住民税非課税世帯とはどんな人のことなのか、住民税非課税世帯はどれくらいいるのかの割合、住民税非課税世帯の対象となる収入・所得の目安など、単身者・年金収入のある人、生活保護を受けている人などのケースも用いて解説します。
新型コロナウイルス感染症の影響により1世帯当たり10万円の臨時特別給付や、物価高対策として1世帯あたり5万円の給付など、低所得者を救済する福祉施策の対象として「住民税非課税世帯」という言葉が使われることが増えています。住民税非課税世帯とはどんな世帯なのかまとめました。
このページの目次
住民税とは
一般的に「住民税」と呼ばれているのは、個人の市民税と都道府県民税を合わせたものです。
市町村や都道府県が行う行政サービスなどに必要な経費を、住民が税金として負担するものです。
均等割と所得割
住民税には「均等割」と「所得割」があり、合計額が年税額となります。均等割と所得割は共に地方税法で標準税率が定められていまが、ほとんどの市区町村は標準税率を採用しているため、住む市町村によって税額が異なることはほぼありません。
均等割とは
均等割とは、納税義務者の所得金額に関わらず、均等に納付する個人住民税です。
均等割は、5,000円(市区町村民税:3,500円、都道府県民税:1,500円)
所得割とは
所得割とは、納税義務者の所得に応じた額を納付する個人住民税です。
所得割は、納税義務者の前年中の所得に応じて計算された税額が課税されます。
所得割の税額は、「(前年中の総所得金額-所得控除額)×10%-調整控除額-税額控除額」で求められます。
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住民税非課税世帯とはどんな人
住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税の所得割・均等割ともに非課税の世帯です。
前年の合計所得金額が次で計算した金額以下となる場合には、住民税が非課税となります。
同一生計配偶者、扶養親族がいない場合
前年の合計所得金額が 45万円以下(給与収入のみの場合、年収100万円)
同一生計配偶者 または 扶養親族がいる場合
前年の合計所得金額が「35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+31万円」以下
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住民税非課税世帯の割合はどれくらいいるのか
全国の住民税非課税世帯は全体のどれくらいの割合なのか調べたかったのですが、厚生労働省がおこなっている国民生活基礎調査などの結果からは、住民税非課税世帯を直接的に集計しているデータを見つけられなかったため、福島県郡山市の公表したデータを引用し紹介させていただきます。
福島県郡山市の2021年度の住民税非課税世帯数は30,457世帯であり、全143,866世帯の 21.17%の割合となっていたそうです。
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住民税非課税世帯かはいつ決まる?簡単にわかる方法
1月1日から12月31日までの所得額に住民税額が決まり、6月以降に納税通知書が送付されますので、納税通知書が来た人は住民税非課税ではなく、住民税が課税されています。また、給料をもらっている場合には、住民税を特別徴収で納税するため、給与明細に住民税の記載がある場合には住民税が課税されている状態です。
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住民税非課税世帯に該当する世帯年収・所得の目安
一人暮らしの場合、住民税非課税世帯になるのか
一人暮らしの場合でも、自分一人の世帯なのか、世帯をともにする人がいるのかによって条件が変わります。
同一生計配偶者、扶養親族がいない場合は、前年の合計所得金額が 45万円以下(給与収入のみの場合、年収100万円)で住民税非課税世帯に該当します。
新卒・新社会人で一人暮らしの場合、住民税非課税世帯になるのか
新卒の場合、自分一人の世帯なのか、世帯をともにする人がいるのかによって条件が変わります。
同一生計配偶者、扶養親族がいない場合は、前年の合計所得金額が 45万円以下(給与収入のみの場合、年収100万円)で住民税非課税世帯に該当します。
年金で生活している場合、住民税非課税世帯になるのか
厚生年金・国民年金も「雑所得」として住民税や所得税の対象となります。遺族年金や障害年金は対象となりません。
年金受給のみの収入で、年金収入が以下ような場合には住民税非課税となります。 ※年金の月額は目安です
65歳以上で配偶者のいない方で、年金収入が1,480,000円以下(およそ月12万円以下、年間の所得が380,000円以下)
65歳未満で配偶者のいない方で、年金収入が980,000円以下(およそ月8万円以下、年間の所得が380,000円以下)
65歳以上で配偶者のいる方で、年金収入が1,928,000円以下(およそ月16万円以下、年間の所得が828,000円以下)
65歳未満で配偶者のいる方で、年金収入が1,470,666円以下(およそ月12万円以下、年間の所得が828,000円以下)
老後の年金がどれくらいもらえるのかについては、こちらで参考額を紹介しています。
生活保護を受けている場合、住民税非課税世帯になるのか
生活保護法の規定による生活扶助を受けている場合には、所得割・均等割ともに課税されませんので、生活保護を受けている場合は住民税非課税世帯となります。
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住民税のかからない所得
住民税のかからない所得には、主に次のようなものがあります
- 障害年金や遺族が受ける恩給や年金
- 雇用保険の失業給付
- 生活保護の給付
- 通勤手当のうち月額15万円まで
- 相続、贈与などによる所得(相続税や贈与税の対象になります)
- 児童手当(児童育成手当は課税対象になります)
- 出産手当金
- 育児休業給付金
- 傷病手当金
- 特別定額給付金
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「住民税非課税世帯」という区分を優遇しすぎる問題
政府は、低所得者の救済という福祉施策として、現金給付の対象を「住民税非課税世帯」とすることが増えています。「住民税非課税世帯」の生活が苦しいことは確かですが、住民税が非課税であるという取扱いを受けている他にも、介護保険料の減額、介護にかかる費用などの減額、高校生等奨学給付金なども受けることができ、恩恵・メリットが多く見えてしまいます。
「住民税非課税世帯」を優遇しすぎる政策は、ずるいという感覚を生み、偏見や差別を助長する可能性があります。税金はみんなから集められて、困っている人や生活環境維持のために再分配されるものですが、集める対象から除外し、再分配方法に一定の公平さがない政策だと、妬みや分断の原因になります。政治家は支持率調整のために恩を売ろうとすることもありますが、みんなが同等に苦しさを感じる中で、特定の属性の人にだけ恩恵がある施策はかえって印象が悪くなるのではないかと思います。
誰からも批判が出ない形で福祉施策を立案・実行することは難しいことですが、福祉枠で対象者を区分して特別扱いすることは、分断を生みますので、できるだけ区分を作らない施策の方が良いですよね。ずるいとか、なんでこの人たちだけ…、という気持ちにならず、公平でやさしい気持ちでみんなが考えられる福祉が今求められていると思います。
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