浮腫の原因・症状(徴候)・種類とその原因ごとの症状の特徴について紹介します。外傷性浮腫・炎症性浮腫・リンパ性浮腫・静脈性浮腫、内臓疾患性浮腫(心臓、腎臓、肝臓、内分泌)などがあり、併発する症状や特徴の違いがあります。
原則、主治医の観察・指示のもとで対応方法や治療は進められるべきですが、どのような種類があり、どのような原因が多いかの概略を紹介します。
このページの目次
浮腫とは
浮腫とは、医学用語で皮下組織(皮膚の下部)に水がたまった状態のことです。「ふしゅ」という読み方をします。一般的には「むくみ」と呼ばれ、手足、顔などがはれぼったくなるような状態のことです。
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浮腫の病態と原因
人間の体重の60%は水(体液)であり、体内の生体反応はすべて体液を媒体にして行われています。体の中の水分である体液には、細胞内液と細胞外液の2種類に分けられます。
浮腫の成り立ちに重要な 細胞内液と細胞外液のバランス
体の中のすべての細胞は細胞外液中に浮かぶ島のような存在で、細胞外液はさらに「血漿(けっしょう)」と「組織間液」に分けられ、それぞれに含まれるイオン組成の違いにより、酸素、栄養素、老廃物の循環を担っています。
浮腫の原因
浮腫の主要な原因は、細胞間液と血管内の水分バランス(局所的因子)と、生体内外の水分バランス(全身性因子)の二つが関与しています。
このバランスを保つシステムとして、Stralingの法則(スターリングの法則)に代表されるような「毛細血管透過性」「静水圧」「膠質浸透圧」「組織圧」、「血圧」「毛細血管の収縮」「筋肉の運動」などの調和により組織の水分量が調整されています。
いろいろな仕組みがあり、体の中の細胞の中や外の水分量やpHなどが一定に保たれているのですが、このバランスが崩れてしまい、通常よりも水分が溜まってしまってしまうことが浮腫の原因です。
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浮腫の種類と症状の特徴
浮腫の種類には、その原因や特徴から3種類に分けることができます。
局所性浮腫
局所性浮腫とは、「足だけ」「怪我をしたところだけ」など全身でなく特定の場所だけに浮腫が現れた状態のことです。外傷や炎症などが原因で、特定の場所の静脈やリンパ管の詰まったり、特定の場所の浸透圧や代謝異常などが起こり浮腫が発生します。
外傷性浮腫・炎症性浮腫
外傷性浮腫・炎症性浮腫では、発赤・発熱・局所性疼痛がみられます。外傷や炎症というと怪我や事故後のようなイメージをするかもしれませんが、手術での侵襲による血管やリンパ管の損傷や手術後の癒着などが原因で浮腫を発生することもあります。通常は指の圧迫による陥凹はすぐに元に戻る。損傷部の近位、遠位にも広がる可能性があります。
リンパ性浮腫
リンパ性浮腫では、特徴として指で圧迫すると数分陥凹したままの状態のこともあるが、それがみられないこともあります。柔らかい浮腫と硬い浮腫があります。リンパ性浮腫は膝・肘より遠位に生じることが多いです。
静脈性浮腫
静脈性浮腫も、リンパ性浮腫と同様に体液の還流が悪くなることが原因であることから、四肢の遠位に生じることが多いです。しわ・緊張など皮膚の自然な構成を失っていることが多いです。
全身性浮腫
全身性浮腫とは、栄養面や内蔵の機能、毒性のある化学物質の体内循環などが原因で起きる浮腫であり、全身に症状が出たり、痛みや感覚障害などを併発することが多いです。
栄養障害性
栄養障害性による全身性浮腫では、体重減少、皮膚発疹、腹部の浮腫、両下肢の浮腫などの症状がみられることがあります。
毒性浮腫
毒性浮腫による全身性浮腫では、発赤、発疹、かゆみ、局所性疼痛などの症状がみられることがあります。
内臓疾患性浮腫(心臓、腎臓、肝臓、内分泌)
内臓疾患性浮腫は、心臓、腎臓、肝臓、内分泌などが原因の浮腫で、体重変化、腹水貯留など、疾病によって多様な症状を認めます。
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むくみ・浮腫の確認テスト(圧迫痕テスト)の方法と判断
浮腫の起きている範囲を指で圧迫して、指を離した後も押していた部分に圧痕(あっこん)が残る場合は浮腫と言えます。
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浮腫の評価項目・観察記録・対策方法、リスク管理・治療
次のページでは、浮腫(むくみ)の評価項目、評価方法・観察記録項目・対策方法、リスク管理・治療方法など、実際にどのようにしていくかについてさらっと紹介します。
参考サイト
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