介護度の不服申し立てをしたいときの提出書類や方法、再審査の仕組みについて紹介します。介護保険では、被保険者は保険者である市区町村が行う要介護認定について不服がある場合には、都道府県に設置される介護保険審査会に審査請求(不服申立)を行うことができますが、注意点を把握した上で行う方が良いですのでまとめました。
このページの目次
要介護認定の仕組み
要介護認定は、保険者である市区町村が要介護(要支援)認定の申請を被保険者から受けた時、認定調査や主治医意見書による一次判定、市町村に設置された機関による介護認定審査会による二次判定を経て介護度が認定されるものです。要介護認定を行うときの判断基準については公平性を担保するために全国統一の基準が定められています。
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審査請求・不服申し立て前に市区町村からの説明・資料確認を
審査請求では、基本的に書面で、不服申し立てを行う人と、市区町村側の双方の主張を都道府県に設置された介護保険審査会が確認します。そのため、審査請求をするにあたっては、再審査をする際に訴えたい点を明確にするために、要介護認定がどのように決定されたのかを、処分を行った市区町村等の窓口に問い合わせることもまずは行うことをお勧めします。
市区町村等の窓口で手続きを行うとと、介護度を決定するときの介護認定審査会の時の資料などを確認することもできます。
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要介護認定の結果に対する不服申立て・審査請求とは
保険者である市区町村が要介護認定の結果を決定し介護保険被保険者証を交付した際に、決定内容(要介護度による保険給付について)に納得がいかず不服の場合には、審査請求を保険審査会に対して審査請求できるということは介護保険法で定められています。
都道府県の介護保険審査会で再審査を行うときには、法令等に従い正しく行われたかどうかを判断しますので、決定・処分が不当であるということを裁決するだけで、介護保険審査会が認定調査をやり直したりするわけではなく、不当であるという採決の場合には、保険者である市区町村が改めて再判定を行うという形式です。
また、審査請求では「そもそも審査基準がおかしい」など制度や基準の審査は行えないのでご注意ください。
不服申立て・審査請求で提出する書類
- 審査請求書
- 添付書類
- 証拠書類等(決定通知書の写しなど、審査請求の対象処分・内容を具体的に示す書類など)
- 委任状(代理人により審査請求を行う場合)
不服申立て・審査請求書の提出先
- 都道府県の介護保険審査会
- 市区町村(市区町村役所を通じて都道府県の介護保険審査会に送付されることになります。)
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再審査してもすぐに新しい介護度で再認定されるわけではない
審査請求をすることによって、既に決定されている要介護認定の効力が停止されるわけではありません。
また審査の結果、棄却された場合には、要介護認定の過程や認定結果は妥当だったものとして変更なく認定が継続します。
例えば、要支援1の処分について不服であり審査請求して、介護保険審査会で認容(審査請求人の主張を認めること)の裁決がされ、市区町村で処分(要介護認定)のやり直しが行われるまでは要介護度は要支援1のままです。審査請求の裁決で認容となった場合に、市区町村が要支援2の処分を取り消し、再度適当な要介護認定をやり直し介護度等が決定されます。
不服申立て・審査請求にかかる期間
審査請求書を受理してから裁決までに少なくとも3か月程度要すると言われています。
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介護保険審査会とは
介護保険審査会は都道府県に一箇所だけ設置されています。市町村の代表委員3名、被保険者代表3名、公益代表委員3名以上で、自分は特別職に属する地方公務員で非常勤の組織構成となっています。公益代表委員の人数はと都道府県の条例で定められており、任期は3年(都道府県知事が任命・再任可能)、規模や事務量に応じて適切な人数が配置されます。委員には守秘義務が課せられています。
要介護認定の処分に関する審査請求不服申し立てに対しては、道府県知事の任命により保険医療福祉の学識経験者である専門調査人を設置することもできます。
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不服申し立て・審査請求が認められた事例数
愛知県介護保険審査会で行われた「審議概要」が公開されていますので、参考に見てみますと、1年間の「要介護認定に関す
る処分」に対する審査は年間に20件程度でした。各都道府県の規模等により差はあると思いますが、介護保険審査会での審査請求を行う件数はそれほど多くないという印象でした。
参考サイト:審議会等のプロフィール(愛知県介護保険審査会)
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認定有効期間中の状態変化は区分変更申請も選択肢
認定有効期間中に心身の状態の変化により介護の必要の度合いに変化があると言う場合、要介護(要支援)状態区分の変更が必要であるとして行う区分変更申請で対応しているケースの方が多そうです。
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