【保存版】介護保険施設入所費用などの自己負担軽減制度

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高額な介護保険サービス費の軽減制度、医療保険の高額療養費と介護保険の合算制度、施設入居・入所者の居住費・食費の負担限度額認定についてまとめます。
介護保険の費用も医療費も、高額に自己負担の費用支払いが生じた場合は軽減する制度があることを覚えておいてください。

ケースバイケースなので、具体的な相談は自治体の介護保険関係の窓口や、医療保険の窓口にに問い合わせてご確認ください。

介護保険サービスの自己負担分とは

介護保険サービスの自己負担分とは、介護保険サービス・介護保険施設の利用料金などのうち、負担割合に応じて支払う自費のことです。

例えば、3時間の通所介護を週1回利用した場合、事業所が受けとることができる介護報酬は4000円ほどになりますが支払いは以下のようになります。(実際にはサービスコードで詳細な単位数が決まっています)

 

通所介護3時間の1回利用で法定の介護報酬4000円の場合の例
介護保険から給付 7割~9割(2800円~3600円)
利用者の自己負担 1割~3割(400円~1200円)

※平成27年8月から、現役並み所得者に相当する方は介護保険サービスの自己負担が2割負担になりました。
※平成30年8月から、高所得な方は介護保険サービス利用料金のうち自己負担が3割負担になりました。

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介護保険サービスの自己負担分以外の自費支払い

介護保険サービスを利用するとき、大きく分けると、介護保険サービスの費用と、介護保険サービス外の費用があります。

介護保険サービスの費用

介護保険サービスの費用は、介護保険のサービスごとに提供した内容に応じた介護報酬が法律で決まっています。この費用のうち、自己負担割合に応じて利用者は支払いを行います。

介護保険の保険外サービスの費用

介護保険サービスの利用料とは別に、食事や生活に必要な費用などは別途費用で請求があります。

例えば、食事代などは介護保険サービスとは別なので、500円の昼食が提供されていれば500円支払います。老人ホームなどの施設に入所している場合には、食事代、居住費(家賃)、水道光熱費などは負担割合とは別でかかった金額は保険外サービスとして全額利用者が支払うことが原則です。

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さまざまな介護費・医療費の軽減制度

介護保険サービスを利用するにあたって、利用料の負担が困難な方に対して、所得等に応じて下記の高額介護サービス費制度、高額医療高額介護合算制度、4段階の居住費・食費の負担限度額制度があります。

介護保険自己負担が2割や3割でも、自己負担額が一律に2倍、3倍になるわけではありません。
政治家や福祉業界の人間までも「介護サービスの利用料が2倍、3倍になる」「福祉の切り捨てだ」と狼狽して、さらに誤解を助長しています。負担を軽減する制度や、自己負担が高額になる場合には支払い額に上限が設けられる制度などがあり、単に2倍3倍を支払っている訳ではない仕組みになっています。

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高額介護サービス費制度の補助概要

介護保険のサービスを利用した月の利用者負担合計額(同じ世帯内に複数の利用者がいる場合には世帯合計額)が一定の額を超えたときには、「高額介護サービス費」としてあとから支給されます。該当する方へは、区から申請書をお送りします。
現役並み所得者( 65 歳以上の人の収入の合計が520 万円以上)や住民税課税世帯では、世帯の合計44,000円以上になった場合にはこの制度が適用でき、個人や世帯の所得によって決められている月々の負担額上限を超えた分が、介護保険から支給されます

利用者負担上限額は、所得等に応じて変わり、以下の自己負担額上限表のようになっています。

介護保険サービスの自己負担額上限額表

所得区分 自己負担上限額(月額)
現役並み所得者※1 44,400円【世帯合計】
住民税課税世帯 44,400円【世帯合計】
住民税非課税世帯
(世帯全員)
24,600円【世帯合計】
15,000円【個人】
生活保護受給者等 15,000円【個人】

住民税非課税世帯についてはこちらで解説しています。

生活保護についてはこちらで解説しています。

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高額療養費制度(高額医療・高額介護合算制度)

高額療養費制度とは、家計に対する医療費の自己負担が過度なものにならないよう、医療機関の窓口において医療費の自己負担を支払った後、月ごとの自己負担の上限額を超える部分について、保険者から償還払いされる制度です。高額療養費制度も加入者の所得水準により上限額が異なります。

1つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含む)では上限額を超えないときでも、同じ月の別の医療機関等での自己負担を合算することができます。

また、複数の受診や、同じ世帯にいる他の方(同じ医療保険に加入している方に限ります。)の受診について、窓口でそれぞれ支払いした自己負担額を1か月単位で合算することができます。

