障害児福祉手当と特別児童扶養手当 対象や支給月額、支払時期

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障害のある20歳未満の方は「特別児童扶養手当」と「障害児福祉手当」を受け取れる可能性があります。「障害児福祉手当」「特別児童扶養手当」は、それぞれに条件や内容は違います。

児童を養育している方には「児童手当」の制度があります。

このほかに、重度障害児に対しては「障害児福祉手当」、精神または身体に障害を有する20歳未満の子を扶養している家庭には「特別児童扶養手当」を受けることができる可能性があります。特別児童扶養手当の障害程度認定基準についても一部紹介します。

障害児福祉手当とは

障害児福祉手当は、重度障害児に対して、その障害のため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給することにより、特別障害児の福祉の向上を図ることを目的としている給付制度です。

障害児福祉手当の支給要件

精神または身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満の者に支給されます。

障害児福祉手当の対象

障害児福祉手当の障害程度認定の詳細は、「障害児福祉手当及び特別障害者手当の障害程度認定基準について」で定められています。

  1. 両眼の視力の和が0.02以下のもの
  2. 両耳の聴力が補聴器を用いても音声を識別できない程度のもの
  3. 両上肢の機能に著しい障害を有するもの
  4. 両上肢の全ての指を欠くもの
  5. 両下肢の機能を全廃したもの
  6. 両大腿を2分の1以上切断したもの
  7. 体幹の機能に座っていることができない程度の障害をもつもの
  8. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が1~7号と同程度以上と認められる状態で、日常生活ができない程度のもの
  9. 精神(知的を含む)の障害で前各号と同程度以上と認められるもの
  10. 身体の機能の障害・病状又は精神の障害が重複する場合でその状態が前各号と同程度以上と認められるもの
    視力の測定は、万国式視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によって測定する。

障害児福祉手当の支給月額(令和2年4月より適用)

障害児福祉手当の支給月額 14,880円

障害児福祉手当の支払時期

障害児福祉手当は、原則として毎年2月、5月、8月、11月に、それぞれの前月分までが支給されます

障害児福祉手当の所得制限(令和3年8月以降適用)

受給資格者(重度障害児)の前年の所得が一定の額を超えるとき、もしくはその配偶者又は受給資格者の生計を維持する扶養義務者(同居する父母等の民法に定める者)の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。

扶養親族等の数 受給資格者本人 受給資格者の配偶者及び扶養義務者
所得額(※1) 参考:収入額の目安(※2) 所得額(※1) 参考:収入額の目安(※2)
0 3,604,000円 5,180,000円 6,287,000円 8,319,000円
1 3,984,000円 5,656,000円 6,536,000円 8,586,000円
2 4,364,000円 6,132,000円 6,749,000円 8,799,000円
3 4,744,000円 6,604,000円 6,962,000円 9,012,000円
4 5,124,000円 7,027,000円 7,175,000円 9,225,000円
5 5,504,000円 7,449,000円 7,388,000円 9,438,000円

 

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特別児童扶養手当とは

特別児童扶養手当は、精神または身体に障害を有する児童について手当を支給することにより、これらの児童の福祉の増進を図ることを目的にしている給付です。

特別児童扶養手当の支給要件

20歳未満で精神または身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給されます。

特別児童扶養手当の支給月額と条件概要(令和2年4月以降)

1級 支給月額 52,500円

  1. 両眼の視力の和が0.04以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
  3. 両上肢の機能に著しい障害を有するもの
  4. 両上肢のすべての指を欠くもの
  5. 両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  6. 両下肢の機能に著しい障害を有するもの
  7. 両下肢を足関節以上で欠くもの
  8. 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることのできない程度の障害を有するもの
  9. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする症状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
  10. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  11. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の状態が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの

2級 支給月額 34,970円

  1. 両眼の視力の和が0.08以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
  3. 平衡機能に著しい障害を有するもの
  4. そしゃくの機能を欠くもの
  5. 音声又は言語機能に著しい障害を有するもの
  6. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの
  7. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの
  8. 上肢の機能に著しい障害を有するもの
  9. 上肢のすべての指を欠くもの
  10. 上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  11. 両下肢のすべての指を欠くもの
  12. 下肢の機能に著しい障害を有するもの
  13. 下肢を足関節以上で欠くもの
  14. 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
  15. 前各号に掲げる者のほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるが、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とするもの
  16. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  17. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号同程度以上と認められる程度のもの

特別児童扶養手当の障害程度認定基準

特別児童扶養手当の認定は、障害程度認定基準で行われます。一部障害程度認定基準から参考に記載します。

知的障害の場合
障害の程度 障害の状態
1級 知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級 知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの

精神発達遅滞の1級と2級の程度を例示すれば、標準化された知能検査による知能指数がおおむね35以下のものが1級に、おおむね50以下のものが2級に相当すると考えられます。
知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断されます。

発達障害の場合

発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいいます。発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定が行われます。

障害の程度 障害の状態
1級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動が見られるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動が見られるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの

特別児童扶養手当の支払時期

特別児童扶養手当は、原則として毎年、毎年4月(12~3月分)、8月(4~7月分)、11月(8~11月分)に支給されます

特別児童扶養手当の所得制限(令和3年8月以降適用)

受給資格者(障害児の父母等)もしくはその配偶者又は生計を同じくする扶養義務者(同居する父母等の民法に定める者)の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。

扶養親族等の数 受給資格者本人 受給資格者の配偶者及び扶養義務者
所得額(※1) 参考:収入額の目安(※2) 所得額(※1) 参考:収入額の目安(※2)
0 4,596,000円 6,420,000円 6,287,000円 8,319,000円
1 4,976,000円 6,862,000円 6,536,000円 8,586,000円
2 5,356,000円 7,284,000円 6,749,000円 8,799,000円
3 5,736,000円 7,707,000円 6,962,000円 9,012,000円
4 6,116,000円 8,129,000円 7,175,000円 9,225,000円
5 6,496,000円 8,546,000円 7,388,000円 9,438,000円

特別児童扶養手当を受ける手続き

お住まいの市区町村窓口で、次の書類を添えて請求の手続きをしてください。

特別児童扶養手当は、原則として認定請求をした日の属する月の翌月から(3月に請求した場合は4月分から)支給されます。

  • 請求者と対象児童の戸籍謄本または抄本(外国籍の人は登録済証明書) ※交付日から1か月以内のもの。
  • 対象児童の障害についての医師の診断書等(※指定の様式) ※診断書作成日から1か月以内のもの(疾病により必要な書類が追加される場合があります。)
    (なお、身体障害者手帳、療育手帳を取得している方は、診断書を省略できる場合があります。詳しくは市区町村窓口でおたずねください)
  • 銀行等の口座番号と口座名義が確認できるもの(請求者名義のもの)
  • その他必要書類(詳しくは市区町村窓口でおたずねください)

所得状況届

特別児童扶養手当を受けている方は、毎年8月12日から9月11日の間に「特別児童扶養手当所得状況届」を提出しなければなりません。この届の提出がないと、8月分以降の手当が受けられなくなります。

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20歳以上の場合は特別障害者手当

20歳未満の場合には精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助となる「障害児福祉手当」が支給されますが、20歳以上の障害者は「特別障害者手当」という制度があります。

このほかにも身体障害者手帳や障害年金など、障害の状況や生活状況などにより受けれられる制度は様々あります。

 

自分から申請を行わないとならない制度が多く、知らないと制度の利用ができず過ごしてしまうこともあるため、この制度をきっかけに利用できる制度がないかを相談したりしてみてもよいかもしれません。

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