訪問介護における実地指導の確認項目と文書(2019年6月以降)

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2019年5月30日に発表された介護保険最新情報vol.730「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」で、介護サービスの質の確保、利用者保護等の観点から実地指導を行う趣旨にとって重要と考えられる標準的な確認項目及び確認文書について定めました。

実地指導を進める中で、不正が見込まれる等、詳細な確認が必要と判断する場合は、監査に切り替え、「標準確認項目」及び「標準確認文書」に限定せず、必要な文書を徴し確認するものとされています。

このページの目次

実地指導の意味と内容

実地指導は、各事業所における利用者の生活実態、サービスの提供状況、報酬基準の適合状況等を直接確認しながら事業者の気づきを促すなど、より良いケアの実現及び保険給付の適正化を図るために有効であり、これまで、指定の有効期間内に最低でも 1 回以上は実地指導を行うよう助言しているところですが、事業所が年々増加傾向にある中、実地指導は集団指導と併せて効果的に実施するなど一層の効率化が求められています。

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訪問介護における標準確認項目と必要書類のポイント

以下、訪問介護事業者が実地指導の際に求められる確認項目、確認書類を紹介します。

ピンク色が実地指導で確認する項目、緑色が実地指導の必要書類となっています。

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訪問介護員等の人員数に関する実地指導確認項目と書類

利用者に対し、職員数は適切であるか
必要な資格は有しているか

勤務実績表/タイムカード
勤務体制一覧表
従業員の資格証

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管理者に関する実地指導確認項目と書類

管理者は常勤専従か、他の職務を兼務している場合、兼務体制は適切か
管理者の雇用形態が分かる文書

管理者の勤務実績表/タイムカード

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内容及び手続の説明及び同意に関する実地指導確認項目と書類

利用者又はその家族への説明と同意の手続きを取っているか
重要事項説明書の内容に不備等はないか

重要事項説明書
利用契約書(利用者又は家族の署名、捺印)

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介護保険受給資格等の確認に関する実地指導確認項目と書類

被保険者資格、要介護認定の有無、要介護認定の有効期限を確認しているか

介護保険番号、有効期限等を確認している記録等

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心身の状況等の把握に関する実地指導確認項目と書類

サービス担当者会議等に参加し、利用者の心身の状況把握に努めているか

サービス担当者会議の記録

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居宅介護支援事業者等との連携・担当者会議に関する実地指導確認項目と書類

サービス担当者会議を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか

サービス担当者会議の記録

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居宅サービス計画に沿ったサービスの提供に関する実地指導確認項目と書類

居宅サービス計画に沿ったサービスが提供されているか

居宅サービス計画

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サービス提供記録に関する実地指導確認項目と書類

訪問介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか
日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記しているか

サービス提供記録

利用料等の受領に関する実地指導確認項目と書類

利用者からの費用徴収は適切に行われているか・領収書を発行しているか
医療費控除の記載は適切か

請求書
領収書

訪問介護計画書の作成に関する実地指導確認項目と書類

居宅サービス計画に基づいて訪問介護計画が立てられているか
利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問介護計画が立てられているか
サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか
利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか
目標の達成状況は記録されているか
達成状況に基づき、新たな訪問介護計画が立てられているか

居宅サービス計画
訪問介護計画(利用者又は家族の署名、捺印)
アセスメントシート
モニタリングシート

緊急時等の対応に関する実地指導確認項目と書類

緊急時対応マニュアル等が整備されているか
緊急事態が発生した場合、速やかに主治の医師に連絡しているか

緊急時対応マニュアル
サービス提供記録

運営規程に関する実地指導確認項目と書類

運営における以下の重要事項について定めているか

  1. 事業の目的及び運営の方針
  2. 従業者の職種、員数及び職務の内容
  3. 営業日及び営業時間
  4. 指定訪問介護の内容及び利用料その他の費用の額
  5. 通常の事業の実施地域
  6. 緊急時等における対応方法
  7. その他運営に関する重要事項

運営規程
重要事項説明書

勤務体制の確保等に関する実地指導確認項目と書類

サービス提供は事業所の従業員によって行われているか
資質向上のために研修の機会を確保しているか

雇用の形態(常勤・非常勤)がわかる文書
研修計画、実施記録

秘密保持等に関する実地指導確認項目と書類

個人情報の利用に当たり、利用者及び家族から同意を得ているか
退職者を含む、従業員が利用者の秘密を保持することを誓約しているか

個人情報同意書
従業員の秘密保持誓約書

広告に関する実地指導確認項目と書類

広告は虚偽又は誇大となっていないか

パンフレット/チラシ

苦情処理に関する実地指導確認項目と書類

苦情受付の窓口があるか
苦情の受付、内容等を記録、保管しているか
苦情の内容を踏まえたサービスの質の向上の取組を行っているか

苦情の受付簿
苦情者への対応記録
苦情対応マニュアル

事故発生時の対応・ヒヤリハットに関する実地指導確認項目と書類

事故が発生した場合の対応方法は定まっているか
市町村、家族、介護支援専門員に報告しているか
事故状況、対応経過が記録されているか
損害賠償すべき事故が発生した場合に、速やかに賠償を行うための対策を講じているか
再発防止のための取組を行っているか

事故対応マニュアル
市町村、家族、介護支援専門員への報告記録
再発防止策の検討の記録
ヒヤリハットの記録

訪問介護の実地指導はポイントを押さえてこのチェックリストで対策

こちらで紹介した内容が今後の訪問介護の実地指導で標準的にチェックする項目です。ただし、加算については特に触れられていないなど、従来通り詳しくチェックされる部分もあると思います。今回発表された方針の中では、高圧的な指導は行わないように留意事項が示されていますが、不正や見逃せない指摘事項が出てきたときには監査に切り替えて必要書類に限定せず、必要な文書を徴し確認することになります。普段から運営基準違反や書類の不備をなくすことを心掛けていきたいですね。

訪問介護のサービスコード・単位数はこちら

(2021年4月改定版)

(2019年10月改定版)

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