さらに、過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当となり、上限額が下がります。

高額療養費制度を利用する場合の「70歳以上」の方の自己負担の上限額

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~
標報83万円以上/課税所得690万円以上
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770万円~約1,160万円
標報53万円以上/課税所得380万円以上
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370万円~約770万円
標報28万円以上/課税所得145万円以上
80,100円+(医療費-267,000)×1%
年収156万~約370万円
標報26万円以下/課税所得145万円未満等
外来枠18,000円(年14万4千円)
57,600円
Ⅱ 住民税非課税世帯 外来枠8,000円
24,600円
Ⅰ 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など)
外来枠8,000円
15,000円

高額療養費制度を利用する場合の「69歳以下」の方の自己負担の上限額

69歳以下で高額療養費制度を利用する場合には、国保と健保で適用の区分が異なります。

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:旧ただし書き所得210万~600万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者 35,400円

高額療養費制度の利用方法

高額療養費制度の利用方法は、自身が加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など)に、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられます。病院などの領収書の添付を求められる場合もあります。
ご加入の医療保険によっては、「支給対象となります」と支給申請を勧めたり、自動的に高額療養費を口座に振り込んでくれたりするところもありますが、該当しそうな場合には自身が加入している医療保険の保険証の連絡先にご確認ください。

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居住費・食費の自己負担限度額(特定入所者介護サービス費助成)

介護保険の施設に入所する場合に、所得に応じて居住費・食費の負担限度額が設定されています。
低所得の方が施設の利用が困難とならないように、所得に応じて利用者負担段階を4段階に分け、居住費・食費の負担限度額を設定している。利用者負担段階の第1段階から第3段階の方については、負担を軽減しています。この制度のことを「特定入所者介護サービス費助成」といいます。
利用する場合には、介護保険課給付係に申請し「負担限度額認定証」の交付を受けることが必要です。

負担限度額認定証について詳しくはこちらの記事で紹介しています。

居住費・食費の自己負担限度額設定の対象施設

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設(老人保健施設)
  • 医療介護院
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
  • ※ 通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)等は対象になりません。

利用者負担段階区分(4段階)

  • 第1段階は、生活保護受給の方または世帯全員が区民税非課税で本人が老齢福祉年金受給の方
  • 第2段階は、世帯全員(1人世帯を含む)が区民税非課税で本人の合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の方
  • 第3段階は、世帯全員(1人世帯を含む)が区民税非課税で本人の合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円を超える方
  • 第4段階は、上記以外の方

食費(日額)

  • 第1段階は、300円
  • 第2段階は、390円
  • 第3段階は、650円
  • 第4段階は、1,380円から(施設との契約による金額)

居住費(日額)

第1段階の居住費の負担限度額の場合の例

区分 居住費(日額)
多床室 0円
従来型個室(特養等) 320円
従来型個室(老健・療養等) 490円
ユニット型準個室 490円
ユニット型個室 820円

第2段階の居住費の負担限度額の場合の例

区分 居住費(日額)
多床室 370円
従来型個室(特養等) 420円
従来型個室(老健・療養等) 490円
ユニット型準個室 490円
ユニット型個室 820円

第3段階の居住費の負担限度額の場合の例

区分 居住費(日額)
多床室 370円
従来型個室(特養等) 820円
従来型個室(老健・療養等) 1,310円
ユニット型準個室 1,310円
ユニット型個室 1,310円

第4段階の場合

一般的に第4段階とは、負担限度額の軽減に該当しない、住民税課税世帯のことを指します。
以下の項目に該当する場合には、負担限度額制度の適応とはなりません。

  1. 住民税非課税でも、世帯分離している配偶者が住民税課税者である場合
  2. 住民税非課税世帯(世帯分離している配偶者が住民税非課税)でも、預貯金等が一定額(単身1,000万円、夫婦2,000万円)を超える場合

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まとめ

介護保険の自己負担が2割・3割になっても、限度なく2倍・3倍の支払いになるというわけでなく、携帯のダブル定額プランのように上限があることを知っておくと、介護支援や相談援助を行っている方は支援に役立つと思います。
これらは上限額を超えた場合には申請したり、負担限度額認定証を交付される必要があり、知らないとそのまままるまる払ってしまうことになります。

この他にも、子どもの医療費無料の自治体があるように、自治体ごとなど軽減や補助を用意してることもあります。

知らないとそのままになってしまいますが、様々な軽減制度、減免制度などのセーフティネットが機能していますので、ぜひアンテナを張って知らない人には情報共有してみてください。

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