接骨院・整骨院とは 整形外科との違い、保険適用の範囲
 

接骨院と整体院とは何か、整形外科や整体院との違い、柔道整復師が扱うことができる健康保険の療養費適用の範囲と、不正請求の例などについて紹介します。伝統医学の一つとして昭和11年から制度がされている柔道整復師の施術所である接骨院・整骨院について、詳しく紹介します。接骨院の不正の事例等についても紹介していますが、健全な医療費運用や法令遵守を啓発するものであり、施術をすることや施術を受けることを否定するものではありません。

接骨院・整骨院とは

接骨院は、厚生労働省が定める施術所の中で、国家資格である柔道整復師が日本の伝統医学の1つである柔道整復術を行う施設です。法令上は「柔道整復の施術所」とされていますが、一般的には、接骨院、整骨院、ほねつぎなどと呼ばれます。

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接骨院では、外科的手術や投薬といった医療的手技を使用せずに、「施術」を用いてその回復を図る代替医療・医療類似行為が行われます。柔道制服の施術に対しては、1936年(昭和11年)から健康保険の給付が開始されています。

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整形外科と接骨院・整骨院の違い

整形外科は、医師免許を持つ整形外科医が骨・関節・筋肉などの骨格や運動器、末梢神経・脊椎脊髄などをメインに検査、診断、治療等を行います。医師であるので、整形外科の専門外である疾患が疑われる場合などには、適切な処置や医療連携等が行われます。

整形外科では、医師の診察時に、X線(レントゲン)やMRIなど画像所見や、理学的検査、症状などをもとに診断し、症状や病態にあわせて投薬、注射、手術、リハビリテーション等などで治療します。整形外科は意思免許を持つ医師が診断・治療を行うため、医療行為にあたる範囲のことも行われます。

接骨院や整骨院という名称で営業している施設では、柔道整復師が捻挫や打撲に対して、マッサージや物理療法などの施術を行います。柔道整復師は医師ではなく、あん摩・マッサージ、はり・灸師と同じ医業類似行為の資格です。

接骨院と整体院の違い

整体という言葉もありますが、整体院の場合には柔道整復師などの資格を持っていない施術者が開業していることも多い営業形態で、保険適用ではなく自費で受ける施術です。接骨院や整骨院が、健康保険適用外の自費の施術として整体を行っている場合もあります。

接骨院・整骨院の対象の業務範囲と対象外の疾患

外傷による捻挫・打撲に対する施術と骨折・脱臼の応急処置が業務範囲で、肩こりや腰痛、変形性関節症、頭痛、脳卒中の後遺症などの手足の痺れのような慢性疾患は取り扱えません。また、日常生活からくる筋肉痛に対する施術に健康保険は使えません。

外傷による捻挫・打撲と、骨折・脱臼の応急処置以外は、接骨院で保険適用で取り扱うことはできないため、柔道整復師としては施術する患者をできるだけ外傷による捻挫・打撲扱いにしてしまい、不正であり、かつ不適切な施術が長期間に渡って行われるという問題点があります。

外傷による捻挫・打撲についても長期間にわたり施術を受け続ける状態の場合には、根本原因を把握し治療をしていくためにも、医学的な観点から幅広い疾患の可能性を探り適切な診断のもとで治療を受けることができる整形外科への受診を検討すべきです。

柔道整復師の施術を受けるために医師の同意が必要なケース

骨折・脱臼の応急処置は医師の同意は必要ありませんが、応急処置後の施術を行うためには医師の診察と同意が必要とされており、医療機関のカルテに診察したことと柔道整復師の施術に医師が同意した事実が記載されている必要があります。

接骨院・整骨院の不正請求問題

「スポーツ整骨」や「スポーツ疲労への施術」などを広告している接骨院等も見られますが、保険適応となる接骨院での施術の範囲は「外傷による捻挫・打撲」であることに注意し、領収書などの内容を確認しましょう。柔道整復師が不正して保険請求していた場合、本来患者側は騙されていただけなので悪気はありませんが、後から全額自己負担で支払わなければならなくなることなども可能性としてはあります。

接骨院から整骨院からの請求の中には、慢性の肩こりなど保険診療の対象にならない施術に対して、「外傷による捻挫や打撲」ということにして請求したり、架空請求などが見受けられます。

接骨院に通院すると、健康保険を使って外傷以外の疾患で通うことは違法です。接骨院・整骨院の柔道整復師は医師ではありませんので、接骨院・整骨院も保険医療機関ではありません。
したがって、保険医療機関における「治療」と判別するために、柔道整復師は「施術」という表現が用いられています。

接骨院・整骨院の不正への加担に注意

外傷による急性の捻挫・打撲ではないが虚偽の請求を行う不正の例

外傷による急性の捻挫・打撲ではないにも関わらず、虚偽の請求を行う不正は数多く発生しています。

従来接骨院・整骨院の業務範囲を超えているにもかかわらず、虚偽の報告や請求をしたり、架空請求なども頻発していることから、患者側に健康保険関連で書類や電話等での照会があることもあります。

「保険組合や健保から何か届いたら持ってくるように」「回答はこう書きなさい」「こう答えないと保険適応になりませんよ!」などと柔道整復師が指南して本来は柔道整復師の対象の業務範囲でない疾患などを、嘘をついて報告・請求することに加担してしまうことがあります。このような患者側への確認は、柔道整復師の誤請求や不正請求による医療費の増大を防ぎ、請求内容が適正であるかを判断するために、負傷原因や施術内容を確認するものですので、指南されたことに従い不正に加担しないよう、自分で正確な受傷経緯や症状、受けた施術の内容などを伝えるようにしましょう。

施術していないが保険証を借りて施術したと架空請求を行う例

明らかに悪質ですが、その人を施術していないときでも施術したかのように記録し、レセプト(医療保険の請求)を作成して架空請求するという例もありました。
また、開業祝いに施術をしてない仲間内の人から保険証を借りて、捻挫や打撲したことにして記録し、レセプトを作成して架空請求するという例もありました。

健康保険の療養費支給は闇が深い

全国に接骨院・整骨院は約4万院あると言われ、柔道整復師は全国に6万人ほどいます。接骨院や整骨院などで行われる柔道整復師の施術に係る療養費支給が4000億円ほどで推移しています。

あん摩マッサージ指圧師は全国に11万人ほど、はり師・きゅう師は全国に10万人ほどいますが、健康保険の療養費支給は柔道整復師の請求額の数割程度である500億円ほどです。それぞれが役割や業務範囲は異なるのですが、不正により水増しされているということも影響していると考えられており、この記事で紹介したように近年は不正が内容を確認することが増えています。

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