労災保険では、通勤中の事故による負傷、疾病、障害または死亡について、通勤災害として労災補償の対象としていますが、通勤であるかの範囲には特別な決まりがあります。
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労災保険が適用される「通勤」とは
労災保険が適用される「通勤」とは、就業に関し、住居と就業の場所との間の往復を、合理的な経路および方法で行うことをいいます。移動の経路を逸脱(合理的な経路からそれること)、または中断(通勤とは関係のない行為を行うこと)した場合には、逸脱・中断の間およびその後の移動は、原則として「通勤」とはなりません。ただし、その逸脱・中断が、日常生活上必要なことを最小限行うものであれば、逸脱・中断の間を除いて、通勤と認められます。
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労災認定されると受けることができる補償や給付
労災認定(補償対象として認定)されると、労働中や通勤中に災害にあった被保険者の療養嵩でなく、休業中の補償や社会復帰、被保険者の遺族への援助なども受けられることがあります。
労災保険で補償対象となったときの主な補償や給付
- 療養給付(補償)
- 休業給付(補償)
- 障害給付(補償)
- 遺族給付(補償)
- 傷病年金(補償)
- 介護給付(補償)
- 葬祭料
労災の認定を受けるための申請や医療機関の受診などの注意点については以下の記事で詳しく紹介しています。
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労災保険の通勤災害の対象になる「⽇常⽣活上必要な⾏為」の判断基準
職場と住居を往復するときに、寄り道や買い物、通院などをしてしまうこともあるかと思います。
合理的な通勤ルートで、通勤を中断した場合でも、以下のような範囲で、通勤災害の対象となるというルールになっています。
(2)職業訓練や学校教育、その他これらに準ずる教育訓練であって職業能⼒の開発向上に資するものを受ける⾏為
(3)選挙権の⾏使や、これに準ずる⾏為
(4)病院や診療所において、診察または治療を受ける⾏為や、これに準ずる⾏為
(5)要介護状態にある配偶者、⼦、⽗⺟、配偶者の⽗⺟、孫、祖⽗⺟および兄弟姉妹の介護のため、合理的な通勤経路を逸脱・中断した場合
つまり、住居と職場をつなぐ合理的な通勤ルートで、病院に行ったり、日用品の買い物をしたり、選挙の投票に行った場合でも、事故による負傷、疾病、障害または死亡が起きた時には、通勤を中断してはいますが、日常生活上必要な行為として労災保険の対象と判断されることもあるということです。
親の介護のために立ち寄るなどで通勤を中断・経路を逸脱した場合も、労災保険の対象として判断されることもあります。
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自動車通勤と申請していたが、自転車で通勤して怪我した場合にも労災保険の給付申請可能か
自動車通勤と申請していたが、自転車で通勤して怪我をしてしまった場合などでも、労災保険の給付申請は可能です。会社が認めた経路、事前に申請した通勤方法以外の通勤方法は『合理的ではない』通勤であり、労災保険は適用されないと決めつけて、労災保険の給付申請を行わない会社が多いですが、合理的な通勤であるかの判断は労働基準監督所が行います。
自転車通勤・バス通勤・バイク通勤・徒歩通勤・電車通勤・自家用車通勤などいろいろな通勤方法がありますが、天候や状況などいろいろな条件のなかで合理的な通勤方法の判断は変わってきますので、会社に申請している通勤方法じゃないから通勤中に事故や怪我をしても労災保険の対象ではないと判断してしまうことはないように覚えておいてください。
就労規則等で禁止されている通勤方法やルートなどがある場合には、労災保険の適応かという枠組みとは別で、就労規則違反などの処分はありえます。
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子育て中で共稼ぎ労働者が保育園などに寄る通勤経路には労災保険が適用される
厚生労働省の通達で、子育て中で共稼ぎ労働者が託児所・保育園などに寄る通勤経路での事故でも、労災保険の対象になる合理的な経路と認められると通達が出ています。
「他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働者が託児所、親せきなどにあずけるためにとる経路などは、そのような立場にある労働者であれば、当然、就業のためにとらざるを得ない経路であるので、合理的な経路となるものと認められる」
基発0331第21号「子ども ・子育て支援法等の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令の制定に伴う労働者災害補償保険法施行規則の一部改正」, 厚生労働省, 平成27年3月31日)
保育園へ子供を送迎した場合も、労災保険が適用される「通勤」と認められていますが、共働き労働者と前置きがあることから、立場も考慮して労働基準監督所が合理的であるかの判断を行うようです。
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労災保険と健康保険、業務中や通勤中の事故の報告や申請の注意点
仕事中かどうか、通勤途中がどうかで、労災保険と健康保険のどちらの保険の適用になるかが、決まります。健康保険は、一般生活での怪我や病気、出産、死亡などに対する保険です。
介護・看護・保育などの仕事中に怪我をしたというケースでは、労災保険の適用を受けることになります。
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