トレドミン、イフェクターなど)

SSRIよりは意欲向上に効果があります。副作用として抗コリン作用から尿閉、頭痛、頻脈などもあるため、心臓疾患や前立腺肥大症の患者様は注意しましょう。

三環形抗うつ薬・四環形抗うつ薬(トリプタノール、アモキサン、テトラミド、ルジオミールなど)

比較的昔から使われている抗うつ薬です。効果も強いですが、副作用も強いので、眠気、尿閉、頭痛、頻脈、便秘、胃腸障害に注意しましょう。

NaSSA(リフレックス、レメロンなど)

最近、発売された新しい抗うつ薬です。極力な抗うつ作用をもっており、胃腸障害も少ない薬です。副作用として、眠気が表れることが多いので、寝る前服用になっています。高齢者様の眠気、ふらつき、転倒には十分注意して下さい。服用時期も寝る前服用になってることが多いです。

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五月病とうつ傾向の対処と予防のポイント

運動 有酸素運動でストレス解消、脳内セロトニンを活発に

少しでも体を動かす。ちょっとしたラジオ体操やウォーキングなどの有酸素運動。有酸素運動は脳の血流を良くします。脳内のセロトニンの働きが活発になり、軽度なうつ症状改善します。また、身体的・精神的なストレスの発散にもなります。

生活リズム 日光浴、睡眠時間、食事の時間などリズムを

朝日を浴びる。太陽の光を浴びると体内からセロトニンが放出されます。また、睡眠時間や食事などの生活リズムを整えることも重要です。生活リズムにも注意しましょう。

食事 バナナ、豆腐、ヨーグルトなどはセロトニンが豊富

五月病やうつ傾向では、セロトニンを多く含む食品がお勧めです。バナナ、豆腐、みそなどの大豆製品。ヨーグルトなどの乳製品は、セロトニンを多く含んでいるのでしっかりとると効果的です。

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抗うつ薬の注意点・留意点

・抗うつ薬を服用する場合、併用薬には十分注意して下さい。自律神経薬や睡眠薬をすでに服用していることもあるので、眠気、ふらつきには十分注意して下さい。
・高齢者は、胃粘膜の分泌や胃腸の運動が低下しています。抗コリン作用から来る胃腸障害を起こすことが多いので、注意して下さい。前立腺肥大症も高齢者の男性は必ずといっていいくらいなっているので、尿閉の副作用も気をつけてください。花粉症の時期で服用しているアレルギー薬も尿閉の副作用があるので、併用する場合は気をつけてください。
・SNRIのサインバルタは最近、整形外科的な痛み、しびれなどで処方されていることがあります。特に高齢者の痛み、しびれで服用している方が多いです。うつ病になっていない患者様でもSNRIを飲んでいる場合があるので、併用薬を再度確認してください。

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