乳幼児突然死症候群とは、何の予兆もなく原因もわからずに乳幼児が突然死する病気で、原因ははっきりとは解明されていません。近年発症率を低くするデータから、うつぶせ寝で赤ちゃんを寝かせないなどの対策が啓発され認識が広まってきました。
乳幼児突然死症候群は12月以降の冬期に発症しやすい傾向があることから、厚生労働省は、毎年11月を乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策強化月間と定め、社会的関心を喚起するため、発症率を低くするポイントなどの重点的な普及啓発活動を実施しています。(※対策強化月間は平成11年度から実施しています。)この記事では、厚生労働省の乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策を基礎に、日本での発症数、発症率、厚生労働省が示した発症率が低くなるデータから予防の3つのポイントをご紹介。
このページの目次
乳幼児突然死症候群とは
乳幼児突然死症候群とは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る、原因の分からない病気で、窒息などの事故とは異なります。
英語でいうと、乳幼児突然死症候群=Sudden Infant Death Syndromeなので、略してSIDSと呼ばれます。
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日本での乳幼児突然死症候群の発症数
乳幼児突然死症候群 (SIDS) の発症数は平成11年から社会的関心の換気や普及啓発を行ってきたことも功を奏し、データ上は徐々に減少してきています。出生数が減っていることも影響しているかもしれません。
平成30年には60名(概数)の乳幼児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第4位となっています。
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日本での乳幼児突然死症候群を発症して死亡する確率(発症率)
現在の日本の出生数は平成28年には97万6978人となっています。平成28年の乳幼児突然死症候群 (SIDS) の発症数は109人であったため、発症率は0.011%、およそ1万人に1人くらいが発症するという確率であったということになります。好発年齢でいうと生後2か月から6か月に多いですが、1歳以上で発症した事例もあります。
出生数・出生率の推移
我が国の年間の出生数は、第1次ベビーブーム期には約270万人、第2次ベビーブーム期には約210万人であったが、1975(昭和50)年に200万人を割り込み、それ以降、毎年減少し続けた。1984(昭和59)年には150万人を割り込み、1991(平成3)年以降は増加と減少を繰り返しながら、緩やかな減少傾向となっている。2016(平成28)年の出生数は、97万6,978人となり、1899(明治32)年の統計開始以来、初めて100万人を割った。
出生数・出生率の推移,内閣府 (資料元 厚生労働省)
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乳幼児突然死症候群の発症率が低くなる予防の3つポイント
乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防方法は確立していませんが、以下の3つのポイントを守ることにより、 SIDS の発症率が低くなるというデータがあります。
1歳になるまでは、寝かせる時はうつ伏せ寝でなくあおむけに
乳幼児突然死症候群は、うつぶせ、あおむけのどちらでも発症しますが、寝かせる時にうつぶせに寝かせたときの方が乳幼児突然死症候群の発症率が高いということが研究者の調査から分かっています。医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。この取組は、睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効です。
できるだけ母乳で育てましょう
母乳育児が赤ちゃんにとっていろいろな点で良いことはよく知られています。母乳で育てられている赤ちゃんの方が乳幼児突然死症候群の発症率が低いということが研究者の調査から分かっています。できるだけ母乳育児にトライしましょう。
たばこ・喫煙は乳幼児突然死症候群発症の大きな危険因子
たばこは乳幼児突然死症候群発症の大きな危険因子です。妊娠中の喫煙はおなかの赤ちゃんの体重が増えにくくなりますし、呼吸中枢にも明らかによくない影響を及ぼします。妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。これは、身近な人の理解も大切ですので、日頃から喫煙者に協力を求めましょう。
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乳幼児突然死症候群について、よくある疑問
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参考資料
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