ポータブルスキルとは 厚労省が推進、仕事の構造化スキル

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ポータブルスキルは、キャリアコンサルタントなどの支援者が求職者や求人元の相談者などに対し相談支援を行う際に活用することを前提としている概念・スキルですが、転職や昇進、キャリアチェンジ、キャリア形成を進める際にも役立つ考え方です。厚生労働省もポータブルスキル見える化ツールを公表するなど、理解促進が進められています。

ポータブルスキルとは

ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても通用する、持ち運び可能な能力のことです。キャリアチェンジ、キャリア形成を進める際に、専門知識・専門スキルだけではなく、さまざまな仕事を進める上で共通して求められる「ポータブルスキル」が重要と言われています。

ポータブルスキルの要素は「仕事のし方(対課題)」と「人との関わり方(対人)」において、9要素あります。

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仕事のし方とポータブルスキルの関係

仕事の進め方は、大きく3つの行動でできています。

  • 現状の把握と課題の設定をまとめて「課題を明らかにする」
  • 課題に対する対処方法・手段を「計画を立てる」
  • 課題の遂行と状況への対応をまとめた「実行する」

仕事を進めるときに特に重要な行動

どんな仕事を行うにも、仕事を進めるときに重要となる3つの行動を分解すると以下のようになっています。これらの行動を適切に行える能力を持ち合わせていてると、さまざまな業種・職種に転用可能です。

成果につなげるために重要な行動 特に重要な行動
課題を明らかにする 現状の把握 課題設定に先立つ情報収集の方法や内容・情報分析など
課題の設定 設定する課題の内容(会社全体・事業・商品・組織・仕事の進め方の課題)
計画を立てる 計画の立案 計画の期間、関係者、調整事項の多さ、前例の有無など
実行する 実際の課題遂行 本人の役割、スケジュール管理、関係者、柔軟な対応の必要性、成果への障壁の有無
状況への対応 柔軟な対応の必要性、予測のしやすさ

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人との関わり方とポータブルスキルの関係

人との関わり方としては、大きく3種類に分かれます。会社の方針・期待を把握して対応する「上司/経営層」、取引や利害に直接関わる社外の「顧客・取引先」、マネジメントの観点で関わる「部下・後輩」で、業務に重要な行動は何かを考えると理解が深まると言われています。

対人マネジメントで重要なこと 特に重要な行動
社内対応(経営層/同僚) 指示に従う必要性、提案を求められる程度、社内での役割や期待などへの対応
社外対応(顧客・取引先) 顧客、取引先などとの関係構築、取引内容、関係性の継続期間など
社内対応(上司) 上司への報告や課題に対する改善に関する意見の述べ方
部下マネジメント (評価や指導) 部下の人数、コミュニケーション手段・頻度、課題設定、評価基準設定、適正な評価、指導・育成が必要な点など

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ポータブルスキル見える化ツール(厚生労働省)

ポータブルスキル見える化ツールは、ポータブルスキルを測定し、それを活かせる職務、職位を提示するツールです。特に、ミドルシニア層のホワイトカラー職種の方がキャリアチェンジ、キャリア形成を進める際に使用することを想定しているそうでう。
(なお、本ツールは、キャリアコンサルタント等の支援者が求職者や相談者等に対し相談支援を行う際に活用することを前提としています。)

ポータブルスキル見える化ツール(厚生労働省)

ポータブルスキル見える化ツール解説動画

厚生労働省が作成したこちらの動画では、主にポータブルスキル見える化ツールの仕組みについて説明しています。 

動画の内容

  1. ポータブルスキル見える化ツールとは
  2. 対象者・利用場面と想定する効果
  3. 診断の流れ

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ポータブルスキルとテクニカルスキル

ポータブルスキルが業種や職種が変わっても通用する、持ち運び可能な能力のことであることに対し、テクニカルスキルとは、特定の業種・業務を遂行するために欠かせない知識や技術、能力のことです。

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ヒト軸とコト軸

採用面接や人材を評価するときに、多く分けると2つの捉え方があります。1つ目は「ヒト軸」という方法で、どんな人かを軸に進められます。ポータブルスキルについて考えるときに重要になるのは2つ目で、「コト軸」という方法で、何年○○業界で仕事をしたか人なのかという考え方でなく、その仕事を通してどんな課題があり、どんなことを解決してきたのかという「コト」を引き出していきます。

ヒト軸(どんな人なのか)

ヒト軸とは、例を挙げると「TOEIC○点以上」「○○の資格あり」「○○業界にいた人」「経験○○年以上」「○○部門での経験あり」などという仕事を遂行する能力があるかどうかは直接わからない、その人のスペックとして物差しや1か0で測ることができるような捉え方です。

コト軸(どんな課題を解決してきたのか)

コト軸とは、「課題を明らかにする」「計画を立てる」「実行する」、そして社内外の関わりを整理して、課題を解決するための仕事の進め方を具体的に説明するという形です。コト軸で整理でき、実行するということはどんな業種・職種でも重要であり、ポータブルスキルとしても要点であると考えられています。

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まとめ

厚生労働省が理解促進をしている「ポータブルスキル」とは、現状の把握、課題の設定、計画の立案、実際の課題遂行、状況への対応というどんな仕事でも必要な手続きを、構造化して考えて進めていけるかという能力と言えます。専門的なスキルがあることも大切ですが、スキルを仕事に活かして活躍するためにはポータブルスキルの考え方が大切です。

仕事をするときにも、現状の把握、課題の設定、計画の立案、実際の課題遂行、状況への対応ということを意識してみると、ポータブルスキルを鍛えることができるのではないでしょうか。

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